今回は、ロンドンSt.PancrasからパリGare du Nordに向けて乗車した“ユーロスター”1等車(Standard Premier)の模様をお伝えします。尚、セントパンクラス駅での【チェックイン&入国審査】【待合室の様子】も併せてご覧頂ければと思います。
目次
新型車両「e320」
今回乗車したユーロスターは、2015年から導入が開始された「e320」という新型車両でした。2015年冬ダイヤから本格的に導入開始されて以来、大分その本数も増えてきている様です。
この新型車両の予約指定について、私が欧州エキスプレスで予約した当時は当該列車に「新型車両予定」と書かれていたのですが、現在ではその表示がされている列車が見当たらないので、ひょっとしたら現在では新型車両が基本運用となっているのかもしれません。※現在は既に新型車両に統一されている模様です。
1等車の1+2配列シート
それでは車内へと参りましょう!私が乗車するのはStandard Premierという1等車。1+2の3列シートで広々!明るくてスッキリした車内は好印象です。
欧州鉄道の特徴として、車内には様々なタイプの座席があります。こちらは1対1の対面席。
こちらは2対2の対面席。グループ旅行には良いですが、一人旅には最悪ですね。ただシートピッチが広いので、周りとの干渉は少ないかもしれません。
快適な独立ソロシート!
そしてコチラが今回指定したソロシート。
一人がけの完全独立シートです。背もたれを倒しても後ろに倒れて来ないタイプなので安心!可動式のヘッドレストも付いています。
しかも私の席の後ろは、この様にパーティションで仕切られているので特に落ち着きます。このパーティションは丁度車両の中央に位置し、自動ドアによって行き来できる様になっています。
この仕切りの向こう側には、更に両サイドにパーティションで仕切られた部屋があって…
中には同じ座席が設置されています。ここを指定すれば完全な個室になりますね。ただしスタンダード・プレミアで指定出来るかどうかは不明です。
“Priority Seat”のナゾ…?
因みに、私が指定したのは3号車41番の座席。予約時に「進行方向を向いたソロシート」というリクエストを出した所、この席を指定してくれました。
しかし1つ気になっていたのが“Priority Seat”。
この41番を含む周囲4席に限っては、座席の色がグレーで記されたPriority seatになっていました。これに関して欧州エキスプレスに問い合わせた所、全く問題無いとの回答。事実、乗車後に席を譲れなどと言われる様な事は無く、他の席と全く同様の扱いだったので安心しました。
尚、座席を自分で指定する場合にはSeatMapを見て、列車の進行方向をよく確かめる事をおススメします。
座席周りの設備
さて、それでは座席周りの設備を見てみましょう。テーブルは単純な折りたたみ式のもので、ガタツキも無くしっかりしています。
正面の小さなカバーを開くと、中から鏡が出てきました。カタログではここにスマホを置く様に書いてありましたが、カバーを着けたiphone 6ではややサイズオーバー…。それでもちょっとした小物を置くのに重宝しそうです。
独立したアーム型の読書灯です。
ドリンクホルダーは、細い250ml缶だと底抜けてしまいます。
USBポートとコンセント。コンセントは見たところC型(フランス式)でした。
iphoneも問題なく充電出来ます。
シートポケットには最初から情報誌など入っていませんでした。ゴミの取り残しがあるのは残念。
座席の肘掛下にある謎の溝。PCのACアダプタ置き場としては便利かもしれません。
フットレストは小さめのサイズ。高さの調節は不可能です。
アームレストは可動式で、使用しない場合は跳ね上げておく事が出来ます。
その他、座席の背面同士の間にダストボックスが備え付けられている所もありました。
さて、シートの座り心地についてですが、座面の高さは日本人平均身長の私でも違和感を感じなかったので、オーストリア航空の様に特別ガタイの大きい西洋人向けの仕様では無い様です。座席幅は思った程広くは無く、逆にJAL-Suiteみたく広すぎないので、肘掛を無理なく使えて疲れません(笑)。
前後のシートピッチは、東海道新幹線より狭く感じます。それでも41番の座席は、その反対側の席も1人席の為、他よりも通路のスペースが多く取られていて広々しています。
ただ、列車走行中パーティションが絶えずカタカタと音をたてるのが少々気になるところ…。それに引き換え、自動ドアの開閉は静かで特別気になるものではありませんでした。
1等車の収納スペース
それではここで収納について見てみましょう。網棚の上は機内持込対応のスーツケースであれば難無く置いておけるスペースがあります。
1等車で利用人数が少ない為か、収納数にも余裕があります。
スーツケース置き場は3段仕様。ざっと見で90ℓの大型スーツケースが9つ入る大きさだと思います。これでも最終的には棚が埋まっていましたから、大型の荷物を持ち込む際には1等車と言えども油断しない方が良さそうです。
揺れの少ない快適な乗り心地!
列車は定時から1時間遅れで出発。車内検札は出発直前に車掌が着席を確認するのみでした。しかしこの時立っていたり席から離れていると、チケットの提示を求められます。走行中ほとんど揺れずに快適!カーブの多い東海道新幹線とは大違いです。パリ北駅までの所要時間はおよそ2:25。将来的にこのE320へ統一されれば、更なる所要時間の短縮が見込まれるでしょうから益々楽しみです!
次回は、車内で提供されるミールサービスのレポートをお送りします。
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