昨年12月にフルモデルチェンジをしたTOYOTAの「プリウス」に試乗し、その走行性能を確かめてきました。
4代目となる今回のプリウスは、実に6年ぶりとなるフルモデルチェンジという事で、トヨタ自動車の力が集結された内容に仕上がっているそうです。新しいハイブリッドシステムによる低燃費や最新の安全性能など、あらゆる技術が集約されているとあって、どの様な走行が味わえるのか楽しみです。
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外観の印象
初代プリウスは、ハッキリ言ってダサかったです。“のぼ~ん”としていて、野暮ったい印象…、しかし今回は大分シャープな感じに仕上がったのではないでしょうか?
カタログと見比べても遜色ないと思います。ただ、フロントマスクは“コンセプト車”の様な強面とは程遠く、ヤンチャな人には不向きです(笑)。
オプションパーツを付ければ、もう少し印象は変わると思います。これはレンタカーなので“最低グレード”ではありますが、その割には見栄えは良いのではないでしょうか?
インパネ周りの印象
特長的な装飾などは無く、スッキリとした印象です。ハンドルの手触りも、堅すぎず柔らかすぎず、丁度良い感じでした。
Autoタイプのエアコンの性能も良く、風向から出る風を感じる事もなく室内をすぐ暖めてくれました。
スピードメーターは大きくて見易く、走行中に嫌でも視界に入って来ます。
カーナビのタッチパネルは、これまでのものはタップした所が画面中心に移動するタイプでしたが、今回のものはスマホと同じ様に画面をスライドさせる方式に変わっていました。しかし反応は鈍く、スマホでGoogle Mapを操作する感覚で臨むと苦労します。これだけタブレット端末が普及している昨今、カーナビのタッチパネルだけは未だ平成初期の名残が拭えませんね…。
運転席の天井高
以前のプリウスは、標準身長の私でも普通に座ると頭が掠れるくらい天井が低かったのですが、今回は頭上に少し余裕がありました。ただ、足元はとても狭く、椅子の高さを一番低くしても膝がハンドルの軸に当たってしまうケースが何度も有りました。それを防ぐ為に椅子を後ろに下げると、今度はハンドルから遠すぎますし、なかなか良い塩梅が見つかりません。そのせいか、長時間の運転で非常に肩が懲りました…。
視界はやや狭い
視界の上下幅にもともと不満があったプリウスですが、その傾向は今回のフルモデルチェンジでも健在でした。
特に、前方左方にはルームミラーが大きく幅を取り、とても気になります。運転に支障をきたす程ではありませんが、交差点を左折する時に左側の安全確認を行っている際は、その存在が特に気になってしまいます。また、右前方の視界に関してもやや難があって、交差点を右折する際、横断歩道の歩行者の有無を確認するのに少し前のめりにならないと見え難い程でした。
とても“静か”な印象
走行中の音に関しては、これまでのプリウスの中で最高の静寂さを誇ると言って良いと思います。加速する際にアクセルを強く踏むと、多少「ブーン」といったエンジン音が聞こえる程度、ゆっくり加速すれば全くと言って良いほど何も音は聞こえません。それこそ眠くなって危険なくらい。ただ、路肩に駐車している車を避ける為にレーンを移動しただけで、たちまち「レーン・ティパーチャー・アラート」が作動し、「ピピッ」と大きなアラームが鳴ります。
走行性
アクセルをかなり深くまで踏み込まないと加速しません。逆にそれがスムーズな走り出しを実現しているのかもしれませんね。ただ、アクセルを意識して強く踏み込まないと、前の車がどんどん離れていきます(笑)。燃費優先の車ですから致し方ない部分もあると思いますが、“走り”を少しでも楽しみたい方にとっては不向きだと思います。
また、高速道路での再加速性能は、他の1800ccの車と同程度で、100km走行時の追い抜きでも特にストレスを感じる事は無く、また直進安定性にも特に不安はありませんでした。カーブでの取り回しも至って普通…つまり印象に残らないという事は、それだけキチンとした性能を備えているという事なのかもしれません。
実質燃費
今回の走行はトータル140km、返却直前に満タン給油で3.7ℓしか入りませんでした。実に「38.8km/ℓ」…ホントかなぁと疑いましたが、全走行中のおよそ半分が高速道路であった事や、渋滞にハマッた時間がトータルで15分程度であった事なども、この低燃費を実現した要因なのかもしれません。以前、同じトヨタレンタカーで「アリオン」を借りた時に、140km走行で6ℓ近く入った事を思うと、今回のプリウスがいかに優秀かがわかります。
まとめ
- 外観は歴代プリウスの中で最もシャープ
- 運転席の足元スペース、視界、加速にやや不満
- 直進安定性、カーブの取り回しは不安なし
- 走行中はとても静か
- “超”低燃費
以上、TOYOTAの新型プリウス試乗の模様をお伝えしました。