2017年11月にオープンしたUAEのアブダビにあるルーブル美術館「Louvre Abudhabi」。フランス・パリのルーブル美術館の協力を得ながらも、独自のコンセプトによって造られた斬新なデザインや展示物が話題を呼んでいるそうです。
今回私はドバイから日帰りで訪れましたが、そのアクセスや内部の様子等について、詳しく見ていきたいと思います。
目次
バスでも行けるアクセス
ルーブル・アブダビがあるのは、UAEのアブダビの市街地から北へおよそ5kmの所にある海沿いの場所。陸路で繋がっていますが、サディヤット島という島の西端に位置します。
アクセスは、タクシーの利用が早くて確実なのは言うまでも無いですが、94番の路線バスが乗り入れているので、セントラル・バスバスターミナルやシェイクザイードモスクから向かう場合は、バスを利用するのも手!アブダビの路線バスについては、昨日の記事に詳しく記載しています→アブダビのバスはICカード必携!路線MAPと乗り方について詳しく!
バス停から美術館のエントランスまでは、綺麗に整備されたアプローチを歩いて向かいます。小鳥のさえずりが聞こえて、とても静かな所、風が心地良いです!
小さなカフェがある
バス停からエントランスへ向かうアプローチの途中には小さなカフェがあって、若干ですが軽食メニューも置いてあります。各種コーヒーは20DH~25DH。クレジットカードも使用可能。
ここで軽くランチをしましたが、サンドイッチは「cajun chicken & guacamole」というメニュー。ケイジャンチキンとアボカドの入ったアメリカンなサルサ料理ですが、味の程はまぁフツー。
でも一緒に頼んだ「アイス・オレンジティー」が超特殊な味で閉口…。これら二つ合わせて1700円くらいするので、ここはあまりおススメしません。美術館の中にもカフェがあるので(後述)、食事はそちらを利用するのが良いと思います。
斬新なデザインの外観
アプローチを進むと、見えて来るのがグレーのドーム屋根。なかなか斬新な建物ですが、遠目で見ると思っていたよりも規模は大きくないです。ジャン・ヌーヴェル(Jean Nouvel 1945~)というフランスの建築家による設計なんだとか。
手前に広がるのは人工池…?かと思いきや、このまま海の方まで繋がっている様です。衛星写真で見るとよく分かりますが、この美術館は海の上に建っていて、陸地とは橋で繋がっています。
その先へ進むとエントランス。“ルーブル”の名でありながら、本家パリのルーブル美術館とは想像もつかないほど質素なエントランスですよね。
入場料は63DH、クロークに荷物を預ける
中へ入ると最初に手荷物検査があり、その先がチケット売場。チケットブースへ行く手前に自動券売機もありますが、氏名や電話番号などを入力する必要があるので、窓口の方が楽です。
入場料は63DH。定価60DHに税金3DHが上乗せされます。尚、13歳~22歳までは31.5DH、13歳未満は無料です。※価格は為替レート等により常に変化します。
オーディオガイドもありますが、残念ながら日本語には未対応。また置いてあるパンフレットも、中国語はありますが日本語は見つからず。
尚、リュック等の荷物はクロークへ預ける必要があります。場所はチケットもぎりのすぐ側。帰る時にここへ戻って来る必要があるので、利用の際は場所をよく覚えておくと良いと思います。
どんな美術品が観られるか?
さてこのルーブル・アブダビですが、パリのルーブル美術館やオルセー美術館など、フランスにある13の美術館から作品を貸与されているそうで、常設展はおよそ600点。
絵画から彫刻、現代アートまで幅広く展示されていて、中にはルーブル・アブダビ独自の作品もあるとのこと。しかし展示品およびスペースは本家パリには到底及ばず、所々じっくりと見て周って、正味1時間程度でした。
そんな展示物の中で個人的に最も見応えがあったのは、こちらのナポレオンの絵画。ジャック=ルイ・ダヴィッド作のあまりにも有名な「アルプスを超えるナポレオン」です。これまで本物を見た事はありませんでしたが、高さ2.6mを誇る大きな絵画でなかなか迫力があります!
また1690年に作成されたとされる、日本地図および世界地図が描かれた屏風の姿も。武蔵や相模、上総や下総など江戸時代の地名がそのまま書かれているのが興味深いです。
現代アートとして注目なのは、常設展の最後にある「光の泉」という作品。これはアイ・ウェイウェイ(艾未未 1957~)という中国の美術家の作品です。無数のクリスタルガラスを使った煌びやかな作品ですが、コンセプトとしては現代におけるグローバリズムと多様性について疑問を投げかけるという、ちょっとネガティブな意味合いが込められているとの事。
ドーム屋根の内側に広がるロビー「プラザ」
常設展を抜けると、これまた斬新なだだっ広いロビーがお目見え!ここは「プラザ」と呼ばれるロビーで、先ほど外観で見たドーム屋根の真下に位置する所です。
この斬新な屋根は、8層もの格子状の素材を重ねて造られたものだそうで、木洩れ日の様に自然光が差し込む構造になっています。ドーム屋根の直径は180mにも及ぶそうですが、外から見るよりもずっと大きくて広々!
このロビーの中央にあるのが、イタリアの美術家ジュゼッペ・ペノーネ(Giuseppe・Penone 1947~)による作品「光の葉‐樹木」。この美術館オープンに向けて製作されたものだそうですが、幹の枝の先が天井の柄に溶け込んで天井全体が葉の様に見えてくる、何とも斬新な作品です!
端の方へ行くと、海に面した所も。この辺りは海の水が綺麗なので、景観もより一層映えますね!
海に面したカフェ、美味しいデーツのアイス
尚、このプラザ内にはMuseum Caféというカフェがありますが、ここは海に面したテラス席があって、なかなか良い雰囲気です!十分な席があるものの、海側の席は非常に人気な様で、“Reserved”の札が立てられた席も多いです。
一方、カフェとは別の所にあったのがMuseum Caféの露店。ここではソフトドリンクやスナック菓子の他、アイスクリームも売られていました。
フレーバーは6種類。チョコやバニラ、ラズベリーの他、デーツ、ライムシャーベット、タマリンド等ちょっと日本人にとっては珍しいフレーバーも。
価格は15DH。デーツ味を試してみましたが、これがなかなか美味!シャリットした食感ながら、ミルキーで濃厚。ストロベリーの様なピーナッツの様な、上品で後に引く美味しさがあります。
販売員の愛想はメチャクチャ悪いですが(笑)、これは食べて大正解!
一度は訪れるべき美術館
と言う訳で、ルーブル・アブダビを訪れた個人的な感想を述べると、美術品のボリューム的には大した事無いですが、“海の上に建つ現代建築”としてのコンセプトは非常興味深いものがありました!
絵画を観る目的なら最初から本家パリへ行く方が良いですが、それでもアブダビへ来たなら一度は訪れるべきスポットです。
ルーブル・アブダビ
- 営業時間:10:00~20:00(木・金は~22:00、最終入場は閉館30分前)
- 定休日:月曜
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