前回の記事に引き続き、茨城空港に来ています。今回はターミナルビルの様子を見ていきたいと思います。
茨城空港は地方都市の小規模な空港ながら、中国(上海)への国際線も就航していますが、一時期“爆買”で話題になった彼らに対してどの様な対策を講じているのか、その辺りも見ていきたいと思います。
混雑に対応した国際線カウンター
航空自衛隊の百里基地が民間共用化されて茨城空港となったのは2010年の事、その為かターミナルビルはまだ真新しい印象を受けます。2階層の小さなものですが、結構立派な建物です。
小さな地方空港ですが、茨城空港には国際線が就航しています。今は春秋航空の上海線のみですが、一時期はミャンマーへのチャーター便も飛んでいたらしいです。
国際線の入口から入ると、何故かそこにあるのは到着口。出発カウンターはその横にありました。
カウンターの数は7つ。この時は既に上海行きが出発した後だったので誰もいませんが、整列用のパーティションが張り巡らされている所を見ると、出発時間帯にはかなりの混雑が予想されます。しかしこの中はカートの持込を禁じている様で、爆買で荷物タップリの観光客にとっては少々不便だと思います。
そしてこのカウンターの後ろには、地元物産のお土産品がズラリ!中国人観光客の目に付く所にちゃっかり置いて、取りこぼしの無い様にしたいという思惑が窺い知れますね。
その横には、荷物はかりも用意されています。春秋航空はLCCですから、重量制限にはシビアなんでしょうね。私は以前、機内持ち込み対応のスーツケースを計ったら15kgもあったので、小さくとも意外と侮れません。
国内線はスカイマークのみ
続いて国内線の方を見てみます。茨城空港の国内線はスカイマーク1社のみですが、広めのカウンターと自動チェックイン機も備わっています。奥にはレンタカーのカウンターがありますが、この時間帯は暇そうです…
ダイヤを見てみると、スカイマークは一日5便。一応名古屋を除く五大都市と沖縄は網羅しています。スカイマークと言えばA380関連が原因で経営破綻してしまいましたが、国内線に就航したA330のグリーンシートには大きな期待を寄せていただけに残念でなりません。詰め込み式の奴隷船シートが横行する中、クラスJ並のシートを標準とする様な航空会社は、今後現れないでしょうね。
尚、出発口はターミナルの中央部にあって国際線と同じ場所ですが、入口は分かれていました。この時は、次の神戸行きの便の出発時刻までおよそ2時間というタイミングでしたが、出発口はColse。羽田や成田と違って出発間際にならないと中へ入れないのは、以前訪れた「こうのとり但馬空港」と一緒ですね。
勿論ラウンジなど何も無いので、早くに入っても仕方ないとは思いますが…。
土産物店に見た“薬”の陳列
次に、ターミナルの2階へ行ってみましょう。ターミナルの中央部は吹き抜けになっているので広々しています。
2階にあるのは「すぎのや本陣」というセルフ式レストランが1軒と、土産物屋が数店。レストランは飛行機の発着が無い時間帯でも、きちんと営業していました。
土産物店で気になったのは、このAIRPORT PLAZA。中国人観光客を意識してなのか、薬局を思わせる様な品揃えが目立ちます。
価格は商品によってまちまちですが、目薬なんかはマツモトキヨシの1.5倍くらいするのも見かけます。「熱さまシート」や「蒸気でアイマスク」なども人気があると言われていましたね。最近は爆買い需要も冷めてきているのか、嵐が去った様な後は見られませんでした。
意外と広い展望デッキ
2階のフロアには、飛行機が眺められるカウンターもあります。ただ残念ながら、ここは滑走路とは反対側になるので、飛行機の離着陸は見られません。飛行機を見る為には、反対側にある展望デッキに出てゆく必要があります。
展望デッキに出てみると、ターミナルの規模から比較するとかなり広々!ベンチと自販機も用意されていました。旅客便は少ないですが、ここは百里基地でもあるので、頻繁に利発着する自衛隊機を見るには丁度良い場所かもしれません。
この茨城空港が開業した当時は、地元民が連日この展望デッキに押し寄せて自衛隊機を観賞している光景がよく報道されていましたよね。“空港”という名の下、地元の人にとっては道の駅の様な意味合いも強いのだと思います。
茨城空港の今後の需要は?
普段、成田空港や羽田空港の華やかなターミナルに見慣れていると、茨城空港は殺風景で何も無くツマラナイ施設だと感じてしまいますが、自家用車で手軽に乗り付けてそのまま全国各地へ飛んでゆける環境は、特に周辺に住まう人にとってこの上無いものだと思います。日本が将来、アメリカの様に自家用機が一般的になったら、この様な地方空港は今以上に活用される様になるんでしょうね。成田や羽田に代わる第3の空港としてはちょっと非力ですが、今後も一定の需要は見込めるものだと確信しました。
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