“中目黒”新キャンパスに沸く【東京音楽大学】の充実したカリキュラムを拝見する

東京音楽大学といえば、東京・池袋(雑司が谷)にキャンパスを構える都市型私立音楽大学で、近年では多様化する音楽業界へ対応する為に専門学校顔負けの多彩なカリキュラムを相次いで開設するなど、大変勢いのある音楽大学です。

今回は、そんな東京音楽大学のカリキュラムについて、見ていこうと思います。

超好立地!中目黒新キャンパス

東京音楽大学では、情報誌「東京音大ジャーナル」が定期的に発行されていますが、その最新号(No.43)が発行され、私の手元にも届きました。

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巻頭の特集を見てみると、何と「新キャンパス」が2019年に開校するとの事!検索してみると、昨年6月の日経新聞の記事で「地上3階、地下1階建て、延べ床面積17,000㎡、音楽ホールや図書館、食堂…」との記事が出ていました。

場所は東急東横線の中目黒と代官山の間、それぞれ駅徒歩4分の立地だそうで、日本有数の好立地に音大の新キャンパスとは驚きです。私はこれについてノーチェックで、これまで全く知りませんでした。

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近年、主要な私立大学では、今後の少子化対策の一環として、学生を集め易い東京都心にキャンパスを移す「都心回帰」の傾向に見られますが、東京音大は元々「池袋」という好立地にキャンパスを構えていますから、単なる移設では無いのでしょう。特集記事では「これまでに例が無く、冒険・挑戦」とありますから、新たなる試みの一環なのだと思います。

それにしても、「100周年記念ホール」が出来てからまだ日が浅いのに早くも新キャンパスとは、相当に力の入れ様が伺えますね。

著名教授が集う「作曲科」

東京音大の多彩なカリキュラムを少し見てみると、例えば「作曲科」には、その目指す音楽の方向性によって多岐に渡るコースが用意されています。

  • 芸術音楽コース
  • 映画・放送音楽コース
  • ポピュラー・インストゥルメンツコース
  • ソングライティングコース

この内「芸術音楽コース」は、他の音大で言う所謂「作曲科」と遜色無いカリキュラムとなっている様ですが、その教授陣には西村朗氏や池辺晋一郎氏など、日本を代表する作曲家が勢ぞろいしています。しかも、学生が毎年自由に担当教員を選択できるそうですから、多くの教授から様々な価値観を学ぶ事が出来ますね。

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また「ポピュラー・インストゥルメンツコース」では、バンド活動に関して自らプロデュースする力を育成する事に加え、多彩な音楽機材に触れる事で、卒業後すぐに即戦力となる事が出来ます。

確かに、ひとえに“作曲科”といえども、これだけ多種多様な「音楽」が世に溢れかえっている中、ひとつのカリキュラムだけで世間のニーズに応え得る音楽を網羅するなんて事は不可能ですから、多彩なコースの必要性は言うまでも有りませんね。それにしても、音大でエレキギターを学ぶ事が出来るなんて、一昔前では考えられませんでした…。

転機となったのは「のだめ」効果か?

今の学生がうらやましいものです。私が音大生だった頃は、ちょうど“団塊ジュニア世代”の大量生産時代が続いていた頃でしたから、どこの音大も売り手市場で、黙っていてもキャンパス内に学生が溢れかえる程。冗談抜きに大したカリキュラムを組まずとも、各教授がいっぱい生徒を連れてくる時代でした。

大学の資本を支える「その他大勢」に恵まれた大学は、世間のニーズに応えるよりも学生数を捌く事で手一杯意だったのかもしれません。

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転機としては、「のだめカンタービレ」が放送された辺りから、各大学側の意識が変わっていった様に思います。ドラマの様な洒落たカフェや盛大な卒業コンサートなど、誰もが持つ理想のキャンパスライフの再現が、学生集めに一役買う事を悟ったのかもしれません。過去の伝統を重んじてレッスンをしているだけでは駄目だと、漸く気づいたのではないでしょうか。

それにしても、あと15年、いや10年早く「のだめ」が放送されていれば、私も“即戦力カリキュラム”を受ける事が出来たのかもしれません。今となっては、我が道をひたすら進むのみ…

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次回は、東京音大の“新キャンパス”建設予定地を見に行った模様をお伝えする予定です。なお、音大進学に関しては【「音大」への進学について】のカテゴリも合わせてご覧下さい。