急な坂道の多いポルトガルのリスボンの街には、19世紀後半に開業したケーブルカーが走っています。元々は市民の足として開業するも、現在では観光客専用と化してしまっている様ですが、沿線はフォトジェニックな写真が撮れると話題に!。
そんなリスボンのケーブルカーがどの様なものか?詳しくレポートしていきたいと思います。
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目次
3路線あるリスボンのケーブルカー
リスボンにはケーブルカーが3路線あって、それぞれ「Lavra/ラヴラ線」「Gloria/グロリア線」「Bica/ビッカ線」という名前がついています。この内、ビッカ線は川に近い所を走っている事もあって、坂の上から望む景観が良く最も観光客に人気の路線なんだそう。
各路線の運行時間等は次のとおり。
Lavra(1884年開業)
- 月曜~金曜…7:50~19:55
- 土曜・日曜・祝日…9:00~19:55
運転間隔…概ね15分おき
Gloria(1885年開業)
- 月曜~木曜…7:15~23:55
- 金曜…7:15~24:25
- 土曜…8:45~24:25
- 日曜・祝日…9:15~23:55
運転間隔…概ね12分おき
Bica(1892年開業)
- 月曜~土曜…7:00~21:00
- 日曜・祝日…9:00~21:00
運転間隔…概ね15分おき
※時刻表など詳細は公式HP参照
ケーブルカーは、いずれも路面電車と同じ黄色いレトロな車体。現在はパンタグラフで動いていますが、開業同時は蒸気で動いていたそう。
街の景観に溶け込むステキな車体ですが、中には原色と留めないほど落書きに覆われた車両も…。
観光客に一番人気「Bica線」
3つの路線の内、最も観光客に人気だというのがBica線。Cais do Sodré駅に程近いサン・パウロ通り沿いに乗り場があります。
駅舎の中に係員の居る改札があって、そこで運賃を支払い。€3.5という観光客向けの高額運賃ですが、地下鉄と同じViva ViagemのICカードが使えるので、乗るならその1日券を利用するのがベスト!Viva Viagemについてはコチラで詳しく解説しています→リスボン【地下鉄・バス】路線MAPと乗り方を詳しく解説!
Bicaのケーブルカーは、概ね15分おきの運行。観光客の多い繁忙期には増発される事もあるそうですが、この時は駅舎の外にまで行列が達していたにも関わらずほぼ時刻どおりの運行でした…。
ケーブルカーの車内は、段違いになった3段の客室にそれぞれ対面式のベンチがあるタイプ。立ち乗りも出来ますが、足元のスペースがかなり限られているので収容人数は少なめ。これにすし詰めで乗るのはちょっと辛いですね…。
線路を歩いて登る事も可能
尚、ケーブルカーが走る線路の横には歩道があるので、歩いて上る事も可能。歩道は階段になっている他、手すりも付いているので安全です。
折角なのでレトロなケーブルカーに乗ってみたかったのですが、あの通り大行列なので今回は乗車せず、ケーブルカーの運行に合わせて歩いて上ってみる事にしました!
徒歩ほどのゆっくりとしたスピードで坂道を登って行くケーブルカー。警笛も無く静かに動くので、気づかずに線路内に居ると非常に危険です!
線路は往復二つのレールが重なり合う様に配置されていますが、坂の途中は複線になっていて、ここで上下線がすれ違える様になっています。
黄色い上り線の車体とは裏腹に、対向車の落書きの凄い事…!ちょっと景観が台無しですよね。
出発から3分で頂上に到着!僅か240mの道のりなので、徒歩で行くのと全く変わらないか、寧ろ下りならば歩いた方が断然早いです。まぁ市民の足と言うより、これは完全に観光アトラクションでしょう。
ただ、この頂上からはケーブルカー越しに川を望む事が出来、これがなかなか情緒的な景観でGood!この景色だけを撮りに来る観光客も多く居ました。
最も急勾配な「Gloria線」
Bica線の他、もう一つ観光客に人気なのがGloria線。こちらはリベルダーデ通りからサンロッケ教会の横にまで達するおよそ260mの路線ですが、3つのケーブルカーの中で最も坂道が急なんだとか。
車両もBica線とは異なり、前から後ろまでフラットな客室のタイプ。その為、谷側のファサードは大きなスカートがあってかなり歪な形になっています。
このGloria線、川は望めませんが、狭い路地にカーブもあって景観の良さはまずまず。ただ建物が迫っているので、日が高い内に来ないと視界が全て影ってしまいます。
因みに、このGloria線の運賃は€3.8。往復乗車可能とは言え、これは完全に観光客プライス!Bica線と同じく、乗るならViva Viagemの利用が鉄則です。
もはや“観賞用”と化したケーブルカー
と言う訳で、今回はリスボンのケーブルカーのうち観光客に人気の2路線を見てきましたが、混雑する上に本数も少なく運賃も割高!
移動手段としては完全に使えないですし、乗ったとしても混雑し過ぎて情緒もクソも無いでしょうから、これは完全に“観賞用”として外から見るに限りますね!良い写真を撮るべく、晴れた日に訪れる事をお勧めします!
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