銀座には日本各地の名産品を扱うアンテナショップが林立していますが、今ではその数28にも及ぶ様になりました。各地の名産品や定番土産を気軽に買える様になったのは嬉しい事ですが、なんだか地方へ赴く目的が一つ減ってしまった様で、少し寂しい気もします。
さて、そんな銀座のアンテナショップの中で、私がちょくちょく訪れるのが「広島」です。ここには広島土産の定番「もみじ饅頭」が多種揃っていて、しかもバラで買う事が出来るので、近くに寄った際にはここで幾つか買っていく様にしています。
銀座のアンテナショップ
今回大阪へ行った際、久々に広島にでも行って来ようかと思いましたが、都合がつかず…、そこで銀座のアンテナショップを思い出しました。
無類の和菓子好きである私ですが、もみじ饅頭はカステラの生地と餡が独特の風味を醸し出していて、特に好きな和菓子の一つになっています。
この様に多色々な味のもみじ饅頭が揃っています。定番の餡に加え、チョコやチーズの他、レモンやみかん等の味も各社そろえています。
意外とおススメなのが、やまだ屋の「白もみじ」(↑写真の右寄)。ミルキーな白餡がたまらなく美味しいです!
モチモチの食感「生もみじ」
しかし私が一番目当てにしていたのは、にしき堂の「生もみじ」。 これが発売されたのは、確か2009年頃だったかと思いますが、当時マネージメントの現場で差し入れに頂いたものを一つ口にした所、その独特の新食感に衝撃を受けた事を覚えています。
これまでのもみじ饅頭には無いモチっとした生地は、一般的なカステラ生地と違って“餅”から作られている為、この様な食感が生まれるのだそうです。
餡はさらっとしていて後に引かず、幾らでも食べられてしまいます。普段は“つぶ餡”好きな私ですが、生もみじに関しては“こし餡”の方が、モチっとした生地と良くマッチしていてより美味しいと思います。
ただ抹茶に関しては、もう少し苦味を加えるなどして風味を増して欲しいところ。残念ながら、あまり抹茶の味がありません。
本店は広島駅のすぐ近く
そんな生もみじですが、銀座のアンテナショップで取り扱われる前は、通販でお取り寄せする他、店頭販売では広島界隈に限定され、一番東でも岡山駅まで行かなければ買う事が出来ませんでした。
私は以前広島へ訪れた際、生もみじを扱うにしき堂本店へ伺った事があります。店舗は広島駅の東側、広島駅から徒歩5分もかからない所にあるので、新幹線を待つちょっとした時間でも買いに行く事が出来ますね。
本社の工場にもなっているので、製造されて日の浅い商品を手にする事が出来ます。生もみじは広島駅構内でも買えますが、和菓子における製造されてからの時間経過は結構シビアなもので、本店で味わえる製造されて間もない商品は、柔らかくて風味の引き立つものである事が多いです。その為、わざわざ駅の外へ出向く価値は十分にあるという訳です。
この当時は調子に乗って沢山購入してしまいました。化粧箱の詰め合わせを買うと少し割高になりますので、家庭用でしたらこの様に簡易的な箱に詰めてもらえば良いと思います。
しかし考えてみれば、今では銀座で手軽に幾つでも買えてしまう為、この様にまとめ買いする事も無くなってしまいますね。人の集まる都心のアンテナショップは、地方の名産品を宣伝する上では有効なのかもしれませんが、果たしてそれが地方活性化に直接繋がっているのかどうか、少々疑問に思えてなりません。やはり現地の物は現地でのみ買えてこそ、その価値は普遍的なものになるのではないでしょうか。この様な風潮の中、日本国内を旅行する意義は、既に薄れてしまっているのかもしれませんね。