今日は、オーストリア・ウィーンで鑑賞したカールス教会コンサートの模様をお伝えします!
今回のプログラムは、W.A.モーツァルトのレクイエム。美しい教会で聴くオーケストラや合唱の演奏は、通常のコンサートホールで聴くのとはまた違った面白さがあり、また楽友協会などのコンサートと比べて手軽な料金で聴ける事も魅力の一つ!
今回は、チケットの手配から鑑賞当日の流れ、そして座席の眺望や音響などについてレポートしたいと思います。
チケットはHPから購入
カールス教会で行われるコンサートのチケットは、教会コンサート専用のHPから購入出来ます。
チケット価格は公演によってマチマチですが、モツレクの場合は€46~€31、その他子供(学生)料金や立見席(無料)も用意されています。追加でプログラムも買える様ですが、私は当日会場内で購入、金額も変わらず€2でした。※価格は為替レート等により常に変化します。
決済はクレジットカード(VISAかMaster)のみ。“hobex”というのはオーストリアの会社による独自の決済システムなので、日本人が使用する事は無いと思います。決済が完了するとEチケット控えがメールで送られてくるので、それを印刷して当日持って行けばOK。尚、この時点で座席の指定は出来ず、当日勝手に割り振られる仕組みの様です。
カールス教会の場所
さて、カールス教会があるのは、ウィーン旧市街のカールシュプラッツ駅前に広がる公園の前。リンクの外になりますが、国立オペラ座や楽友協会もすぐ近くで、不便な場所ではありません。
カールス教会は1737年完成。中央に大きなドームと、両端にある細長い2つの塔が特徴のバロック建築です。昼間は他の教会と同じく内部を観光できる様になっており、18時(日曜祝日は19時)に閉館した後は今回の様なコンサートが連日行われています(通常の開館時間はHP参照)
クリスマスシーズン(この時はまだ11月でしたが…)という事もあり、教会前の公園はクリスマスマーケットで大変賑わっていました。子供達も多く、仮設のアトラクションが設置されている程。
入口横で実券に引き換え
教会の入口は、正面を見て右手。行ってみると、会場を待つ長い行列が出来ていました。まだ開演まで1時間近くあるというのにこの行列、チケットはカテゴリーの指定はあるものの、まさか各々が自由席なのではないかと少し不安に…。
チケットオフィスは、エントランスに出来た行列の隣にありました。ここで印刷して持って来た控えを提示し、実券に引き換えます。“引き換えは開演30分前までに”と購入時の控えに記載されていましたが、30分前になって開場が始まってからもチケットオフィスには行列が出来ていたので、それほど厳格なものではないのでしょう。
チケットは、残念ながら感熱紙…。席は自由席ではなく、ここで指定されました。“Row 1”という事は最前列、この席が良いか悪いかは後ほど!
毛布必須!寒い教会ならではの鑑賞
開演30分前(19:45)に開場、列に従って進むと、中でチケットをチェックされます。
そして渡されたのが、このブランケット。暖房の無い教会内はとても寒いので、これを膝に掛けて鑑賞するのだとか。男の私はこんなもの要らない、と初めは思っていたのですが、公演中の寒さは想像以上でした!絶対に受け取っておく事をおススメします。
観客の服装ですが、暖房がついていないので当然ながら皆コートを着たままの鑑賞です。ウィーンのコンサートなので私は一応ジャケットは着てきましたが、これならばカジュアルでも全然問題ないでしょう。教会コンサートはオペラ座などと違って社交場がある訳でもないので、服装はそれほど気にしなくて良いのだと思います。
足場の組まれた美しい講堂
壮大な景観の講堂!ステンドグラスが無く、金箔の輝きは少ないものの、大理石と細やかな装飾の石像、そのコントラストと重厚な色合いに、何とも言えない美しさがあります。
身廊は分かり易い十字架の形をしておらず、またそれに並行する側廊も無い講堂は、先日お伝えした「聖ペーター教会」と似ていますね。でもこちらの方が遥かに規模が大きく、壮大です。
天井には美しいフレスコ画があるのですが、残念な事に工事の足場が組まれていて全貌がよく見えません。この工事は何年も前から続いている様ですが、この足場に組み込まれたエレベーターが観光客にも開放されていて、昼間の営業時間内には天井近くまで登って行く事が出来るだそう。
お値段€8と結構高めですが、改修工事完了後は登れなくなりますから、フレスコ画を近くで見たい場合は早いうちに訪れるのがベターかもしれません。
背面にあるパイプオルガンも、これまた美しい!でもデザインはウィーンの他の教会のと似ていますよね。背面のステンドグラスはありませんが、上方の絵画もステキです。
プログラムと演奏、眺望
さて、今回指定された最前列の座席。教会のロングシートではなく、その更に前に置かれた仮設の椅子です。
この席からの眺望がコチラ。奥の奏者が見え難いですが、オーケストラの編成が小さい(4-3-2-2-1)のであまり気になりません。ステージをやや見上げる形になりますが、でもそれが返って演奏者の背後にある祭壇や美しい装飾が視界に入る事に繋がるので良いかも。
今回の公演は・W.A.モーツァルトの《REQUIEM KV 626》。ポーランド・ワルシャワの聖十字架教会でも聴いた事のある、教会コンサート定番のプログラムです。びっくりする程チューニングが低く、時にして半音近く低く感じる事もあるくらい。
オーケストラとの距離が近すぎる為か、各楽器の音がバラバラに聴こえてしまいますが、コーラス隊とは程よい距離がある為ハーモニーが綺麗に聴こえます。残響時間は4秒ほど(?)、客席が人で埋まっている為か、遠くの天井の方へ抜けていく感じがとても良く分かりました。
教会で聴くコンサート
カールス教会の「モーツァルト・レクイエム」コンサート。普通のコンサートホールでは味わえない長い残響と美しい景観は、一見(一聴)の価値ありだと思います。でも今回の演奏を聴いた限り、演奏の質はそれ程高くは無いのかと…。ただ、寒い教会内では楽器も思う様に鳴らないと思いますし、彼らも過酷な環境下で最善を尽くしているのだとは思うので、一概には言えない部分もあります。
カールス教会コンサートのHPを見ると、半年以上先の公演でも既に予約を受け付けていますし、また通常のコンサートのオフシーズンにあたる7月8月も連日行われている様なので、来場チャンスは幾らでもありますから、興味のある方は気がるに訪れてみて頂ければと思います。
ウィーンの観光情報については、観光ガイドのページも併せてご覧下さい→オーストリア・ウィーン旅行ガイドと“一人旅”体験レポート!
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