今回は、ラスプーチン暗殺の舞台として知られるサンクトペテルブルクの「ユスポフ宮殿」をレポート!
モイカ宮殿とも呼ばれるこの建物は、19世紀から20世紀にかけて帝政ロシアの中で莫大な権力と資産を持っていたとされるユスポフ家の邸宅なのですが、中はこれでもかと言うほど贅の限りを尽くした美しい空間が広がっていました!
王宮を思わせる様な豪華な造り、中には本格的なオペラ劇場まであって、なかなか見応えあるスポットです。
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目次
ちょっと分かり難い2つのエントランス
ユスポフ宮殿の場所は、サンクトペテルブルクのモイカ川に沿った道路沿いにあります。マリインスキー劇場にほど近い所にありますが、地下鉄の路線からかなり離れた所にあるのでアクセスは結構不便です。
将来的にメトロ4号線が延伸されれば便利になりますが、現時点ではマリインスキー劇場前のバス停から向かうのが最も楽かと思います。
エントランスは2箇所あるのですが、モイカ川に面した入口にはチケットブースが無い為、チケットを持っていない場合はそこから離れた所にあるもう一つのエントランスへ行かなくてはなりません。
もう一つのエントランスは、ユスポフ宮殿の敷地の正反対、Dekabristov通り沿いにあって、川沿いからは徒歩5~6分ほど掛かります。何故両方のエントランスにチケットブースを設置しないのか…?ほんとロシアはこういう国だから困りますよね…。
Dekabristov通り沿いの門から入って中の建物へ入るとチケットカウンター。入場料は700RUB。クレジットカード決済OKです。
尚、このフロアにはギフトショップや軽食が取れるビュッフェもあります。
公園を抜けて宮殿へ
チケットを購入したら、導線に従ってユスポフ宮殿本体の建物へ。この裏口から入った場合は、自然公園を抜けて宮殿へ向かう形になります。ベンチが設置されていて地元と思われる人達が寛いでいましたが、ここはチケットが無くても入って来られる所なのかもしれません。
公園を抜けた先に、ユスポフ宮殿の入口。正門の所に守衛さんが居て簡単な手荷物チェックが行われますが、ヨボヨボのおじいちゃんが一人で管理している様で、何だか頼りない…。
広い運動場の様な中庭の先、宮殿正面の右端にある勝手口から中へ入って行きます。豪華な内装で知られるユスポフ宮殿ですが、外観は至ってシンプル。本当にここは宮殿なのか…?
宮殿の中にはクロークやオーディオガイドの受付、またここにもレストランがあって食事をする事も可能です。建物は4階層になっていて、このフロアがレベル0(Ground Floor)、上階のレベル1とレベル2が博物館になっています。
階段を上がった所でチケットもぎり、同時に館内MAP(持ち帰り不可)が渡されます。
尚、オーディオガイドの使用を勧められましたが、日本語は無いそうなので断念…。
とても豪華な内装!
さて、見学は上階(2nd Floor)から始まります。2つのメインフロアを繋ぐのは、豪華なシャンデリアのある大理石の立派な大階段。この宮殿にはおよそ30のフロアがあって、MAPの番号順に進んで行きます。
宮殿内はどの部屋も豪華な内装で、各国の王宮と比べても遜色ない程の煌びやかな造り!18世紀後半に建築されたとありますが、きちんと改修されているのかあまり古さは感じません。
上階(2ndフロア)には「White columned Hall(MAP⑨)」というホールがあるのですが、私が行くとちょうどコーラス隊によるパフォーマンスが行われていました。
男性5名のグループですが、カウンターテナーの様な高いパートもあってなかなか心地良い歌声です。1曲演奏したらすぐに退場してしまいましたが、恐らく何分置きかに演奏しているのでしょう。
その先には美術館の様なフロアもあって、絵画や彫刻品などの美術品が少しある他、ユスポフ家の家系図も展示されていました。15世紀から続く壮大な家系図!末裔の方はまだご存命の様です。
美しい歌劇場がある
その他、見所の一つが2ndフロアの端にあるHome Theatre(MAP⑮)。赤絨毯の敷かれた階段を降りて行くと、そこにあるのはなんと本格的な歌劇場!
100席ほどの小じんまりとした劇場ですが、2層のバルコニーを持つ本格的な造り!眩しい程の金で埋め尽くされたゴージャスな空間です!まさかこれが“ホームシアター”だなんて…
天井には、ロシアらしいタッチで描かれた絵画。そしてステージ手前にはオーケストラピットもあります。この歌劇場は、今でもコンサートが行われる事があるのだそう。
なんとまぁ煌びやかな装飾の数々!公的なオペラ劇場でもここまでゴージャスな所はそう無いですよ。
スペイン調の客間が凄い!
そしてもう一つ、見学導線の最後の方にあるのがMoorish Drawing Room(MAP25)。MAPにはMauritanian Roomと書かれている部屋なのですが、こちらも金や大理石で埋め尽くされた大変ゴージャスな部屋です!
ただ、一般的な西洋建築のデザインとはかなり異なる内装。これはスパニッシュムーア調と言って、スペインのモスクをイメージして造られたデザインなんだとか。
確かにそう言われてみると、以前スペインのセビリアで見たアルカサルの内装に似ている気がします(参考→セビリア【アルカサル】チケットは事前購入すべし!見所や所要時間など)。西洋とイスラムが融合した独特のデザインと色合い、これはなかなか他では見られないですね。
部屋の奥には、大理石で造られた噴水と暖炉があります。この部屋は“客間”という位置づけになっている様ですが、この部屋でどんなお持て成しを受けていたのだろうか…?
見応えあり!おススメのスポット
と言う訳で、なかなか見応えがあったユスポフ宮殿。貴族の個人宅を博物館にした施設は色々な国にありますが、ここまでゴージャスな空間は初めてかもしれません。
ちょっとアクセスし難い場所にありますが、機会のある方は是非訪れてみて下さい!
ユスポフ宮殿(モイカ宮殿)
- 住所:набережная реки Мойки, 94, Sankt-Peterburg,
- 営業時間:11:00~18:00(17:00最終入場)
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