ドハーニ街の「シナゴーグ」が美しい！ブダペストにあるユダヤ教の礼拝所

ユダヤ教の礼拝所として知られる「シナゴーグ」。ハンガリーのブダペストにはヨーロッパ最大のシナゴーグとして知られる「ドハーニ街のシナゴーグ」があるのですが、行ってみるとそこにはカトリック教会とは異なる独特の美しい世界！

入場料はちょっと高いですが、行く価値アリのおススメスポットです！

ヨーロッパ最大のシナゴーグ

ブダペストにあるシナゴーグ、場所は地下鉄2号線Astoria駅のすぐ近く。ドハーニ通り（Dohány St.）沿いにある事から“ドハーニ街シナゴーグ”とも呼ばれているそうです。

建設されたのは1859年。レンガで出来たクリーム色の外壁で、2つある玉ねぎ頭の塔が何とも印象的です。ブダペストの主要スポットの一つになっている為か、時間帯によっては団体観光客のバスが何台も停まっている事もありました。

ヨーロッパ最大とあって、ファサードだけでもかなりの大きさ！Wikipediaによると、世界でも3番目の大きさを誇るのだとか。

入場チケットは、建物正面ファサードのやや左側にあるチケットブースで購入します。整列用のパーティションも設置されていましたが、私が訪れた15時頃は空いていたので、待ち時間は殆どなし！

入場料は4,500Ft.。最新のガイドブックには4,000Ft.と書かれていたのに、早くも値上げです…。ファミリーチケットやブダペストカード割引等もありますが、宗教施設で一人1,500円以上も取るとはちょっと驚き！※最新の入場料は公式HPを参照

尚、このシナゴーグには無料のガイドツアーもありますが、日本語は無いので今回は参加せず。

さて、このシナゴーグは大きく分けて二手に分かれていて、入場してから右の方へ行くと本堂（礼拝堂）、正面および左の方へ行くと中庭を囲む回廊があります。順路は特に定まっておらず、見学は自由。

先ず初めに回廊の方へ行ってみましたが、片側が40ｍにも及ぶ広い回廊の中心には墓地があって、ここには戦時中に起こったユダヤ人大量虐殺に関する資料が展示されています。

中庭には大量虐殺によって犠牲になった人々の記念碑があって、地面には名前を記したプレートが多数。回廊の柱には、当時の状況を伝える生々しい写真も…。

この回廊には上階もあって、こちらはユダヤ民族の歴史やかつての生活風景を紹介する博物館になっています。ヘブライ語(？)で書かれたかなり古い書物の展示も幾つかあって、ユダヤの歴史を知るには良いかもしれません。

解説文には英語の併記もあります。

さぁそして、こちらが礼拝堂への入り口。こうして見ると、スペインやポルトガルに見られるイスラムと西洋が融合した建築に通ずる所がありますね。

中へ入ると係員が居て、この様な円錐の形をした紙の帽子を渡されました。これはKippa（キッパ）と言ってユダヤ教の人がかぶる帽子なのですが、シナゴーグには厳格なドレスコードがあって、男性はこれを着用しなければならないとの事。

帽子と言ってもマチの浅い円錐形なので、頭に乗せて少しでも傾けると落ちてしまいます…。一応ヘアピンは付いているのですが、ヘアースタイルが乱れるのであまり付けたくない…。

尚、他の観光客を見ていると、普通の帽子でも被っていればこのキッパの着用は免除される様で、また女性は何も被らなくてOKです。

そんなシナゴーグの内部ですが、これまた独特の内装が美しい！天井の高い吹き抜けのシューボックス型で、中央通路の両脇には2000を超える膨大な数の座席が配置されています。

内装のカラーも独特で、上階にはピンクを基調とした内壁。アジアの寺院にも見られる様なカラフルな刺繍模様も素敵です！

正面中央には黄金に輝く美しい祭壇！その奥にはパイプオルガンもあって、かつてF.リストがここでオルガンを弾いたという記録もあるのだとか。主祭壇の奥にあるパイプオルガンなんて、カトリック教会ではまず目にしないですよね。

シャンデリアの形もまた独特！しかし昼間とあってか照明が点いていないのが残念な所。

尚、この講堂内の至る所にこの様な国旗のプレートが置かれていて、ガイドツアーで入る場合は対応する言語のプレートの所へ座って、コンダクターから話を聞く形になります。

ツアーの参加者は意外に多い様で、特に英語ツアーは範囲内に人が収まりきれない程。

と言う訳で、ブダペストにあるヨーロッパ最大のシナゴーグへ訪れてみましたが、内装の美しさは必見！入場料は高いですが、ユダヤ教の礼拝堂なんてそう入る機会は無いですし、ブダペストを訪れた際は是非チェックしてみて下さい！