今回は、スイスのジュネーブCornavin駅からフランスのリヨンPart-Dieu駅まで利用した、フランス国鉄TERの乗車レポートをお伝えします!
この区間は特急列車TGVの利用が一般的ですが、本数が少ないのが難点。一方で快速列車のTERはおよそ2時間に1本走っている上、運賃も割安。所要時間も殆ど変わらないので、利用価値は高いです。
今回は、TERの1等車に乗車!その座席やサービスがどの様なものが、詳しくレポートしたいと思います。
目次
今回のフランス・リヨン行きTERは、ジュネーブの中央駅「Cornavin駅」から発車。ジュネーブ発の長距離列車は、全てこの駅を起点に出発しています(一部列車は空港から直通)。
1~8番線まであるコルナヴァン駅の内、今回のリヨン行きは8番線。行ってみると、7~8番線だけは何やら怪しげな入口の中…。ちょっと入るのに躊躇しながらも入って行くと、何とそこはイミグレーションの跡!
かつてスイスとフランスが国境で阻まれていた頃、ここで出入国審査が行われていた様で、この7~8番線がフランス行きの専用ホームになっています。現在スイスはEU加盟国ではありませんが、シェンゲン協定には加盟しているのでフランスとの行き来は自由自在!イミグレのあった所には一応警備員が居ましたが、特にパスポートの提示等は無く素通りできます。
イミグレ跡を通過すると待合室があり、その先がホームへの入口。ここにはトイレもありますが、ベンチの数は極端に少ないです。薄暗くてあまり雰囲気も良く無く、ここだけは早くもフランスの影の部分が見えてくるかの様…。
フランス行き専用の8番ホーム
今回乗車するのは、9:22発のTER。まだ列車は入線していませんが、ホームへの入場は制限されていない様なので、早々にホームへ。ホームへのアプローチは緩やかなスロープになっているので、スーツケースも楽々です。
Cornavin駅の一番端にある8番線ホーム。ホーム上には売店など一切無いので、ドリンク等の買いこみはコンコースで済ませておくのがベター。
発車表示は、今となっては珍しいパタパタと切り替わるタイプです。停車位置の表示もここにあって、今回乗車する1等車はちょうどCとBの間。ホーム上の表示で確認します。
出発の10分程前に入線!グレーの車体にブルーの入った車体。TERは快速電車なので、あまり高速仕様という感じでは無いです。
ちょっと高級感のある1等車
1等車の内部がコチラ!この列車は6両くらい付いていますが、1等車はこの1両のみ。赤と黒のコントラストが効いて、何だか昔の豪華列車の様な雰囲気です!
シートは2+1の3列仕様。転換不能のヨーロッパによくあるタイプのクロスシートです。上から下まで前身シマシマ模様の特徴的なシート。
座ってみると、フッカフカのクッションで座り心地はGood!シート幅は55センチくらいありますが、前後のシートピッチはあまり広く無いです。
一部にはこの様なお見合い席もありますが、シートピッチが変わらないので一人あたりの足元のスペースが半減します。グループでない限りは、決して使いたくない席…。
一方で、一人旅に嬉しいのがこちらのソロシート!今回は、チケット購入の時点で座席指定ができなかったのですが、たまたま座った席が進行方向を向いていたので助かりました!
このTERが全席自由席なのかは分かりませんが、少なくとも周辺の席を確認した限りではどこも指定は入っていませんでした。特急のTGVと違って、座席指定して乗るという類のものではないのかもしれませんね。
座席周りの設備と荷物置き場
続いてシート周りの設備をチェック!大型のテーブルにドリンクホルダー、そしてゴミ箱も完備しています。テーブルは旧式の為か、収納時にバタンと音がして前の座席が大きく揺れるので、前の人に迷惑が掛からない様にそぉっと仕舞う必要があります。
肘掛やヘッドレストは固定式。でも肘掛の高さはちょうど良く、ヘッドレストも邪魔になることはありませんでした。電源ポートは無く、車内で使えるWifiも無し。
尚、車端部には大型のスーツケースが置ける荷物棚があるものの、スペースはかなり限定的。でもそのすぐ側に座席の設置されていないフリースペースの様な所があったので、皆そこへ置いていました。
ここは恐らく自転車等の荷物スペースになると思いますが、使っている人が居ない時は置いて構わない様です。
その他、デッキにはトイレもありますが、職員専用なのか使えない所もありました。あまり特急と同じ感覚で考えない方が良いかもしれません。
車内サービスは無し
さて、列車はほぼ定時に出発したものの、スピードはかなり遅く、おおむね時速60km~80kmくらいで走っています。これでもリヨンまでの所要時間はTGVとさほど大差は無いので、快速列車だからと言って遅いという訳では無い様です。
出発から30分くらい経って、漸く車掌が検察にやって来ました。丁寧な対応で印象は良いですが、ドリンクや茶菓子などのサービスは一切なし。勿論、軽食サービスもありません。また、このTERには軽食が食べられるビュッフェカーも付いていないので、車内で飲み食いしたい場合は全て駅で買いこむ必要があります。まぁここが特急列車との大きな違いなんだと思いますが、旅人としてはちょっとツマラナイ…。
かなり低級な2等車のシート
ところで、2等車の車両も覗いてみましたが、思った以上に低級なシートでビックリ!座席幅が極端に狭く、また殆どがお見合い席なのでかなりゴミゴミした印象を受けます。
唯一空いていた非お見合い型の座席ですが、足元の狭さがとても顕著!肘掛やテーブルは一応ありますが、これは完全な短距離仕様ですね。それこそ、ジュネーブ界隈の在来線の方がよっぽどマシです。
TERなら断然1stがコスパ良い!
今回乗車したジュネーブ~リヨンの1等車の運賃は€54。これはSBBのHPで購入したフレキシブル運賃ですが、乗変不可の運賃なら€43からありました。
2等車の最安値は€29なので、その差額は€14(≠1,820円)。この金額差なら1等車の方が断然コスパ良いですね!※価格は為替レート等により常に変化します。
でも同じ2等車なら、TGVに€39で乗った方が良いかもしれません。所要時間も10分早まりますが、本数が少ないのが不便なところ。今回私は帰り(リヨン~ジュネーブ)でTGVを利用したので、それについてはまた記事にしたいと思います。
と言う訳で、ジュネーブ~リヨンを走るTERの乗車記をお伝えしました!この列車チケット予約・購入については、前回の記事をご覧下さい→SNCFフランス国鉄チケット/TGVとTERの予約方法!座席指定も可能
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