今回は、フィンランド・ロヴァニエミで体験した、オーロラ鑑賞の模様をお伝えします。
それまではオーロラの鑑賞と言いますと、特殊な防寒具に身を包み込んで一晩テントで張り込むなど、大掛かりなものを予想していましたが、私が宿泊した「Lapland Hotel Sky Ounasvaara」では、屋上が開放されており、そこからオーロラ観賞をする事が可能となっていました。
オーロラの撮影場所
今回オーロラを撮影したホテルの場所は、ロヴァニエミ市街地から東へ2キロほど離れた丘の上にあり、市街地からはタクシーで向かう事になります。
ホテルは3階建ての低層で、通常のダブルベッドルーム等の他、スイートルーム専用の別棟もありました。
この当時、通常のダブルルームと料金が変わらなかった事から、私はこのスイートルームに宿泊しました。暖炉があるリビングルームにベッドルーム、バストイレ別にサウナまで付いて、1泊€80程。※価格は随時変動します。
ベッドはシングルベッドになってしまうものの、とても良い雰囲気で快適に過ごせました。室内の様子等は、また別の機会に。
撮影機材
さて、今回オーロラ撮影に使用したカメラは、NikonのD5100。
初心者向けの型落ちエントリーモデルですが、バリアングルで使い勝手が良く、今だに愛用しています。
レンズは「シグマ30mm F1.4 EX DC」。オーロラ撮影にはとにかく明るいレンズが必要との事で、F値の低いレンズを探していました。同時に、広範囲を撮る事が出来る広角レンズである事も必要なのですが、この両方を兼ね備えたレンズとなると、Nikon純正品で¥240,000也…。とても手が出せませんので、広角の部分は少々妥協して、こちらのレンズを選びました。当時新品で¥27,000。なかなか良い買い物だったと思います。
しかし30mmレンズでは、撮影範囲がかなり限られてしまう為、別途ワイドコンバーターレンズを調達しました。こちらは中古品で¥11,000程。なかなか市場に出回っておらず、Amazonでたまたま見つけた代物です。
この“ワイコン”は、焦点距離が0.8倍になるもので、30mmレンズに装着すると24mmレンズを使用した時と同じになりますから、これだけ広角であれば問題ないでしょう。総重量は2kgを超え、なかなか手持ちでスナップを撮る気にはなりませんが、三脚を利用する場面では、オーロラ以外にも使用機会はありそうです。
服装
オーロラ鑑賞ツアーに参加すると、特殊な防寒着をレンタルする事が出来ますが、私が訪れた2月のロヴァニエミは、カナダのフェアバンクスの様なマイナス30度を下回るほどの寒さにはならないとの予報であった為、全て自前で用意しました。靴下や手袋は薄いものと分厚いものを重ね着をし、帽子は耳まで隠れるもの、ウォームガードインナーとセーターの重ね着、タイツ、そして上下スキーウェアを着用します。手袋は作業し易い様に、中に履くものは指先が出ているものを選んだ方が良いでしょう。2重の手袋であっても指先は悴んできますから、ホッカイロは必須です。
カメラの防寒
カメラを三脚に立てたまま5分ほど外気にさらすだけで、レンズに霜が付着します。その為オーロラの出現を待っている時は、カメラにビニール袋をかぶせて霜の付着を防ぎ、霜が付いた場合に備えて柔らかいレンズクリーナーを手元に準備しておくと良いでしょう。
また、カメラ自体への結露にも注意が必要です。氷点下の外気にさらされたカメラを温かい室内へそのまま持ち込むと、すぐにカメラ内部で結露が発生し、故障に繋がります。
撮影時にはカメラをタオルで包むなどして、少しでも空気に触れない工夫を施し、撮影後室内に持ち込む際は、ジップロックフリーザーバッグ等に入れて密封し、内部の温度が徐々に上がるまで数時間待つ事をお勧めします。
出現時間は数時間程度
オーロラは一日中出ている訳ではなく、特に肉眼で見えるくらいの大きなものは、1日の中でも1~2時間程度である事が多いそうです。大概はオーロラ予報が出され、この日は22:00頃にピークを迎えるとの事でした。
それでは、撮影に挑みます!
北の方向へカメラを向けると、さっそく緑色の帯が見えてきました。実はこれ、肉眼で見ると白いモヤが薄っすらと見える程度で、決してオーロラが出ている事を実感する事は出来ません。
少し絞りを加えてみます。これは「f/3.5、露出3秒、ISO-800」で撮影しましたが、今度は濃い緑色を捕らえる事ができました。これくらいハッキリした色であれば、肉眼でもしっかりと認識できます。
シャッタースピードを8秒にまで延ばします。いよいよ活動のピークを迎えました。中心に光の柱が立ったかと思うと…
ウネウネと蛇の様に動きながら広がってゆきます。一本の線ではなく、立体的な“光のカーテン”が生き物の様に動いています。
今度は光のカーテンが弧を描いている様子が分かります。このくらいの光量で30秒ほど輝き続けていました。
今回はロヴァニエミに3泊し、その内2夜でオーロラを鑑賞する事が出来ました。ロヴァニエミの位置はオーロラベルトから数キロ外れた所にある為、頭上で爆発する様な光景は見られませんでしたが、天候に恵まれた事、そして気温もマイナス10度とそれ程寒くならなかった事もあって、初のオーロラ鑑賞としては上々だと思います。
また、オーロラベルトの直下まで連れて行ってもらえる「モイモイ号」というバスツアーがあり、それに参加すればオーロラをもっと間近で鑑賞できる様で、実際に参加した方に伺った所、運よく大きなオーロラの写真が撮れた様で、満足げに語って下さいました。ツアー費用が10,000円以上する事から今回は見送りましたが、次の機会には参加を検討してみようと思います。
以上、フィンランド・ロヴァニエミでのオーロラ鑑賞の模様をお伝えしました。