来週シンガポールへの渡航を予定しているのですが、自身の持っているJALカードに付帯している海外旅行保険の補償内容について、見直しを行いました。
と言うのも、私はこれまで海外で体調を崩した経験が2度あり、いずれもJALカード保険の「疾病治療」保障を受けているのですが、保険の利かない海外での治療費は非常に高額になりがちですから、カード付帯保険だけでは心細く感じる様になりました。
JALカードClub-A保障内容を確認
私の持っている「JALカードClub-A」は、JALカードラインナップの中で中堅レベルのカード。年会費11,000円とやや高額ですが、国内および海外旅行保険に関しては、一応基本的な保障内容は揃っています。
- 死亡・後遺障害…5,000万円
あらゆるクレジットカードの保険を見ても、この死亡保障に関しては高額である場合が殆どですよね。棺桶にお金は持って行けませんが、残された家族にとってはせめてもの救いとなるでしょうか。しかし事故で重い障害を負ってしまった場合等には、とても助かる金額だと思います。
- 傷害・疾病治療費…150万円
150万円という金額は一見すると高額に思えますが、保険の利かない海外では10万20万は当たり前、少し手術するだけで200万円以上、生死に関わる重大事故や病気の治療になると1000万円はくだらないですから、この金額では到底足りないでしょう。
- 賠償責任…2,000万円
- 携行品被害…50万円(1品10万円、年間100万円限度)
これは旅行中の盗難や不慮の破損事故による保障ですが、1品につき10万円が限度なのでiphoneくらいまでなら全額保障されるでしょう。私がいつも持って行く一眼レフカメラも6万円程度ですし、このくらいの保障があれば十分だと思います。
- 救援者費用…100万円
これは実際に遭ってみないと分からないですね。本人が事故や病気で入院をした時などに、家族が駆けつける時にかかる航空運賃や宿泊費が対象ですが、突然に起こり得る事なので航空券の割引運賃は一切利用出来ないでしょう。欧州往復の普通運賃は40万円、これにホテルや滞在費を含めると、100万円では2名が限界でしょうか。
補填が必要なのは「治療費」
これらJALカード付帯保険の中で圧倒的に力不足なのが「治療費」。上記の通り、健康保険の利かない海外において150万円なんて限度額はあっという間です。
私は昨年ロンドンで体調を崩した際に、日本語対応の病院で問診・血液検査を受けましたが、たったこれだけで約10万円の請求となりました。→JALカード保険を利用したイギリスの医療機関受診の経緯
勿論JALカード保険で全額保障されましたが、聞く所によると盲腸の手術と2~3日の入院で200万円、交通事故によるくも膜下出血の手術・入院で5000万円など、とんでもない高額請求の事例は数多く存在しますから、治療保証は多ければ多いほど安心です。
JALカード“付加”保険は役立たず!
JALカード付帯保険に保障内容を追加する場合は、「東京海上日動 海外旅行保険」と「AIU海外旅行保険」の何れかから選択する事になります。JALカード保険の冊子の最後のページに記載されているURLにアクセスして申し込むのですが、これらの保険料・保証内容は決して満足のいくものではありません。
フリープランのある「AIU海外旅行保険」で見積もりを出してみたのですが、治療費が最大でも600万円までしか保証されず、尚且つ死亡・後遺障害の補償を消すことが出来ない為、保険料はかなり割高。これなら最初から普通のプランに入るのと変わり有りませんね。
一方、東京海上日動の保険の方を見ても、補償内容を個別に選べるプランが無く最低でも3,000円~とこちらも割高。これでは折角JALカードを持っていても意味が有りません。
損保ジャパン日本興亜の「OFF」
そこで私が選んだのは、損保ジャパン日本興亜の「新・海外旅行保険OFF」というもの。こちらはJALカードとは何ら関わりのあるものではありませんが、必要な保障だけ選択できるフリープランがあって、しかも割安!
今回はシンガポール6日間で申込、治療費2000万円に加えて賠償責任1億円、救援者費用2000万円を入れて1370円で済みました。これと同じ内容を「ドイツ7日間」で見積もってみても1560円でしたから、海外旅行保険を全く持たない人がフルセットで申し込むものと比べて、およそ半額で済みます。※価格は社会情勢により随時変動します。この他にも、少し高くなりますが携行品損害の補償は100万円まで付けられますし、1億円の賠償責任も骨太の金額です。死亡や後遺障害の補償が要らないという人は、クレジットカードの保険が無くてもこれだけで十分かもしれませんね。
治療保障は合算できる?
意外と知られていないかもしれませんが、海外旅行保険の付帯するクレジットカードを複数持っている場合、その保障内容は「死亡・後遺障害」を除いては基本的に合算が可能です。治療保障が150万円のクレジットカードであっても、それが4種類もあれば600万円まで保証される事になります。
但し、同一の発行会社で無い事やが条件である事など、細かなルールには注意が必要ですが、楽天カードの様な年会費無料のカードであっても200万円の治療保証が付いていたりと、なにげに充実しているものです(但し、利用付帯である事には注意)。
それでも、数千万円にも及ぶ手術費用を賄うには、やはりクレジットカードだけでは非力ですよね。“病は気から”とも言いますし、この安心こそが健康的な海外旅行を実現させてくれるものだと思います。何だか保険会社の回し者の様な記事になってしまいましたが、海外旅行を計画されている方は、万が一の事態への備えをしっかりとして、楽しい旅行にして頂ければと思います。
関連記事: