オーストリア・グラーツの主な観光スポットの一つ「エッゲンベルク城」。グラーツ郊外にあって、世界遺産の構成要素の一つともなっており、城の中にはギャラリーやミュージアムなど様々な施設が入っていて観光名所となっています。
しかし、冬季はその殆どの施設が閉鎖されてしまうというエッゲンベルク城。そんな冬場に行ってどのくらい楽しめるものなのか、レポートしたいと思います。
エッゲンベルク城の場所
オーストリア・グラーツの旧市街-歴史地区と共に世界遺産に登録されているエッゲンベルク城。場所はグラーツ市街の西側、中央駅から3km程の所にあります。
1番トラムの「Schloss Eggenberg」が最寄り駅。地図でみるとかなり外れの方にありますが、旧市街の中央広場から僅か15分足らずで着きました!トラムの停留所から城の入口までは、徒歩5分ほど。
地図で見て、城の真正面にあるメインエントランス、その傍らにある勝手口から中へ入って行きます。この時は早朝で、また閑散期である為か人気が少なく、トラムの停留所からここへ至るまで誰一人もすれ違いませんでした…。
冬季は大部分が閉鎖
門をくぐるとチケット売場。ここでエッゲンベルク城内のあらゆる施設のチケットが買える様になっています。ひとえに“エッゲンベルク城”と言っても複数の美術館や博物館が集まった複合施設になっていますが、その中でも有名なのが“豪華な部屋”とされる「State Rooms」や美術館「Alte Galerie」。
しかしそれら全ての施設は4月~10月しか営業していない様で、残念ながらこの時(11月下旬)は入る事ができず…。美術館や博物館に関しては、11月~1月6日までの間、ガイドツアーに限り入る事が出来ると書かれているのですが、あいにくこの日は開催されていないのだそう(詳細はHPへ)。
唯一、城のある園庭に限っては開放されているそうなので、入場料€2を支払って入る事にしました。※価格は為替レート等により常に変化します。
開園時間は8:00~17:00(夏季は19時まで)、チケットが発券される事は無く、この様なレシートを受け取るのみです。
孔雀の居る園庭を歩く
エントランスからお城まではおよそ250m。そこへ伸びる真っ直ぐな道と、その周りに遊歩道が整備されています。誰も居なかったらちょっと不安でしたが、散歩をしている人を何人か見かけました。
横道に逸れるとベンチもあって、暖かい日はここで寛ぐのも良いかもしれませんね。背の高い木々がなんとも見事!
歩いていると、なにやら遠くで動く物体が…。
なんと孔雀です!青と緑の色鮮やかな孔雀、この園庭を見渡しただけでも10羽ほど見つける事が出来ました。でも何故ここに孔雀が…?
エッゲンベルク城の外壁を見る
そして、正面に見えてくるのがエッゲンベルク城。シンメトリックな佇まいがなんとも美しいですね~。
およそ70mあるファサード。城の前には幕で覆われた機材が置かれているので、もしかしたら夜はライトアップがされるのかもしれません。
資料によると、このエッゲンベルク城が建てられたのは、今からおよそ400年前の1625年。イタリア人建築家のピエトロ・デ・ポミスという人物による設計で、“マニエリスム様式”と言われるルネッサンス時代の後期にあたる建築法で建てられたのだそう。
それにしても、異様に多い窓の数。しかしこれには訳がある様で、合計365個ある窓の数は1年の日数を表しているのだそう。
他にも、屋根の四隅に付けられた4つの塔は“四季”を表し、また“12の月”を表す12の門がある等、この城は宇宙や時空といった要素がモチーフになっているらしい。穏やかな外観からは想像もつかない程、壮大なテーマですよね。
城の中庭へ
冬季閉鎖で園庭だけの開放との事ですが、城の門が開いていて中へ入る事が出来る様です。
中へ入るとギフトショップ、ここから2階へ上がると「アルテギャラリー」等があるエリアへ行ける様になっています。せめて土産物屋くらいオープンしていて欲しかった…。
そこを抜けると中庭。特に見所は無いですが、ここにも騒然と窓が並んでいる光景はちょっとミステリアス。
意外と楽しめる?冬季のエッゲンベルク城
と言う訳で、冬季で殆どの施設が閉鎖されたエッゲンベルク城を訪れてみました!豪華な装飾品や美しい絵画等は何も見られず、ただ城の佇まいを眺めるだけですが、城の中庭まで潜入できるなど、意外と楽しむ(?)事が出来るかもしれません。
市街中心部からもトラムですぐ来られますし、人のまばらな広い園庭をのんびりと散歩するには良い季節なのかなぁと。ただし、吹きさらしの園庭はとても寒いので、冬季に行かれる方は防寒対策はしっかりして下さいね。
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