前回に引き続き、ロシア・サンクトペテルブルクの市内交通(メトロ・バス・トラム)について、今回は乗り方や駅構内の様子などを中心に詳しくレポートしていきます!
観光には欠かせないサンクトペテルブルクの市内交通ですが、テロの発生が懸念されるロシアとあって、メトロ駅構内はテロ対策の厳重警戒で非常に物々しい雰囲気。旅行者であっても決して油断出来ない、そんなロシアの姿勢が垣間見えてきます。
尚、運賃やICカード乗車券については、前回の記事をご覧下さい→サンクトペテルブルクの便利なICカード【Podorozhnik】購入と券売機の使い方!
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目次
メトロとバスの路線図
サンクトペテルブルクの路線図ですが、メトロのMAPは公式HPから入手する事が出来ます。
メトロには5つの路線があって、色分けされているので分かり易いですが、複数の路線が乗り入れる駅では路線によって駅名が変わるので注意が必要。東京で言えば、永田町と赤坂見附が同じメトロの駅として扱われているのと一緒です。
一方、バスやトラムに関しては、残念ながら路線MAPは見つからず。と言うのも、サンクトペテルブルクのバス路線は数が多くて複雑なので、たとえMAPがあったとしても見難くなるのは必須。
そこで、活用したいのがGoogle Map。バス停のアイコンをタップすれば、その停留所を通過するバス一覧だけではなく、詳細な時刻まで表示され、ルート検索も出来るので大変便利です!
ネット接続必須なので、予めSimカードを購入しておく事をおススメします。
メトロの乗り方
それでは続いて、メトロの乗り方について。メトロの駅は(V)のマークの付いた建物の中にあります。駅構内の出入り口の扉は、入口と出口で一方通行になっているので注意が必要です。
改札口では、先ほど購入したICカード(パドロージェニク)を黄色い丸の形をしたリーダー(右側)にタッチ。バーを回転させて入場します(トークン型のチケットの場合は、その下にある投入口に投入)。大きなスーツケースを持っていると通り難いですが、その場合はバーを回転させる前にスーツケースのみを先に通し、その後に自分が入れば問題なく通行出来ます。
奈落の底へ繋がるエスカレーター
プラットホームはビックリするほど深い所にあって、この様な奈落の底まで続くエスカレーターに乗って向かいます。ロシアの地下鉄は防空壕の役目もあるそうで、その為プラットホームがこの様な地下深くに造られているのだとか。
この後モスクワへ行って気づきましたが、このサンクトペテルブルクの地下鉄駅はモスクワの地下鉄よりも深く、駅によっては上から下まで3分以上かかる様な所もありました!
尚、エスカレーターの下には必ずこの様な監視員室があって、監視員が複数の防犯カメラと共にエスカレーターを見張っています。これに何の意味があるのか不明ですが、エスカレーターを降りる際にいつも目が合うのでちょっと怖いです…。
アート作品のあるプラットホーム
プラットホームは、島式の1面2線である場合が殆ど。広くて天井の高い空間に、大理石で出来たアーチ状の柱があって、なかなか立派な造りです!
ホーム状にはこの様なアート作品もあって、観光客の撮影スポットにもなっています。
ホームドアは基本的にありませんが、一部の駅(3号線のPloschad’ Aleksandra Nevskogoなど)には設置されています。しかし各国で見る様な近代的な扉ではなく、重々しい鉄のドアがズドン!と音を立てて閉まります!これに挟まれたら、ひとたまりも無いだろうなぁ…。
尚、列車の行き先はホーム上の案内板で確認。英語も併記されていますが、似た様な名前が多いので見間違わないよう注意が必要です。
年季の入った列車
列車は、青地に白のラインが入った車体で、どの路線も一緒。VVVF化された新型車両はまだ無く、旧ソ連時代を思い起こす様な重々しい感じの電車です。運行時間は路線によってまちまちですが、概ね6:00前~翌1:00頃。本数も充実していて、日中はおよそ5分前後、深夜でも街の中心部であれば7~8分間隔で運行されています。
車内も特に変わった様子は無く、ごく普通の内装とシート配列。車体は古いですが、床はゴミ一つ落ちておらず綺麗ですし、パリの地下鉄の様なニオイもありません。
車内放送は、ロシア語の後に英語。しかし古い車両で走行音がうるさいので、殆ど聞こえません…。
目的の駅に着いたら出口へ。出る時は改札口でICカードのタッチは必要無く、通過するだけで勝手にゲートが開きます。
リュックは×、小型のバッグで
ところで、このサンクトペテルブルクの地下鉄を利用するにあたって、最も注意しなければならないのは手荷物。
テロ対策の一環で、各駅の改札口の所には金属探知機と共に警備員や警察官が立っていて乗客の手荷物をチェックしていますが、リュック等の少しでも大きな荷物を持っていると問答無用で別室に連れて行かれ、X線検査を受けさせられます。
もちろん危険物を持っていなければすぐに釈放されますが、気分の良いものではないですよね。
私の場合、45cm大のリュックだと必ず捕まりましたが、30cm大のポーチを持っている時は一切お咎めなし!またリュックを背負っていても、大型のスーツケースを持っている場合は黙認されました。
恐らく“旅行者はテロの危険性が少ない”という認識なんだと思いますが、果たしてそれで安全は守れるのか…?兎にも角にも、滞在中にメトロに乗る際は、なるべく小さなバッグを持つ事をおススメします!
バス・トロリーバス・トラムの乗り方
続いては、バスやトロリーバス、トラムの乗り方について。これらの地上交通は、何れも乗り方は同じで運賃も一緒、乗り方もメトロに比べたらとても簡単です!
乗車には、先ず停留所を探します。停留所は基本的にバス・トロリーバス・トラム全て共通で、歩道上の高い所に該当する路線番号が表示されています。各路線の細かい停留所の名前も書かれていますが、ロシア語のみである事に加え、文字がメチャクチャ小さいので全然読めない…。
停留所の中には、到着状況がリアルタイムで分かる電光掲示板を備えた所もあって、運行管理はなかなかしっかりしています!ただ、リアルタイムの運行状況が分かるGoogle Mapが使えれば、あまり活用のし甲斐は無いかもしれません。
乗車から降車までの流れ
目的のバスやトラムが来たら、開いた扉から乗車。前乗りとか後ろ乗りとかは特に定まっていません。バスの場合、手を上げなくても殆どの場合止まってくれますが、都市部から離れた郊外から乗る場合は念の為手を上げた方が確実です。
車内は日本のバスよりも広く、また殆ど全て低床の新型車両に置き換わっているので、乗降りも楽チン!流石は都会、ここへ来る前の訪れたイルクーツクやハバロフスクとは大違いですね。
大型スーツケースの持ち込みも勿論OK!尚、横を向いた席は車掌席なので、乗客は座る事が出来ません。
運賃の精算方法ですが、ICカード(Podorozhnik)の場合、トラムとトロリーバスでは手すりに設置されたリーダーにタッチ。緑の矢印が表示されたら成功です。
このリーダーが設置されていない通常のバスでは、車掌が持っている機械にタッチします。
場合によってはICカードをかざしてもリーダーが反応しない事もあり、その場合はトラムやトロリーバスであっても車掌の持つ機械にタッチ、或いは現金で支払う必要があります。
現金の場合は車掌に手渡し。現金での支払いに限り、この様な領収書が発行されます。運賃はICカード利用で31RUB、現金だと40RUB、詳しくは前回の記事をご覧下さい。
バスの場合、降りる停留所が近づいたら停車ボタンを押します(押さなくても殆ど全ての駅で止まります)。トロリーバスやトラムは各駅停車なので、降車ボタンはありませんが、トラムは稀に停留所に着いても扉が開かない場合があるので、その時は扉横のボタンを押すとドアが開きます。
メトロよりもバスがおススメ!
と言う訳で、サンクトペテルブルクの地下鉄やバスの乗り方について見てきましたが、使い勝手が良いのは断然バス!メトロは駅構内の物々しさに加え、地下深くまで行く必要がある故使い勝手が悪く、ハッキリ言って観光客にはあまりメリットが無いと思います。
尚、地上交通であってもトラムは渋滞にハマると殆ど動かなくなるので、なるべくなら避けた方が無難です。またバスは本数の多い主要路線であっても、2分で来る事もあれば15分以上待たされる場合もあるので、時間には余裕を持って行動する事をおススメします!
サンクトペテルブルクの市内交通については、ICカード乗車券に関する記事も合わせてご覧下さい→サンクトペテルブルクの便利なICカード【Podorozhnik】購入と券売機の使い方!
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