チャイコフスキーが眠る【チフヴィン墓地】と【ラザレフ墓地】サンクトペテルブルク

チャイコフスキー国際コンクールの鑑賞に訪れたロシアですが、モスクワへ行く前に立ち寄ったサンクトペテルブルクには「チフヴィン墓地」という共同墓地があって、ここにはチャイコフスキーが眠る墓があります。

コンクール鑑賞前にご挨拶という事で、今回はチャイコフスキーを初め同墓地に埋葬されているムソルグスキーやグリンカなど、ロシアを代表する著名な作曲家の墓を尋ねてみました!

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チフヴィン墓地へのアクセス、チケット

チフヴィン墓地・ラザレフ墓地へのアクセスですが、メトロ(地下鉄)で向かう場合は、3号線および4号線のPloschad’ Aleksandra Nevskogoが最寄駅。バスやトラムも走っていて、ネフスキー通りから向かう場合は22番のトロリーバスが便利です。

Tikhvin-cemetery/アクセス

Tikhvin-cemetery/正門

記念碑の建つロータリーの向こう側、緑のドーム屋根を持つクリーム色の建物がお墓のエントランス。メトロ、バス、トラム共、最寄駅からは徒歩3分ほどで着きます。

Tikhvin-cemetery・並木道

中へ入って進むと、右側にチフヴィン墓地、左側にラザレフ墓地、そして正面奥にはアレクサンドルネフスキー修道院があります。並木道の奥に修道院の建物が見えて、なかなか良い雰囲気!

この通路は開放されているので、チケットが無くても自由に通行可能です。

Tikhvin-cemetery/チケットオフィス

チフヴィン墓地・ラザレフ墓地のチケットは、この通路にあるチケットオフィスで購入します。チケットはラザレフ墓地との共通券1種類のみで、価格は400RUB(外国人観光客向けの価格)。

私は現金で支払いましたが、クレジットカードのシールも貼られていたので使えると思います。

作曲家の眠る「チフヴィン墓地」へ

Tikhvin-cemetery/入口

Lazarevskoe-cemetery/入口

それでは早速、作曲家の眠るチフヴィン墓地へ!チフヴィン、ラザレフ両墓地の入口はチケットオフィスのすぐ隣にあって、向かい合わせになっています。

どちらも同じ形のエントランスなので間違えて入ってしまいそうですが、門の右側に“НЕКРОПОЛЬ МАСТЕРОВ ИСКУССТВ”と書かれている方がチフヴィン墓地。門の所でチケットチェック、手荷物検査はありません。

Tikhvin-cemetery/園庭

墓地の中は綺麗に整備された園庭になっていて、所々にベンチも設置。この日は天候に恵まれて風が心地よく、とても気持ちの良い陽気でした!

Tikhvin-cemetery/MAP

このチフヴィン墓地は周囲400m程の広さがありますが、チケット購入の際に著名な人物の墓の場所が記された英語のMAPが貰えるので、これを見ながら散策すれば迷う事はありません。

Tikhvin-cemetery/ドストエフスキーの墓

著名人はチャイコフスキー等の作曲家以外にも数多くの作家や画家の墓があって、最も有名なのが入口近くにあるドストエフスキー(1821~1881)の墓。「罪と罰」は余りにも有名ですよね。

ここに眠る作曲家は5

作曲家は5名の墓があって、場所は園内の北側、MAPの④~⑧に集中しています。

Glinka/墓

rimsky-korsakov/墓

若い番号から順に尋ねて行きましたが、先ずこちらはグリンカ(Mikhail Glinka 1804~1857)とリムスキーコルサコフ(Nikolai Rimsky-Korsakov 1844~1908)の墓。グリンカは、妹であるリュドミラ・シェスタコワの墓と並んでいます。

Tikhvin-cemetery/墓

mussorgsky/墓

リムスキーコルサコフの続きにあるのが、ムソルグスキー(Modest Mussorgsky 1839~1881)(右)とボロディン(Alexander Borodin 1833~1887)(左)。ボロディンの墓の足元に刻まれた年号が生没年と一致しないのは何故だろうか…?

チャイコフスキーの墓を見る

Tikhvin-cemetery/チャイコフスキーの墓の前

そして、一番奥にあるのがチャイコフスキー(Peter Tchaikovsky 1840~1893)。ここだけはちょっと特別な感じになっていて、墓の前にはベンチも設置されています。

Tikhvin-cemetery/チャイコフスキーの墓

2人の天使に囲まれたチャイコフスキーの肖像、一般的に出回っている肖像画と顔立ちが全く一緒なので判り易いです。彼は53歳で亡くなりましたが、当時の50代はかなり老けた様相ですよね。

Tikhvin-cemetery・チャイコフスキー石版

Tikhvin-cemetery/チャイコフスキーの銅像

バレエ「くるみ割り人形」の初演が1892年である事を考えると、ちょっと早すぎる死が悔やまれます。

Tikhvin-cemetery/アントンルービンシテインの墓

その傍ら、二つのベンチの間からひっそりとチャイコフスキーを見つめているのは、アントン・ルービンシテイン(Anton Rubinstein 1829~1894)。MAPには記載されていませんが、彼もロシア生まれの作曲家・ピアニストの一人で、生前はチャイコフスキーとも深い親交があったのだそう。

サンクトペテルブルク音楽院の創設者でもある人物です。

銅像の展示ホール

Tikhvin-cemetery/展示ホール

尚、チフヴィン墓地の敷地内には“展示ホール”という建物があり、ちょっとした美術館になっています。開館時間は10:00~17:00、チケットの提示も無くそのまま入る事が出来ます。

Tikhvin-cemetery/展示ホールの銅像

Tikhvin-cemetery/銅像

館内は銅像の展示が殆どで、主に19世紀後半の作品が主。ニコライ・プルジェヴァリスキー(ロシア帝国の地理学者)の肖像等が展示されていますが、あまり見応えのある物は見られませんでした。

混沌とした「ラザレフ墓地」

Lazarevskoe-cemetery/墓石

一方、チフヴィン墓地と対面にあるラザレフ墓地にも行ってみましたが、こちらは墓が密集していて混沌とした感じ。ベンチも無く、あまりゆったりと散歩出来る所では無いかもしれません。

Lazarevskoe-cemetery/MAP

チフヴィンと比べると、こちらは政治や建築、科学の分野で活躍した著名人が多く眠る墓で、有名所ではロシア帝国の首相を務めたセルゲイ・ヴィッテ(Sergei Witte 1849~1915)、建築家のカリオ・ロッシ(Carlo Rossi 1775~1849)など。

セルゲイ・ヴィッテは、日露戦争の講和交渉にもあたった人物なんだとか。

Lazarevskoe-cemetery/墓探し

Lazarevskoe-cemetery/墓石

ただ、これら著名人の墓を探そうにも、これだけ密集した墓石の中から探し出すのはなかなか困難…。9名の内3~4名は見つかりましたが、他は発見出来ず…。埋葬の仕方からして、同じ著名人でも芸術家とはかなり扱いが違いますね。

著名人が眠る棺桶の展示場

Lazarevskoe-cemetery/展示場

その他、このラザレフ墓地にも展示場の様な建物があって、中には立派な石碑や棺桶がギッシリ!ここには18世紀に活躍したロシアの外交官や政治家が祀られていて、こちらにも追加料金無しで入る事が出来ます。

Lazarevskoe-cemetery/床の石碑

死者の塒は足元にもあって、およそ1畳程の大きさごとに区切られています。ここを通る際は床に描かれた絵や文字を踏まない様に、と係員から注意を受けるのですが、これが至る所にあるので避けて歩くのが難しい…。

Lazarevskoe-cemetery/PC検索

尚、ここに埋葬されている人物は、館内のPCで検索する事が出来ます。場所や人物が写真付きで詳しく表示されるので、興味のある方は色々調べてみると面白いかもしれません。

晴れた日に行くのがおススメ!

Tikhvin-cemetery/営業時間

と言う訳で、数多くの作曲がが眠るサンクトペテルブルクのチフヴィン墓地、爽やかな風を感じながら、ゆったりした時間を過ごす事が出来ました。やっぱこういう所は晴れた日に来るのが一番ですね!

都会の喧騒を離れてゆったり散歩したい場合などにもおススメです!

チフヴィン墓地・ラザレフ墓地

  • 住所:Ploshchad’ Aleksandra Nevskogo, 1Б, Sankt-Peterburg
  • 営業時間:9:30~21:00(ラザレフ墓地は18:00迄)各々最終入場は閉館30分前まで

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