海外旅行をされた事のある方は、その国の貨幣を記念として残してある方も多いのではないかと思います。しかし1枚や2枚なら記念品として良いものの、風が吹いたら飛んで行ってしまう様な薄くて小さな硬貨が幾つも残っているとなると、流石にその処分に困ってしまいますね。
特に物価水準の低い国では、日本円にして1円の数分の一の価値しか持たない“埃”の様な硬貨まで存在します。そんな現地ですら使いにくいが故に大量に余ってしまった訳ですから、次の旅行の機会に取っておいても、まず使用する事は無く、逆に何度も渡航するに従って増えてゆくのがオチでしょう。
世界各国の補助通貨
例えば、マレーシア・リンギットのセントコイン。この小銭だけで4.85MYR(≠135円)あります。マレーシアでは、この金額があればタクシーで数キロ走る事が出来ますから馬鹿になりません。
こちらはポーランド・ズウォティの補助貨幣「グローシュ」で、ドルに対する“セント”に当たる貨幣です。昨年秋のワルシャワ旅行では、クレジットカード利用が主体であったにも関わらず、これだけの小額コインが余ってしまいました。券売機では使えませんし、かといって博物館のチケットセンターでジャラジャラ出す訳にもいかず、結局大量に余ってしまいます。
1グローシュは日本円で30銭ほど。もはや“貨幣”と呼ぶには苦しいレベルです。レストランでの食事の際、この様な細かいおつりをもらわずに置いて行った事もありましたが、それでも旅行終了間際には財布が重くなる程でした。
主要通貨のユーロですら“セント”は大量に余ります。しかも使われる国が多い事から、ヨーロッパ旅行に出かけるごとに、大量の通貨を持ち帰る羽目になってしまいます。毎回スーパーマーケットで少しずつ消費する事を心がけるのですが、海外のスーパーでは次に挙げる事情から、小銭を利用するにも苦労が絶えません。
使い切るにはスーパーが無難。しかし…
海外旅行では、いつも余った小額の小銭を使える機会を考えるのですが、チップにするには小額過ぎますし、観光施設ではそもそも端数のある金額のチケットが販売されていませんから、やはりスーパーマーケットくらいしか思い浮かびません。
しかし海外のスーパーで会計をする際は、とにかく繁忙を極めます。日本のスーパーとは違って、店員がレジを通した商品をその場ですぐさま自分のバッグに詰めなければならない為、提示された金額を見て小銭を吟味している時間が無いのです。そんな中、変にプライドを持って“スマートな会計”を演じるべく、小銭を探し当てるのに切磋琢磨する事を恥じらい、すぐ手ごろな紙幣を出してしまうのが悲しい性…。後に残るのは、後悔の念と大量の小銭だけです。
積極的にチップとして消費する
各国の補助貨幣は余りにも小額である事から、ホテルのベルマンへ渡すチップとしては使い物になりませんが、レストランでテーブルに置いておくチップに含ませるのには向いていると思います。折角価値のあるものなのですから、有効利用できるのに越した事はありません。また、タクシーではおつりの受け取りを断るだけで、運転手の機嫌が良くなります。小額のコインがお釣りに含まれる可能性がある時は、受け取りを断るで得られる「良いサービス」の方が、費用対効果として高いものだと考えています。
数百円分の小額コインを眺めて溜め息をつくか、チップの足しにしてより良いサービスを受けるか、良く考えて今後の海外旅行への糧にしたいと思います。