ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートでお馴染みヨハン・シュトラウスをはじめ、ウィーンで活躍した多くの大作曲家たちが眠るウィーン中央墓地。1874年に建設され、200ヘクタールという広大な敷地を持つ、ヨーロッパで2番目に大きな墓地です。
昨年ウィーンを訪れた際にプラっと立ち寄ってみましたが、美しく整備された道と自然豊かな環境で、とても雰囲気の良い所です!今回はそんなウィーン中央墓地について、詳しくまとめてみました。各作曲家の墓の場所など、詳しくお伝えしたいと思います。
♪こちらも合わせてどうぞ→「ウィーン」記事一覧と旅行ガイド
目次
ウィーン中央墓地へのアクセス
ウィーン中央墓地の場所はココ。トラムの71番がリンクから直通しているのですが、リンクから7kmほど離れているので結構時間がかかります。私はウィーン中央駅から乗りましたが、40分も掛かってしまった…。
中央墓地への最寄駅は「Wien Zentralfriedhof 2.Tor」。幅2kmにも及ぶ広大な敷地には4つのゲート(Tor 1~Tor 4)がありますが、その内Tor 2が作曲家の墓への最寄です。
入場は無料。開園時間であれば自由に出入り出来ます。
無料のMAPが貰える
このTor 2のゲート横には電話ボックスの様な事務所があって、この中には守衛さんが一人。声を掛けると、園内のMAPが貰えます(無料)。
MAPを見ると、改めてその広さにビックリ!所々にトイレもあるので長時間の散策も安心ですし、園内専用のバスも走っています。この墓地はおよそ200もの区画に区分けされていますが、この中で作曲家達が眠るのは「32A」。尚、情報によると有料で日本語のガイドブックを買う事もできるらしいですが、MAPを見る為だけならこの無料のMAPで十分事足りるでしょう。
200ヘクタールの広大な敷地
それでは早速、作曲家達の眠る墓へ!Tor 2のゲートからメインストリートを真っ直ぐ進み、250mほど行った所の左側が、大作曲家達の眠る32A区画です。
このメインストリートの入口、並木道を挟んで左右対称に2つ設置されているのは、レンガ造りの立派な霊廟。この中では、歴代の王族や貴族達が丁重に祀られているのだそう。
この辺りは「特別区」として各界の著名人が多く眠るエリアとなっているそうで、その為か道沿いには立派なお墓がズラリ!サイズも大きく、どの墓石も人の背丈の倍くらいあります。
この日は天気に恵まれて風が気持ちよく、小鳥のさえずりも聞こえてとても心地良い陽気!ベンチも設置されているので、晴れた日はここでのんびり過ごすのも良いですね!
墓地とは言え、日本のお墓の様な厳かな雰囲気ではなく、普通に自然公園という感じがします。
大作曲家が眠る32A区画
作曲家の墓があるのはココ。メインストリートに“MUSIKER”と書かれた看板が立っているので、そこから小道の方へ入って行きます。
各作曲家の細かな場所ですが、何気に使えるのが「地球の歩き方」ガイドブック。この中央墓地のページに、主要な作曲家の墓の場所が分かり易く書かれているので便利です!
綺麗に整備された小道に沿って、作曲家の墓が並んでいます。観光客でごった返していると思いきや、とても空いていました!やはり午前中に来たのが良かったのかもしれません。
シュトラウス、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスの墓
ここの見所は、何と言っても先ずはこちら!「美しく青きドナウ」作曲のJ.シュトラウス2世の墓と、その右側に建つのがJ.ブラームスの墓。ブラームスはドイツのハンブルク出身ですが、人生の後半はウィーンで活躍し、同地で死去しています。
そこから十数メートル先には、ラデツキー行進曲で有名な父1世の墓。墓石に“VATER”の文字がありますが、あくまで2世が基準という事なんでしょうか?
L.V.ベートーヴェン、そしてその向かい側にはF.シューベルトの墓。31歳の若さでこの世を去ったシューベルトですが、生前から尊敬していたベートーヴェンの墓のすぐ側に葬られています。
ベートーヴェンもシューベルトも、当初はここから11km北西にあるヴェーリンク墓地(現Währinger Schubertpark)に埋葬されたそうですが、後に2人揃ってこの中央墓地へ移されています。
その他、このエリアの中央に佇むのはモーツァルトの記念碑。これは彼が最初に埋葬されたSt.マルクス墓地から移設されたものですが、共同墓地だった事から埋葬場所の正確な位置が分からず、記念碑だけの移設に留まっているのだとか。St.マルクス墓地にもモーツァルトの墓碑が建っていますが、正確な埋葬場所は未だ不明なんだそう。
墓地の中央にある「カール・ボロメウス教会」
尚、32A区画のある所から更に進んだ所にあるのが、この中央墓地のシンボル的存在ともなっている「カール・ボロメウス教会」。一般に公開されていて、正面入口から勝手に入る事が出来ます(入場無料)。
中は、小じんまりとした正十字的円形の構造。この教会は1910年に建築、その後2000年に改修されているそうですが、内装のペンキがまだ真新しい感じがしますね。
天井は色鮮やかなブルーのドーム屋根。天窓から光が沢山入るので、照明が点いてなくても明るいです。特別な豪華さは無いですが、洗練されたデザインで墓地に相応しい心落ち着く教会だと思います。
尚、教会に入って暫くすると、4人組のおばさんグループが現われて、いきなり合唱が始まりました!曲名は分かりませんが、ドイツ語の宗教音楽である事は確か。
お陰でこの教会の響具合がよく分かりましたが、広さの割にとても長い残響が楽しめます。こんな何気ない所で合唱が聴けるなんて、流石はウィーン!
博物館やカフェもある
また、Tor 2ゲートから入って右の奥には博物館があって、こちらは有料で入る事が出来ます。営業時間は、平日の9:00~16:30(夏季は土曜の10:00~17:30も営業)。
内部は、主に19世紀~20世紀に活躍した貴族や皇帝の軍服や紋章が展示されていますが、フロアは小さく展示品の数も少なめ。これで入場料€7というのは、ちょっと高いなぁと…。
博物館の手前にはカフェもあります。営業時間は8:00~18:00、€10弱で食事メニューもあるので、ここでランチをするのもアリです。
ゆったり過ごすにはおススメ!
と言う訳で、J.シュトラウスをはじめ偉大な作曲家が眠るウィーン中央墓地。ベートーヴェンやシューベルトに想いを馳せるのも良いですし、金も掛からず晴れた日にのんびり過ごすには絶好の場所です!
あまりにも広い敷地なので、地図もGPSも無しに彷徨うと本気で出られなくなるかもしれないのでご注意を!
ウィーン中央墓地(Wiener-Zentralfriedhof)
- 住所:Simmeringer Hauptstraße 234, 1110 Wien
- 営業時間:7:00(冬季は8:00)~20:00(秋冬春は17:00・18:00・19:00で変動あり)
「ウィーン」記事一覧と旅行ガイドはこちら↓