大阪へ来るといつも買って食べるのが「本高砂屋」のきんつば。本店は神戸にあるのですが、そのお膝元である大阪ではよく目にします。全国の百貨店に店舗があるので関東でも買えますが、製造から時間が経ってしまっているのか、どうも皮がパサ付いてしまっている場合が多いので、基本的に関西以外では買わない様にしています。
実演販売の梅田の阪急三番街店
私がいつも利用するのは、阪急梅田にある阪急三番街のB2F「グルメミュージアム」にある店舗。
地下鉄やJR方面から阪急電車の2F改札口へ向かう導線の途中に、地下へ下りるエスカレーターがあります。阪急線からは勿論、御堂筋線からも比較的近いので、いつも近くを通る度についでに寄っています。
エスカレーターを降りると目の前にあるのが本高砂屋。この辺は“茶房倶楽部”という名の和菓子エリアになっている様です。
ありました、コレです!他にも「銀つば」など種類がありますが、王道はノーマルな小倉餡のきんつば。
本高砂屋ではその他の和菓子も数多く取り揃えていますが、きんつば以外はあまりパッとしない印象…。どら焼きや栗まんじゅうなど試した事もあるのですが、やはり「きんつば」を超える感動には出会えませんでした。看板商品以外があまりパッとしないのは、どこの和菓子屋でも一緒ですね。
そしてこの店舗には、製造スペースが併設されているのが特徴。本高砂屋HPによると、この様な実演販売を行っているのは「神戸本店」を入れて4店舗のみ、大阪ではここが唯一です。生菓子は製造されてから時間の経過と共に固くなってしまうものですから、この店舗の様に製造後間もない商品を購入できる所は貴重な存在ですよね。ひとつ150円+税という価格も手ごろだと思います。※現在は184円に値上がりしています。
「きんつば」と「ぎんつば」を食べ比べ
今回購入したのは4個入り。化粧箱ではないので、箱代は取られません。店頭のディスプレイには様々な“詰め合わせ”が展示されていますが、自分で好きなきんつばを組み合わせて箱詰めする事もできます。
本高砂屋の創業は明治10年。元々は“瓦せんべい”中心の商いだったそうで、きんつばが出来たのは明治30年代以来。それこそ100年以上に渡る歴史を持つ和菓子なんですね。
今回は王道「小倉餡」そして「栗入り」のきんつばに加え、「銀つば」も試してみる事にしました。
先ずはノーマルな小倉餡のきんつばから。白い皮は厚みがあってしっとり、割ると餡の甘い香りが漂ってきます。
餡はしっかりとした甘さを感じるも、しつこさは無し。砂糖の甘さだけではなく素材本来の甘さが伝わって来ます。小倉の大きな粒が充実した食感を生み出していて、食べ応えも十分。本当にいつ食べても美味しいです!
続いて栗入りのきんつば。薄皮や小倉餡の美味しさそのままに、栗の切り身がギッシリつまった上位品ですが、不思議と食べた後の満足度は下がります。栗の存在が+αとならずに小倉餡の領域を減らしているのが要因かもしれません。勿論すごく美味しいですが、栗もそこまで香りだってきませんし、何だか中途半端な結果になってしまったなという印象を持ちました。
最後に銀つば。小倉餡の代わりに入っているのはサツマイモの餡。こしてあるので上品な舌触り、加えてしっかりしたサツマイモの甘み、香りを感じ、なかなか良い品だと思います。
しかしながら、きんつばと同じ小麦粉の皮をまとっているにも関わらず、何故か薄皮の食感が変わります。薄いのにもっちり、しっとりとした本高砂屋の魅力が、少々薄れてしまった印象…。たまたま製造の時間帯が違っただけなのかもしれませんが、王道の小倉餡きんつばとは全くもって別商品と考えた方が良さそうです。
やはり王道は“看板商品”と“本店の味”
今回改めて思いましたが、和菓子を買い求めるにあたって、やはり王道は看板商品そして本店の味(製造後間もない商品)なのでしょう。和菓子屋の中にはケーキやプリンを販売する所も見受けられますが、成功している例は少ないですよね。
同じ和菓子であっても、看板商品以外はどうも店の“気迷い”が感じられ、コレという強い主張が感じられないものが多いです。例えば、この本高砂屋のどら焼きは餡の豊かな風味としっとりした生地で美味しいのですが、どうしても食べた後“今ひとつ…”という感想を持ってしまいます。本家からの派生商品なだけに、味も分裂してしまったのかもしれません。
また、日本全国の百貨店で買う事が出来るきんつばは、大概仕入れから時間が経っているため皮が固くなってしまっているのが常です。これもあってか最近は消費期限の短いきんつばや銀つばを販売しない店舗もある様で、その点この様な実演販売のある店舗の存在は貴重だと思います。本店のある神戸元町、そして利便性の高い大阪梅田の阪急三番街へ起こしの際は、ぜひ本高砂屋のきんつばを試して頂きたいと思います。
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