オーストリア・ウィーンでコンサートと言えば、敷居の高いものばかりのイメージを持ちますが、ウィーンにはもっと手軽に楽しめるサロンコンサートも存在します。
中でも一番有名なのが、クアサロンで開催されるAlt Wienのコンサートだと思います。日本で買わずとも現地で手軽にチケットが買えるクアサロンのコンサート、その内容と演奏の質についてお伝えします。
売り子から割引チケットを購入
このサロンコンサートで演奏をしているのは、サロンオーケストラAlt Wien(アルト・ウィーン)。1994年創立のアンサンブルオーケストラです。彼らが連日連夜開催しているのが“Strauss & Mozart Konzerte”という名のサロンコンサート。
ウィーンの街中でもこのポスターをよく目にするかと思いますが、それが正にこのコンサートです。チケットはA&A Tickets Onlineのサイトから購入する事が出来るので、日本にいる間に手配する事も可能ですが、私の場合街中の売り子から購入した方がお得でした。
ウィーンの街中には、特にオペラ座(シュターツオーパー)の近くにモーツァルトのコスプレをしたチケットの売り子がいて、観光客相手にウィーン市内で開催されるコンサートのチケットを販売しているのですが、彼らがまず勧めてくるのがこのクアサロンコンサート。近くを通る度に話しかけてくるのでウザイと思った事もありましたが、少し割引にすると言うので買って行ってみる事にしました。
この時購入したのは€59のチケット。これが割引されて€52になりました。これと同じチケットを上記オンラインで購入すると、手数料を含めて€60を越えるので確かにお得…。でも公演の日付が手書きで入れられていたりと、ちょっと眉唾な感じもしましたが、無事に入場できたので問題ありません。※価格は社会情勢により随時変動します。
クアサロンの外観と客席
今回のコンサート会場となるクアサロンがあるのは、旧市街の南東側、Stadtparkという市立公園の中にあります。位置的には、昨日ご紹介したコンチェルトハウスのすぐ近くです。
会場は開演時刻の45分前です。それまではホワイエに入れてもらえませんが、先にクロークは利用できます。チップはオペラ座よりも安い€1でした。
2階へ上がると客席があります。サロンコンサートとは言いますが、2~300名は入れるほどの大きさで、ちょっとした小ホールくらいのキャパがあります。天井や壁面の装飾、またシャンデリアの美しさは、さすがウィーンと言ったところでしょうか。
客層は中高年が中心ですが、私の様に興味本位?で来る外国人らしき姿もチラホラ。服装は全然堅苦しくなく、セーター1枚でも問題ないでしょう(但し、清潔感のある服装である事が大前提ですが)。
このコンサートは指定席ではありませんが、チケットはA~Cの3種類のカテゴリーに分かれていて、それぞれ指定のエリアの席に座る必要があります。私が訪れた時は、入場した順に係員から座席を指定されたので、自由に席を選ぶ事は叶いませんでした。
またA~Cの他にVIPカテゴリーも用意されている様ですが、価格はAのおよそ1.5倍と高額。その代わりCDとプログラム、更には休憩時間にスパークリングワインのサービスもあるなど、他と差別化されています。
意外と質の高い演奏
公演の内容ですが、シュトラウスのワルツに加え≪アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク≫や≪フィガロの結婚≫など、看板の通りモーツァルトとシュトラウスの有名どころが演奏されます。編成は弦楽器がVn.が3名と他は各1名ずつ、加えてFl、Cl、Hr、Tpが1名ずつとPer1名(ドラムセット)、そしてピアノの計13名でした。
演奏のレベルは高く、特に各プレーヤーの技術の高さが秀でていました。入りのタイミングやソロパートの絶妙な主張など、確かな腕前がひしひしと感じられます。街中の売り子から買った割引チケットでこれだけ上質なアンサンブルが聴けるのは、ウィーンならではの事でしょう。
尚、休憩時間の社交場の様子はこんな感じ。オペラ座ほどではありませんが、数種のワインとミールが少し。ホワイエが狭い為、身動きが取れないほどごった返していました。
ほんとこっちの人は皆おしゃべりが好きですよね。この時間、客席には殆ど人が残っていませんでした。日本だとトイレに行く人くらいか…。
クアサロンで聴くサロンオーケストラ「アルト・ウィーン」のコンサートは、意外にも手軽に聴ける上質なアンサンブル演奏会でした。上記の通りチケットは日本でも買えますが、現地調達の方がお得です。私が購入したチケットの売り子はきちんとした人でしたが、中にはサギやボッタクリを働く不届き者もいるかもしれませんので、チケットに記載されたシリアルナンバーと公演の定価をキチンと確認の上、購入する様にして頂ければと思います。
以上、クアサロンのコンサートの模様をお伝えしました!ウィーンの観光情報については、観光ガイドのページも併せてご覧下さい→オーストリア・ウィーン旅行ガイドと“一人旅”体験レポート!
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