ベトナムは東南アジア諸国の中でも比較的都市化が遅れている地域の一つで、今回訪れたハノイの街には、古き良き時代を感じさせる情緒豊かな風景が広がっていました!
今回は、そんなハノイの中で最もディープで風情のある旧市街(ホアンキエム湖の北側に広がるエリア)の中を歩いて見つけた、ベトナムらしい風景を幾つかご紹介しようと思います。
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車とバイクが混沌とする旧市街
ベトナムの風景と言えば、まずはバイク!市内のどこを歩いてもブンブンとエンジンをふかす音が聞こえ、街の環境の一つと化しています。バイクは台北やクアラルンプールでも見られますが、ベトナムはその中でも群を抜いていますよね。
混沌とする旧市街の中を縫うように走り抜くバイクの姿は、ベトナムの代名詞とも言えるでしょうか。しかし絵的には良いのですが、観光客が歩いている隙間を縫う様に走り去ってゆくので、待ち歩きをしてヒヤッとする場面は結構ありました。
信号が殆ど無いホーチミンと比べると若干マシですが、たとえ横断歩道を青信号で渡っていても、横からクラクションを鳴らして強引に突っ込んでくるマナーの悪い車がとても多く、気をつけていないと本当に怪我してしまいます…。
また「ベトナム・ハノイ11月の気候と服装‐空気は悪いが飯は美味い!」の記事でもお伝えしましたが、大気汚染はかなり深刻で、街中は常に排気ガスの臭いで満ちています!晴れていても真っ白なスモークがかかっていて、タクシーの中でさえも排ガス臭く感じるほど。現地のライダーもマスクをしている人が多く(特に女性)、息苦しいのは観光客だけでは無い様です。
旧市街の最もディープな世界と行商の行く末
私がハノイ旧市街を歩いて最もディープだなと感じたのは、ドンスアン市場から鉄道のロンビエン(Long Bien)駅にかけてのこのエリア。旧市街の中でも、更に建物が密集した地帯です。
人・車・バイクがごっちゃになっている旧市街北部。ベトナムの縮図の様な風景ですが、人スレスレにバイクが通ってくるので、歩くには気をつけていないと。
このエリアには行商の女性が多く、天秤棒に乗せた大量の野菜を運ぶ人の姿をよく目にします。路肩で営む露店も多く、ここが彼らの主戦場になっているのでしょう。
でも実際にこれらを買って食べるとなると、ちょっと衛生面を心配する声も聞こえてきそう…。事実、ベトナム政府もこういった路上での営業を問題視し、規制の対象になったケースもあるのだとか。
加えて、一説によると、ベトナムの都市部では野菜や果物を行商から購入する住民の割合は3割程度にしか過ぎない様で、そう考えると彼らの懐事情はかなり厳しいものと言えるでしょう。行商の中には貧しい農村部から出稼ぎに来ている人も多い様で、そんな彼らを羨望の眼差しで見るべきでは無いのかもしれませんね。
線路沿いの情緒的な風景がステキ!
今回訪れたハノイ旧市街の中で、最も情緒溢れる風景だったのはココ!旧市街の西側の一角で、ショッピングセンター「ハンザギャレリア」のすぐ近くです。
この辺りは道路と並行して鉄道の線路が敷かれているのですが、その一角に小さな踏み切りがあって、線路内へ入って行ける様になっています。
線路の側には住宅や商店が立ち並んでいて、なんとも情緒溢れる風景!なかなか良い味出していますよね。まるで時が止まったかの様な、不思議な感覚になりますよ。
この線路沿いは住民の生活圏になっている様で、頻繁に人の往来があります。住宅だけではなく食堂なんかもあって、普通に営業していました。
でも民家なのか食堂なのか分からない様な所ばかりで、ちょっと入って行くには勇気が要るかも?ガイドブックに載らない、意外な名店が見つかるかもしれませんね。
ベトナムらしい風景が見られるのは今の内?
良くも悪くも、ハノイでベトナムらしい風景が沢山見れて良かったですが、こういう情緒溢れるハノイの街並みは、そう長くは続かないかもしれません。
と言うのも、各報道機関によると、ハノイでは2030年までに市街地へのバイクの乗り入れが禁止される方針らしく、そうなると現在のハノイの風景がガラリと一変する可能性もありますね。今後は地下鉄の開業も控えている事もあって、いよいよベトナムにも都市化の波が押し寄せて来た感じがします。
まだ10年以上先の話である事に加え、バイクを生活の足としている住民の反対は根強く、バイク乗り入れ禁止は今のところ実現の目処はたっていない様ですが、観光客としても混沌とした旧市街の街並みは、ある程度残してもらいたいと願うばかり。汚い空気や危ない横断歩道は改善してもらいたいですが、カオスの様な風景が見られる街が世界的に減ってきている中、治安の安定したベトナムはある意味貴重な存在ですからね。
でも街を見渡してみると、朝食をとりながらスマホに目をやる現地の人達。こういう人達が将来的にITに特化した商売ばかりに目を向けてしまったら、やがて上記の様な行商を行う人も居なくなってしまうでしょう。
伝統を守るって、ほんと難しい事なんですね~。東南アジアの古き良き風景を味わえるのは今の内かも?
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