今回は、ロンドンのオペラ座「ロイヤルオペラハウス」に潜入し、バレエ公演≪The Winter’s Tale-冬物語≫を鑑賞します。尚、公演チケット引き換えに関してはコチラに記載しています。
西洋のオペラ座では、煌びやかな装飾のロビーや客席、そして紳士淑女が集う社交場など、華やかな上流階級の気分を味わえる場として、欧州旅行では毎回楽しみの一つになっています。ROYAL(王室)の名が気高いロンドンのオペラ座、どの様な世界が待っているのでしょうか。
エントランスホール
入口が狭く、メインゲートとして大きく開口していない造りは他のオペラ座と一緒ですね。
入ってすぐ、簡単なチケットチェックと手荷物検査がありました。サウスバンクセンターでは座席の手前までチケット無しで行けてしまいましたから、オペラ座では流石にそれは無い様です。
クロークにチップは不要
今回はORCHESTRA STALL(平土間の席)の為、クロークに荷物を預けます。上階のBALCONY BOXの場合は、ボックスごとにクロークが備わっているので預ける必要ありません。この点は他のオペラ座と変わりませんね。
クロークはチップ不要でした。ウィーンの様に2€も取られると、ちょっと預けるのを躊躇ってしまいますよね。
1階席(ORCHESTRA STALL)を目指します。やはりここでも社交場は上層階にある様で、1階席へのアプローチは天井の低い通路が続いていました。
なんだか舞台袖の様で、気持ちが高ぶります。
洗練された輝きを放つ講堂
木製の階段を上がってゆくと、ORCHESTRA STALLの後ろに出ました。
階段のすぐ後ろにSTALLS CIRCLEの座席があります。ここも先頭の列は1stカテゴリーですが、ステージからの距離が遠いものの、視界が開けて良い席かもしれません。
舞台周りは金メッキが使われているものの、眩しい程の装飾が施されている訳ではなく、シックに纏められている感じです。ROYALの名に相応しい気品が感じられます。
天井絵はありませんが、円形のドーム型天井が洒落ています。
人々の服装に注目してみると、流石に男性の正装率は高いです。ただ、ウィーンの様に“蝶ネクタイ”や“ポケットチーフ”が目立つ事は無く、普通に“仕事帰り”といった感じ。私も襟付きシャツにジャケットを着ただけで、ネクタイはしませんでした。
2ndカテゴリーの座席
さて、私の座席は前から5列目のE-25。座席表を見ると2ndカテゴリーですが、1stカテゴリーと1列しか変わらない所です。
まぁその差£5ですから気になる程ではありませんが。それにしてもオペラ座のバレエ公演で、1stカテゴリーが£117というのは破格ですね。勿論オペラ公演となるともう少し値上がりしますが、それでもイギリスの物価水準から考えると安いです。
座席幅はとても狭く、大型の男性が並んだ所を見ると窮屈そうでした。通路側の席を取っておいて良かった…。
視聴性はまずまず。幸いにして周りが女性ばかりでしたのでストレスはありません。音響も、低音から高音までバランス良く聴こえ、臨場感があってGood!
周りを見渡すと、小学生くらいの子連れの姿も見かけます。男の子はジャケットを着ていますし、女の子は少し着飾ってお洒落しています。こうやって子供の内から大人の社交場を体験させてあげるんですね。
バレエ公演≪冬物語≫
ところでロビーでプログラムを買いましたが、ロイヤルフィルとは違ってCast等のリストが後から差し込まれるタイプのものでした。しかもこの差し込みの方は無料配布されていたので、出演者やあらすじを知りたいだけの場合は、わざわざプログラムを購入する必要は無いですね。
今日の演目は≪THE WINTER’S TALE-冬物語≫。シェイクスピアの台本を基に、英国ロイヤルバレエが全3幕のバレエに仕立てたもので、2014年4月に世界初演されたのだとか。男の嫉妬を描いた重苦しいストーリー…。一応あらすじには目を通しましたが、それを読んだだけで眠くなる…。ただ、その割には舞台装飾はピンクや黄緑色が多くて、どちらかと言えば春らしい印象を受けました。またダンサーが手で巨大な幕を引っ張り下ろすなど、現代バレエらしい斬新な演出も見受けられました。
音楽は“リディア旋法”が多く聴かれます。聴き易い和声ですが、特徴的なメロディが無いので眠くなります。やはり≪くるみ割り人形≫の様に分かり易いストーリーと可愛らしい装飾、そして心躍るメロディがあれば楽しめますが、この作品を理解するには半年くらいかけて勉強してからでないとダメですね。
次回は休憩時間、ホワイエの社交場を体験します。
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