ポルトガル・リスボンには大航海時代に建てられた古い教会が数多く存在しますが、今回訪れた「サン・ロッケ教会」もその内の一つ。外観は質素ですが、内部には黄金で埋め尽くされたチャペルが見られるなど、なかなか見応えのある教会でした!
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目次
イタリア人建築家による教会
サン・ロッケ教会があるのは、リスボンのバイロ・アルト地区。ロッシオ駅のすぐ近くにありますが、24番トラムの停留所が目の前にあるので、路面電車でのアクセスも便利です。
三角屋根の白い外壁をした教会。見た目は真新しい感じがしますが、この教会の歴史は古く、建設は16世紀後半。
イタリア人建築家によって設計され、ルネサンスのマニエリスム様式を取り入れたイタリア風バロック様式のデザインになっているのだそう。嬉しい事に、教会への入場は無料です!入場無料!洗練された内部
エントランスは、広場に面した正面入口から。教会内部は長方形の形をしていて、身廊と両サイドにチャペル(祭室)があるだけのシンプルな構造ですが、なかなか洗練された空間です!
天井付近には小窓があって、自然光も取り入れられた教会内部。大理石の壁や柱、天井付近には宗教画の画家として知られるDomingos da Cunha(ドミンゴス・ダ・クーニャ)の絵画がズラリと並んでいる等、多彩な装飾が見られる教会です。
扉口、前室の上階には、1784年に製造されたとされるパイプオルガンも設置されています。
一方、教会の内装はロココ調やバロック様式の要素を取り入れたとされていますが、至る所にアズレージョのタイルが見られて、ここがポルトガルの教会である事を実感します。
主祭壇は、子を抱く聖母像を筆頭に聖人の像が4体。黄金の装飾に包まれた祭壇は、遠くから見るよりも近寄って見た方がその豪華さがよく分かって良いです。
黄金で埋め尽くされたチャペルが凄い!
そして更に豪華なのが、この黄金で埋め尽くされたチャペル!これは身廊の両サイドに8室あるチャペルの一つですが、眩しい程に輝く細かな装飾が見事ですね!
こちらは祭壇は聖母マリアの生涯を描いたもので、17世紀末に造られたものなんだそう。この金箔で覆われたチャペルは、イタリアの装飾技術の影響を強く受けているのだそう。
その他、天井画は16世紀に活躍したスペイン出身の画家Francisco Venegas(フランシスコ・ヴェネガス)によるもの。
シンメトリックな構図の絵画は、だまし絵の技法が用いられているとの事で見てみると、確かにドーム屋根と思われる描写があってこの部分がだまし絵なのかとは思いますが、ちょっとリアリティに欠けるかなと…。祭壇横の展示室
尚、祭壇の左側へ行くとアズレージョに囲まれた入口があり、この中は展示室になっていて、この時は「Nossa Senhora」という企画展が行われていました。
内部は宗教画一色で、ロシア正教と思われるイコンの様なものも沢山展示。入場はこちらも無料ですが、アズレージョに囲まれた美しい部屋かと少し期待したものの、展示品があるだけで内装は何もありませんでした…。
隣接のミュージアムは別途料金
また、教会入口横には付属のミュージアムがあって、こちらはチケット(€2.5)を買って有料で入る事が出来ます(クレジットカード不可)。
内部は、こちらも宗教画や教会で使う聖具を中心とした展示。1905年開業で、ポルトガルで最も古い美術館の一つだそうですが、2000年に入ってから大規模改修され、それまでと比べて展示エリアが倍増。
展示エリアは2階層に渡り、入場料が安い割りにはボリュームのある美術館です。ただ、芸術的感性をくすぐる油絵などは無いので、キリストに興味が無いとちょっとつまらないかもしれません…。
ただ、かつてのポルトガル王であるジョアン5世のコレクションはなかなか見応えがあって、特に黄金で出来た天蓋やロウソク立てが展示されたエリアはこの美術館の一番の見所になっている模様。
よほど貴重なコレクションなのか、ここだけは監視員が居て目を光らせていました。
気軽に入れる豪華な教会!
と言う訳で、リスボンにある「サン・ロッケ教会」、パッと見は質素な教会ですが、じっくり見るとなかなか見応えのある、そんな教会でした!入場無料なので、観光の合間の休憩にフラッと訪れるのもアリですね。
サン・ロッケ教会
- 住所:Largo Trindade Coelho, 1200-470 Lisboa
- 営業時間:10:00~18:00(月曜は14:00~18:00)
- 休業日:1/1、復活祭、5/1、12/25
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