オケアン号(Океан)と言えば、シベリア鉄道の中でも極東ロシアのウラジオストク~ハバロフスク間のみを走る短距離の区間運行列車。今回は、このオケアン号の最上級クラス「リュークス(Люкс)」に乗車しましたので、その座席や設備など、詳しくレポートしていきたいと思います!
※オケアン号に関するその他の記事は、こちらの一覧をご覧下さい→「オケアン号」
リュークスの車両は18号車
今回は、オケアン号に乗ってウラジオストクからハバロフスクを目指します。列車は途中ノンストップ、所要時間は11時間36分。ウラジオストク駅の設備や乗車手順については、昨日の記事をご覧下さい→ウラジオストク駅からシベリア鉄道へ乗車!駅構内MAP、施設など
オケアン号は11両編成で、先頭が1号車。私が乗車するリュークスは最後尾の18号車で、その隣が10号車という並び方です。
出発の30分前になると、各車両から車掌が一斉に降りてきて、車内への入場開始!検札はEチケットでは無く、パスポートのみをチェックされました。
プラットホームが列車よりも低いのはヨーロッパ鉄道ではよくある事ですが、このシベリア鉄道の駅は特に列車とホームの間隔が広く、また階段の段数も多いので、乗り込むのがメチャクチャ大変…。しかも私が乗車しようとした途端、ガタンと音が鳴って列車が20cmほど動いたのでビックリ!重いスーツケースを持ち上げる時など、特に注意しておいた方が良いと思います。
18号車の見取り図
さて、今回乗車するリュークスのある18号車ですが、車内の見取り図を見ると部屋は全部で6室。客室の他に、車掌室や共用のトイレもあります。
廊下は特別豪華ではないものの、各部屋に通じる木製の扉と赤いカーテン、床には簡易的ではありますが絨毯も敷かれていて、一応最上級クラスらしい風格が感じられますね。
廊下はすれ違うのもやっとなくらい狭いですが、まぁそれは寝台列車ならどこも一緒。
シャワー・トイレ付きの完全個室!
客室はコチラ!ソファーと椅子、テーブル、そしてトイレ&シャワー付きのバスルームまで備わった完全個室!廊下と同じ赤いカーテンと、赤いテーブルクロスがなかなか印象的です。
シートは2つあって、片方はベッドにもなるロングソファー。上部の引き手を手前に引くと、ソファーが折りたたまれてベッドが出現します(ベッドについては次の記事で詳しく!)。
室内は思っていたよりも手狭ですが、一応私が持ってきた95ℓの大型スーツケースでも楽々広げられるスペースはあるので、一人で使うには十分!
一方、バスルームはトイレとシャワーブースとの隔たりは無く、仕切れるのはカーテンのみ。シャワーを使うと、自ずと足元が水浸しになってしまいます。
トイレとして使うには問題ありませんが、シャワーはあくまで簡易的と考えて良いかもしれません(トイレ・シャワーについても次の記事で詳しくレポートします)。
因みに、部屋の寸法はコチラ。バスルームを除いた居住空間は205cm×175cmなので、計算すると2.17畳。およそ1坪強という事になりますね。
室内の設備をチェック!
続いて、室内の設備をチェック!先ずは収納ですが、扉横にはクローゼット、その上には戸棚があります。扉には大きな姿身がありますが、指紋一つ付いておらずピカピカ!
クローゼットは、なかなかの収納力があって、高さ80cmのスーツケースを横にして入れてもまだ余裕があります。中にはセーフティボックスもあって、ホテル並の設備!
ハンガーは列車の揺れによってガチャガチャ音が鳴るの防ぐ為、予め洗濯ばさみで止められています。
ベッドの所にも収納があり、小物入れが2箇所。上段のベッドの所にも同じものが2つついています。
扉の上にも収納スペースはありますが、容量が小さい為かここは枕専用。この後に乗車した007号の1等車は広大なスペースがありましたが、リュークスはここに物を置く事を想定されていない様です。
窓の横にはコンセント。日本のAタイプでもそのまま差せるタイプなので便利!
オレンジのベルのマークは車掌の呼び出しスイッチですが、押すと凄まじい警報が鳴り響くのでビックリします!他の客への迷惑にもなるので、車掌に用がある場合は、素直に車掌室へ呼びに行ったほうが良いでしょう。尚、部屋の扉はカードキーによる電子ロックによって施錠可能。カードキーは車掌に言えば貸して貰えます。
ウェルカムフルーツとアメニティ
テーブルにはウェルカムドリンクやフルーツの他、チョコレート等のスナック類、ナイフとフォークやメニューが予めセットされています。メニューは4号車にある食堂車と同じものですが、ルームサービスを頼む事も可能です。
メニューの他、車内販売のパンフレットや新聞もありますが、新聞は勿論ロシア語のみ。TV(室内に設置)のチャンネル案内も入っていますが、この時は何故かTVが点かなかった…。
アメニティグッズは、洗面所の流しの所に置かれています。しっかり作りこまれたポーチで、表面は水を弾く素材。ファスナー部分もしっかりと縫い込まれていて、なかなか丈夫な造りです。
中はマチ付き、また壁に釣り下げられるフックまで付いているという優れもの!中身も充実していて、シャンプーやシャワージェル、ハミガキセットの他、靴べらやシューズクリーナー等も入っています。
勿論スリッパも用意があって、シベリア鉄道の赤いロゴが入ったブルーのスリッパ。ホテルのアメニティにあるペラペラな物ではなく、クッションが入っていて履き心地もGood!
車掌はかなりドライな対応
何やかんや撮影大会に勤しんでいる間に、列車は定刻に出発!ハバロフスクまではノンストップですが、ウラジオストクを出て間もない頃は何故か動いたり止まったりを繰り返す列車。しかし、じきにスピードを上げて時速100km程で走行する様になります。
出発して暫くすると車掌が来て、朝食の希望を伺ってきました。車掌は一応英語が話せる様ですが、初めロシア語でまくし立てられたので焦った…!
車掌はかなりドライな対応で、飛行機のファーストクラスの様な丁寧さはありません。でもリクエストした事はきちんとこなしてくれるので、何も問題は無いでしょう。
と言う訳で、オケアン号のレポートはまだまだ続きます。次回は食堂車のメニューや味をレポート!→オケアン号のレストラン/全メニューと食レポ!味は思ったよりも・・・?
このオケアン号の記事については「オケアン号」にまとめていますので、併せてご覧下さい。シベリア鉄道の予約・手配については、こちらの記事で詳しく解説しています→シベリア鉄道【個人手配】の手引き!チケット購入から車内設備まで
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