先日の徳島へのフライトはJALのクラスJを利用しましたが、なんと直前になって国際線機材への変更となり、ビジネスクラスシートを体験する事が出来ました。ビジネスクラスとは言えSky Suiteではなく、1世代前の「スカイリクライナー」でしたが、通常のクラスJと比べると遙かに座り心地も良く、快適なフライトとなりました。
目次
羽田~徳島JL459便の機材変更
羽田空港を13:35に出発する徳島行きJL459便。元々はB737-800という定員165名の小型機でしたが、直前になってB767-300erという定員200名超の機材に変更されました。
今回はクラスJへの搭乗だったので、別に737も767も大差は無いと思っていたのですが、ボーディングブリッジを歩いている際に車椅子を押す係員から「今日は珍しく国際線の機材ですよ」との話があってビックリ!国際線の機材ですと、クラスJはビジネスクラスの席が割り当てられるので、これはラッキー!767の国際線というと、最近はSS化されてフルフラットシートの「Sky Suite Ⅱ」が入っているので、少し胸を躍らせながら機内へ向かいました。
ビジネスクラスシート「スカイリクライナー」
しかし残念な事に、Sky Suite Ⅱではなく旧式の「スカイリクライナー」でした…。国際線の767は既に全ての機材がスカイスイート化されたものだと思っていたのですが、まだ旧式の仕様が残っていたんですね。
しかしこのシートは、つい数年前まで東南アジア等に飛んでいたビジネスクラスのシート。普通のクラスJシートより遙かにゆったりとしていて、格上のシートである事は間違いないですよね。なかなか狙って座れるものでも無いので、とてもお得なフライトとなりました。
このシートの一番の特徴は、国際線ファーストクラスのシートにも匹敵するくらいの大きなパーティション。これによって隣席との干渉は最小限になります。
でもリクライニングの角度はかなり浅く、これで東南アジア線の深夜便を過ごすのは辛いかな…。現在ではこのシートの機材は既に東南アジアからは撤退し、台北など近距離だけなのでまだ良いですが、一昔前はこれがスタンダードだったんですよね。
しかし普通に座るだけならこれで上等!特にこのフットレストがある点が大きいです。普通の国内線クラスJシートはこのフットレストが無く、中途半端なサイズのレッグレストのみ。それだとふくらはぎを圧迫するだけで全然リラックスできませんから、これは有り難い設備です。
座席周りの設備
続いて、座席周りの設備を見てみましょう。先ずは手元を照らす読書灯。光量の調節も可能です。
コントローラー。大分古くなっていますが、基本設計は現行と遜色なし。
リクライニング・レッグレスト・フットレストのボタン。中のバネが伸びてしまっているせいか、いずれもボタンを押しただけでは反応せず半手動です。
モニターは肘掛から出します。年季が入ったせいか、この肘掛の“蓋”がだいぶ緩くなっていました。またモニターの熱がそのまま伝わる為か、肘掛の部分がだいぶ熱くなっています。
モニターは10.6インチ、タッチパネル対応との事。今回は国内線なので、映画などのサービスはありません。
ちょっと特殊なテーブル仕様
次にテーブル関連を見て行きたいと思いますが、先ずはセンターのカクテルテーブル。こういった隣席との共有部分はなるべく無くしてもらいたいと思う派ですが、これが二世代先のシート「SHELL FLAT NEO」にまで採用されていました。
メインのテーブルは座席横から引っ張り出すタイプ。重くはないですが、ちょっと慣れるまでは出し難い感じがします。
テーブルは二つ折りの一般的なもので、サイズも標準的。テーブルの底が肘掛に当たらずに浮いた状態なので、やや安定感に欠けます(ANAよりはマシ?)。
しかし一番驚いたのが、二つ折りにした時のこの部分。JALのHPによると、これは“ペン置き”という事でビジネスマンを意識した造りなのだと思いますが、こんな仕様は初めて見ました。確かにテーブルの上に置いておくとコロコロと転がって落ちてしまうので、使い方によっては重宝するかもしれません。
B767先頭席の座り心地
今回私達がアサインしたのは、クラスJの1列目先頭席。ここは事前の指定は出来ず、当日カウンターで変更してもらいました。今回は車椅子の人間と同行なので、この方が乗降りもし易く便利です。
ドリンクのサービスもいち早く、また心無しかCAさんの気遣いも多い様な気がします。今回の様に、特別なサービスを求める場合には、もってこいの席だと思いました。
しかしながら、やはりB767はウルサイですね…。一番静かな先頭席にも関わらず、ゴォーという低音がかなり気になります。先日搭乗したマレーシア航空のa330は、殆ど風きり音のみで低音は全くと言って良いほど気になりませんでしたから、飛行機の性能の差は明らか。昨年に乗った最新のB787でもキーンという甲高いノイズが常に耳障りでしたし、今後JALがa350を導入するという事を素直に喜びたいものです。
眠るのは辛い…短距離向けビジネスクラス
と言うわけで、クラスJ国際線機材による「スカイリクライナー」シートをレポートしました。今後の767の退役を考えると、これに乗るのはこれが最初で最後かもしれません。素直な感想を申し上げると、このシートで眠るのは辛いですが、座って仕事をするなら問題なく、悪名高い「スカイラックスシート」に比べると、遙かに快適に過ごせることと思います。
まぁそれでも、国際線ビジネスクラスの高い運賃を支払って乗ろうとは思わないですね。現在の就航先である台北やソウルはごく近距離ですから尚更需要も少ないでしょうし、この767が早く退役して787のSky Suiteに切り替わってくれる事を祈るばかりです。
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