シンガポールのチャイナタウンに「仏牙寺龍華院 – Buddha Tooth Relic Temple」という名の中華寺院があるのですが、立派な宮造りの外観に煌びやかな内装もあり、誰でも無料で入場可能!博物館も併設されていて見応えたっぷり、そんなシンガポールの中華寺院をレポートしていきたいと思います。
チャイナタウンにある巨大な寺院
仏牙寺龍華院があるのはここ。チャイナタウンのど真ん中、開業してまだ間もないMRTトムソンコートイースト線のMaxwell駅出口を出たすぐの所にあります。
オレンジ屋根とカラフルな外壁のプラナカン的な建物が建ち並ぶ一角に、一際目立つ何とも不相応な(?)蔵造りの寺院。この混沌とした景観が、いかにもシンガポールといった感じがします。
なんとも立派な臙脂色の5階建て!どこかの将軍が住む屋敷かと思う位、貫禄のあるファサードです。
王朝の伝統的なデザインを踏襲しつつも、亜熱帯の気候に合わせてメンテナンス性を考えた素材で出来ているそうで、建築には中国から取り寄せた材料も多く使われているのだとか。
建立は2007年(2005年竣工、2007年開業)と、数ある中華寺院の中でもこれだけ真新しい所はなかなか珍しいかもしれません。こんな立派な寺院が建てられるのも、財政豊かなシンガポールならでは!
尚、ここは宗教施設なので、入場の際は短パン・ノースリーブNG、脱帽などのドレスコードや禁止事項があり、入り口で係員にチェックされます。素肌を隠すストールは無料で貸してもらえます。
とても豪華な礼拝堂
この寺院のエントランスは2箇所、サウスブリッジロード側とバンダストリート側、どちら側からでも出入りが出来、館内は見学自由(特別な礼拝時を除く)。
サウスブリッジロード(幹線道路)側には建物へ入る手前に焼香台があり、旅行者でも線香をあげる事が可能です。
地階(グランドフロア)には大小2つの礼拝堂があって、この内小さい方の部屋には6本の腕を持つ如意輪観音(Cintamani cakra)の像が設置。
この菩薩像の名前は“願いを叶える宝石”という意味を持つそうで、2対の守衛の神と共にシンメトリックに配置された煌びやかな内装がなかなか素敵です!
一方、広い方の講堂はこの寺院の主たる礼拝堂になっていて、およそ8mの天井高に、4.5mの大きさを誇る黄金の菩薩像を設置。タイと中華を合わせた様な独特の美しさがあって、こちらもかなり見ごたえあります。
この時はちょうど礼拝の真最中だった為、祭壇の方へは近づけませんでしたが、この講堂の一つ上の階(M階)は回廊になっていて、ここから講堂全体を見渡す事が出来ます。
M階へのアクセスは、館内のエレベーターで(詳細は次項)。
博物館は充実のコレクション!
さてさて、一般の寺院ならこれで終わりですが、この仏牙寺龍華院の凄い所は上階に入場無料の充実した博物館がある事。
博物館へ行くには、幹線道路側の中庭から講堂へ入る手前の右側にLiftと書かれた入口があるので、ここから入って中にあるエレベーターを利用します。
博物館は3階の仏教文化博物館と4階の宝物殿に分かれていて、それぞれ様々な仏陀の像や金ピカの置物がズラリ!コレクションの数がとても豊富で、じっくり見て周ったら2時間あっても足りないくらいでした。
中華らしい赤と黒のコントラストを効かせた展示方法も素敵で、漆塗り仕立ての真っ赤な枠組みの中に色鮮やかな仏像がある等、他ではなかなか見られない凝った内容になっています。
尚、展示物によってはこの様なQRコードからスマホで説明文を見せる物もありますが、HPのシステムが不安定なのか、まともに見られないものばかり…。レストランのメニューもそうですが、こういう前衛的な事をやるんだったら全て整ってからにして欲しいものですね…。
見応え抜群!入場無料の中華寺院
と言う訳で、なかなか見応えのあった「仏牙寺龍華院」。訪れる前までは、2007年建立の歴史もクソも無い中華寺院なんて…と思っていましたが、良い意味で裏切られた感じがします。
冷房の効いた涼しい館内にはベンチやトイレもあるので、チャイナタウン観光の休憩がてらに立ち寄るのも良いかもしれません。機会のある方は是非!
仏牙寺龍華院
- 場所:288 South Bridge Road, Singapore 058840
- 営業時間:7:00~19:00(博物館:9:00~18:00)
- 定休日:無し
「シンガポール」記事一覧と旅行ガイド一覧はこちら↓