北海道新幹線の開業とともに姿を消した、特急列車「スーパー白鳥」。今回は、新幹線開業前に乗車した青森→函館のレポートと共に、1988年「青函トンネル」開業時に販売された、貴重なジグソーパズルも併せてご紹介したいと思います。
※北海道新幹線開業前に執筆、開業後に加筆しています。
姿を消した寝台列車
2017年3月26日に開業した「北海道新幹線」。首都圏⇔函館の交通は、これまでの飛行機に加えて新幹線が加わり、各社旅行商品はその質・量ともに、益々活性化する事と思います。 しかしそんな嬉しいニュースの裏では、並行在来線の第3セクター化や特急「白鳥」の廃止など、鉄道ファンの方にとっては寂しい便りも聞こえて来ます。特に寝台特急「カシオペア」の全廃は衝撃的でしょう。これだけ観光列車が人気となっている昨今、「東京(上野)⇔札幌」というドル箱路線ならば是が非でも残すべきではないか、とは思うのですが、青函トンネルにおける制約など、致し方ない部分もあるのでしょう。
青函トンネル開業記念のジグソーバズル
さて、最近自宅の物入れを整理していたら、こんなものが出てきました。
これは「ジグソーパズル缶郵便」といって、青函トンネルが開通した1988年当時、開通を記念して郵便局から売り出されていたものです。当時子供だった私に、親戚の者からプレゼントされました。40ピースで「\500」と書かれています。バブルの頃とは言え、今と物価はあまり変わりませんね。
この開業の翌年、私は親の計らいで当時プラチナチケットだった北斗星の「A寝台ロイヤル」に乗せてもらいました。「海底駅」を一目見ようと、眠い目をこすって窓にかぶりついていた記憶があります。後にも先にも、私が寝台列車に乗ったのはコレっきりで、「いつかはカシオペアに!」なんて言っている間に廃止が決まってしまいました。
青森⇔函館「白鳥」「スーパー白鳥」も廃止
「カシオペア」と共に廃止される在来線特急の「スーパー白鳥」ですが、私は廃止を見越して(?)、数年前に乗車していました。
青森駅および函館駅は、両方ともスイッチバックの構造となっているのが特徴で、その為か列車の進行方向の転換が頻繁に行われます。この時の「スーパー白鳥」も、新青森を後ろ向きに出発した後、青森駅でスイッチバックをし、正面を向いて走り出しました。函館駅と共に、こういった不便な構造である事も、新幹線開業を後押しする要因の一つとなっているのでしょうか。
この時は奮発してグリーン車を利用しました。1+2の3列シートで、一人旅にも安心・快適な構造です。近年JR東日本では、「スーパーあずさ」のE353系や「ひたち」のE657系など、新型車両のグリーン車はいずれも2+2の配列で、普通車と違いが無くなってしまいましたから、今では貴重な存在です。
座席には、この様に青函トンネルの通過時刻表がありました。これを見ると、本州側のトンネル入口から北海道の出口まで、53.85kmを僅か24分で快走する事を表しています。同区間は時速140kmとの事ですから、在来線特急の中では破格の速さですね。
これが為せるのは、同区間が新幹線規格である事の証明でしょう。青森駅を出た列車は、途中まで「津軽線」の単線区間をゆっくりと走行した後、「太平駅」手前で津軽線から分岐して「津軽海峡線」に入った途端スピードを上げます。
この様に、津軽海峡線には当時既に新幹線規格の「標準軌」が設置されていました。北海道新幹線が、「東北新幹線」開業から僅か5年余りで開業出来るのは、こうした事前の準備があっての事なのかもしれませんね。
「東京」⇔「新函館北斗」間の最速はおよそ4時間。函館市内から遠く離れている事もあって、まだまだ飛行機の優位性には及ばないだろうと思いますが、新幹線を意識した飛行機の運賃値下げの傾向は、飛行機派の私にとっても良いニュースになりそうです。
「スーパー白鳥」をはじめ「北斗星」や「カシオペア」の廃止は寂しい限りですが、「九州」「北陸」「北海道」と相次ぐ新幹線開業が、新たなる旅のきっかけになる事を願っています。
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