先週、配信を開始したNHK大河ドラマ「真田丸」主題曲のピアノソロ･アレンジより、演奏難度を下げた【Easy Version】として、新たに配信を開始致しました。
「真田丸」の主題曲（メインテーマ）はご存知の通り技巧的なヴァイオリン協奏曲である為、どうしてもメカニック的に難しいアレンジになりがちです。先週より配信を開始した“通常版”は、特に原曲オーケストラの再現に拘って上級者向けのアレンジに仕上げましたが、今回の【Easy Version】は中級者の方にも弾いて頂ける様な内容にまとめています。
初心者～初級者の方には少々難しいかもしれませんが、ゆっくりなテンポで是非とも挑戦して頂ければと思います。
尚、作品の編曲や配信に関して「NHK出版」様より許諾を頂いており、JASRACへの手続き等は「同人音楽の森」へ委託しております。
- 作曲：服部隆之
- 編曲：ShinYah
- © 2015 by NHK Publishing,lnc.
通常版との違いを比較
それではここで、“通常版”との違いを比較し、その一部分をピックアップして、どれだけ難度が下がったかを見てみます。
先ずは4小節目～、右手はトレモロを無くし、左手は大幅に音数を減らしています。また通常版では、中音域を弾く為に左手の大きな跳躍が演奏難度を上げていましたが、右手を和音とする事で“和声”を補填し、左手はバスの動きに終始できる様にしています。
23小節目は、おそらく「通常版」では一番弾きにくい箇所だと思います。Tuttiのメロディーを右手で弾きながら、高音のVnソロを交差させた左手で弾く必要がありましたが、思い切ってVnソロの部分をカットしました。“Vn協奏曲”でありながら、メインの主旋律を重視した形となりました。
39小節目はソステヌート･ペダルの使用によって、高音部で旋律を持続させながら中音域の内声とバスのスタッカートの演奏を実現させていましたが、バスの音を削除する事によって内声を左手で弾ける様にしました。因みに終結部に近い71小節目に関しても、同ペダルの使用を無くしています。これにより「グランドピアノ」でなくても無理の無い演奏を可能にしています。
53小節目～の上段は、右手だけで無理なく弾ける様に音数を減らしています。
尚、最後の左手のオクターブ（HH）、また5小節目や21小節目に出てくる一番低いH音が、お手持ちのピアノの音域で足りない場合は、1オクターブ上の音を弾いて頂いて構いません。その場合はズシンと響く低音を表現する為に、より強力なアクセントを心がけて頂ければ良いと思います。
今回ご紹介したのは一部分ですが、曲全体を通して“通常版”より弾きやすい内容になっているかと思います。“通常版”共々、よろしくお願い致します。
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