オーストリア・グラーツ旧市街のすぐ北側には「シュロスベルク(Schloßberg)」という高さ473mの小高い丘があって、グラーツの主な観光スポットの一つになっています。
市街地のすぐ側にあって手軽にアクセス出来るという事もあって、グラーツ到着してすぐに向かってみましたが、そこから眺められる景色やアクセス方法等について、お伝えしようと思います。
目次
グラーツ市街の北側にある丘
グラーツ旧市街の北側に隣接し、航空写真で見ると緑に覆われた自然公園の様なエリアがありますが、ここがシュロスベルクの丘です。
今から1000年以上前、この丘の上に砦が築かれた事で、その砦を意味するスラブ語の“グラデツ”がグラーツの名前の由来になったのだとか。16世紀以降、砦が拡張されて城塞が形成されながらも、19世紀のナポレオン軍による占領によって殆どが破壊されてしまったのだそう。
グラーツの街にとって、この「Schloßberg」は大変重要な意味を持っているんですね。
旧市街の北部を歩いていると、突如急な崖が現れてビックリします!この崖の上がシュロスベルクと呼ばれるエリアになっていますが、それこそ雪崩でも起こったら、たちまち街が大きな被害を受けてしまいそうな距離ですよね。このシュロスベルクへの登り方が幾つかあるので、順に見ていきたいと思います。
エレベーターを利用する場合
先ずはエレベーターで向かう場合。旧市街の中央広場から北側の道(sackstraße)を進んで200m程、グラーツ博物館のある辺りの角を右に曲がると、上記の写真を撮影した崖が迫る広場があります。
ここには洞窟の様な入口が2つあり、その内左側がエレベーター「SCHLOSSBERG-LIFT」への入口になっています。
エレベーターの営業時間は8:00~24:30、料金は大人€1.5、子供€1です。バリアフリーにも対応していますし、中央広場からも歩いて5分かからない距離なので、この方法で行くのが一番楽かと。
尚、このエレベーターと同じ入口に「Die Grazer Märchenbahn」という、洞窟内をトロッコで巡るアトラクションが併設されているので、興味のある方は是非(HPはこちら)。
また、エレベーター入口の横にはもう一つ入口があるのですが、こちらは「DOM-IM-BERG」というイベント会場になっています(HP)。ここは第二次世界大戦時に防空壕として使われた洞窟との事ですが、当初は4万人を収容できる広さがあったのだとか。
DJの居る“クラブ”的な会場の入口としては、かなり斬新ですよね。
階段を上って行く場合
次に、徒歩で登って行く場合。このエレベーター入口の横から続く階段をひたすら登って行けば、シュロスベルクに着く事が出来ます。
因みに、階段は全部で260段あるのだとか。道は整備されているので特に歩き難い所は無く、また所々にベンチがあって休憩も可能です。
今回私は降りて来る時にこの階段を利用しましたが、流石にすれ違う人は誰もおらず。決して険しい道のりという訳ではありませんが、登りだと景色が見られないので、徒歩は下りで利用するのが一番でしょう。
ケーブルカーならトラムチケットが利用可能!
そして3つ目の方法はケーブルカー。今回私は登りでこのケーブルカーを利用したのですが、乗り場はエレベーターよりも更に北へ300m程の所にあります。
“SCHLOSSBERG-BAHN”と書かれたこの建物、ここがケーブルカーの入口です。
中へ入ると、チケットブースと改札口、奥にケーブルカー乗り場があります。ここでチケットを購入するのですが、嬉しい事にトラム(市電)と共通チケットになっているので、既に持っていた1日券をそのまま利用する事が出来ました!
入場は改札機にチケット裏のバーコードを読ませればバーが回転して入場できるのですが、私が分らずに右往左往していたら、見かねた窓口のオジサンが窓口側の通路を開けて入れてくれました!ケーブルカーの営業時間は9:00~22:00(火曜日は18時迄)、冬季(11月~2月)の火曜日は休業とのこと。
かなり急斜面のケーブルカー
このケーブルカー、プラットホームから見上げると分りますが、かなりの急斜面です!HPを見ると角度は22度との事ですが、それ以上に見えてしまいますよね。
山頂までの所要時間は3分、秒速1.5mの速度でゆ~っくりと登ってゆきます。景色を眺めながら楽に登る方法としては、この3通りの中で最良かと。
丘の上には何がある?
到着したシュロスベルクの丘の上。入場ゲート等は一切無く、自由に移動できる公園が広がっています。
路肩にはマーケットに見られる様な露店の建物もあるのですが、この日はどこも営業していませんでした。冬季は休業なのか、夜専門のマーケットなのかはちょっと不明…。
シュロスベルクの見所は?
さて、このシュロスベルクの見所ですが、公式パンフレットによるとナポレオン軍による破壊から唯一逃れたものが2つあって、その内の一つがこの鐘楼(しょうろう‐鐘つき堂の事)。1588年の設立で、中には「リースル」と呼ばれる重さ5トンにも及ぶ鐘が入っているのだそう。
もう一つ、破壊を逃れたのがこの時計台。ローマ数字の書かれた文字盤と金色の時針分針が特徴的で、1712年より時を刻み続けているのだとか。元々は防備設備だったこの建物が改装されて、現在の形になったのだそう。
その他、一番の見所と言えばこの景色。赤い屋根のグラーツの街が一望できますが、こうして見ると意外と赤くない屋根の建物も多いですよね。高さがそれ程ある訳ではありませんが、意外と遠くまで見通せました。
中央広場のグラーツ市庁舎もこの通り!こうして見ると、いかに市街地から近い所にあるという事が実感できますよね。
ケーブルカーの利用が一番!
と言う訳で、グラーツ市街の側に聳える丘「シュロスベルク」への登り方や、頂上の様子などをご紹介しましたが、行きはエレベーターかケーブルカーで登り、帰りは景色を眺めながら歩いて降りて来るというのが一番だと感じました。
ケーブルカーは乗り場が市街地から少し離れてしまいますが、トラムの1日券を持っていれば運賃はかからないですし、疲れず尚且つ景色を見ながら登ってゆけるのは良いですよね。
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