JALの「成田⇔伊丹」と言えば、国際線機材777-300erが宛がわれていて、クラスJ料金だけでファーストクラスやビジネスクラスのシートを体験できるという事で有名ですよね。私は今度ロンドンへ向けたファーストクラスで利用するのですが、ちょうど大阪へ行く用事があった為、この路線で試してみようと思いました。
以前「スカイスリーパー・ソロ」という昔のファーストクラスシートには乗った事があるのですが、JAL Suiteになってからは経験がありませんでしたので、丁度良い機会です。
発券はコスパの良い特典航空券で
JALの成田から伊丹への航空運賃は、どういう訳か羽田便と比べてとても高く設定されています。
使い勝手の良い「特便割引」が「ビジネスきっぷ」よりも高いという逆転現象が発生している程です。19,000円も払ったら、羽田便のファーストクラスを利用出来てしまいますよね。
そこで、私が利用したのは特典航空券。4月はディスカウントマイル期間の為、通常より少ないマイルで利用が出来、今回往復でかかったマイルは9500マイル。勿論「普通席」で予約し、当日空港で別途1,000円を支払ってクラスJにUPする方法を取ります。※クラスJの運賃は3,000円に値上げされています。
羽田便と違ってクラスJがすぐ満席になる事は無いので、片道2000マイルも支払ってクラスJを事前予約する必要は全く無いでしょう。これで1マイル3円超という、国際線ビジネスクラス並みのコスパを実現してくれました!
依然としてラウンジは混雑
国際線の相次ぐ羽田への移管によって、成田空港利用者は随分と減っているはずなのですが、国内線への乗り継ぎ時に利用されるサクララウンジは依然として混雑していました。ロンドン線やパリ線が羽田に移って、成田の利用客が減少しているにも関わらず、ラウンジは夕方になると大混雑。座席の空きが見つからないほどです…。以前にはあった「成田⇔那覇」便も無くなり、このラウンジで待っているのは「札幌・大阪・名古屋・福岡」のいずれかへ行く人達だけですから、それでも混雑が続いているというのは、流石大都市といったところでしょうか。
食事は小さなサンドイッチのみ…何年か前に利用した時はマフィンや菓子パンなど数種類置いてあったのですが、大分改悪されている様です。アライバルラウンジとしても使えるANAの国内線ラウンジは、スープや軽食まで用意されているとの事ですから、JALにも少しは見習ってもらいたものですね。
尚、ファーストクラスシートJAL Suiteの座席は、国際線ファーストクラス利用者への乗り継ぎ用として確保されている為、初めからアサインする事は出来ません。
グローバルクラブ会員と言えども、チェックインカウンターでは「リクエスト」として要望を伝え、初めはビジネスクラス用のSky Suiteシートをアサインされます。私の場合はラウンジ内でお呼びがかかり、無事に1A(後から2Aに変更)の座席番号をGetする事が出来ました。
“特別”な空間のJAL Suite
いよいよ搭乗となりました!座席は、JAL Suite誕生から数年経過している事もあって、大分使われた感がありましたが、やはり“広い”の一言!広すぎてホールド感が無く、落ち着かないくらいです。
各席の仕切りが高いせいか開放感はあまり感じられませんが、JAL Suiteの8席とも満席にも関わらず、人の気配を感じません。
ただ、各個室への出入り口が大きく取られている為か、通路を忙しなく動き回るCAさんとよく目が合います。“個室感”という意味ではビジネスクラスのSky Suiteの窓側に軍配があがるでしょう。
大型機材777-300erの前方は流石に静かで、タキシング時に鳴る独特のノイズも殆ど聞こえず、クラシック・音楽家の耳に優しい座席でした。ただ、座席周りの“家具”達が、振動によってカタカタと音を立てるのが気になりました。まぁそれだけゴォーっという騒音が少ないという証拠なのかもしれません。
CAさんの対応も、通常のクラスJとは違って“特別な客”への持て成しといった感じの丁寧“すぎる”ものでした。飲み物は個別に希望を聞きに来てくれますし、飛行機の遅延に対しては乗客一人一人を廻って、丁寧に謝罪をされていました。やはりここは特別な乗客を通す座席なんですね。
隣のオッサンと肘掛の奪い合いをする事無く、この様に足を延ばして大阪まで行けるというのは、ある意味実感が沸いてきません。
離陸待ち混雑で大幅遅延
特別な時間はあっという間に過ぎ去って行きますが、成田空港混雑の影響で出発してから離陸までに1時間近くを要しました。成田空港を18:30に出発したにも関わらず、伊丹空港ターミナルにある「551蓬莱」の21時の閉店に間に合わないという惨事…。これを夕食のアテにしていただけに、落胆は大きいもがあります…。
勿論JAL Suiteの快適なシートの上では、時間はあっという間に過ぎてしまってストレスは感じませんが、成田空港の滑走路混雑の問題は噂レベルではないという事を実感しました。やはり検討されている「第3滑走路」の整備というのは、空港需要の観点から見ると急務なのかもしれませんね。
「成田⇔伊丹」のフライトについて総じて感想を述べますと、都心の混雑を避けて通れる空港アクセスや、機内での隣席へのストレスが皆無である点はとても素晴らしく、たかが大阪への移動であっても特別な気分を味わう事が出来ました。ただ、時間をお金で買う様な人には不向きである事は言うまでも無く、私ですら今回大阪へ着いた時には「やれやれ」といった感が否めませんでしたので、移動だけで半日潰す覚悟が無いとこの路線は利用出来ないでしょう。いずれにしても、今後乗ることになったロンドンへのJAL Suite搭乗を心待ちにしたいと思います。
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