ベトナム・ホーチミンといえば、英国の統治時代から残る西洋建築の数々が今に残り、“東洋のパリ”とも呼ばれるほど人気の観光都市です。 しかし私は1年程前にホーチミンへ訪れましたが、美しい建造物よりも“混沌とした交通事情”の方が際立って、それがホーチミンの印象として強く残ってしまいました。
ホーチミンの交通事情
東南アジアの“バイク大国”振りは有名ですが、ここホーチミンも又、道路はバイクで埋め尽くされています。
空港からバス(片道25円!)で市内に向かうと、このベンタイン市場の前のロータリーへ到着します。ここはホーチミン市街の中心部となっており、人や車が集まる場所とあって、昼夜問わず多くの交通量がありますが、それが夕方~夜になると、その混雑は頂点に達します。
この様に、あたり一面バイクと車で埋め尽くされていました。常にクラクションが飛び交う中、隙間有らばそこへバイクが縫って入って行きます。正にカオス!これだけ身動き出来ない様な状態であっても、誰一人として転倒や接触(掠り程度なら有るかも?)は無く、私が旅行中に事故を目の当たりにする事はありませんでしたから、不思議です。
また、写真に写っている範囲には、横断歩道があるのですが、ご覧の通り全く見えません。しかし対岸へ渡るには、その横断歩道を渡るしか方法が無いのです。
危険な道路横断
ホーチミンの道路には、信号が殆どありません。それは、例え片側3車線の幹線道路であってもです。
理由は「止まると暑い」だからだそう。常夏の国ならではの理由ですが、それに加えて渋滞を引き起こす要因にもなる為、積極的な信号配置が行われなかったと聞きます。その為、横断歩道を横断する必要がある場合は、車が来る方向を見ながら渡って行きます。
この時大切なのは、常に“一定のスピード”で歩く事。そうしないと車やバイクが歩行者の動きを予測できずに避けられない恐れがある為、焦って走り出したりすると反って危険なんだとか。車が全く途切れずに流れている中でも、現地民は皆この方法で横断していました。観光客である私は、慣れるまでの間、生きた心地がしません…。初めのうちは、現地の“プロ”に付いて一緒に渡るのが賢明の様です。
歩道を歩いていでもバイクが!
ホーチミンでは、歩道を歩いていても油断は出来ません。緩い“お国柄”なのか、車道が埋まって進まない場合は、バイクが容赦なく歩道に入って来ます。
この様に後ろから突然来られるとヒヤッとします。車道を走るバイクの喧騒が凄くて、歩道の後ろからくるバイクの音が聞こえませんから、突然横を掠めるバイクに驚きます。歩道を歩いている時でも急な進路変更はしない方が良さそうです。
ただ、この様にバイク進入防止の為のフェンスが張られている所もありました。行政としても、一応対策をする姿勢は見せている様ですが、焼け石に水の模様…。それにしても、歩道上を横切るフェンスが設けられるなんて、バリアフリー“ゼロ”ですね!
将来の地下鉄計画
ホーチミンの街を歩いていると、通行止めや幹線道路封鎖など、至る所で大規模な工事が行われていました。
なんと、地下鉄が出来るそうです。なんでも、日本の企業が出資しているのだとか。全線が開業すると、空港までも繋がる様です。
私が訪れた時は、幅50mもあるグエンフエ(Nguyễn Huệ)通りが、地下鉄の集中工事の関係で全面通行止め、両岸の細い歩道をバイクと歩行者が入り乱れる大変危険な状態でした。今では工事も終わって通れるようになっている様ですが、こうした大規模な集中工事は今後も至る所で行われるかもしれませんね。これから観光で訪れるという方は、注意された方が良いと思います。
地下鉄が開業すれば、行動範囲が一段と広がって観光し易くなりますね。タクシーはボラれる事が多いと聞き、私は一切使わずに歩いて観光しましたから、暑くてとても疲れました。地下鉄開業の際は、また訪れてみたいと思います。
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