東海道新幹線は、2015年3月のダイヤ改正より最高速度が285kmに上がり、それまで2時間33分~37分かかっていた「東京⇔新大阪」の日中の所要時間が若干短縮されました。中でも、毎時1本の博多行き列車には、最新鋭のN700a系を宛がう事により、同所要時間を2時間30分へと短縮させた事で、漸く「のぞみ」開業当時の「2時間半」に戻った格好となりました。
東京⇔大阪の移動は専ら「飛行機」である私ですが、幼い頃からよく利用していた路線なだけに、感慨深いものがあります。
※この記事は2016年執筆のものです。2020年3月より、日中でも東京⇔大阪間「最速2時間27分」が実現しています。詳しくはJR東海HPへ。
「東京駅」利用者にとって冬の時代
1992年にはじめて「のぞみ」が開業した時、「東京⇔新大阪2時間半」のキャッチコピーの元、その圧倒的なスピードと短い所要時間に驚いた事を覚えています。それまで時速220kmだったものが一気に50kmも速くなり、まだまだ性能の低かった300系新幹線車両がMaxの270kmで爆走する車内では、それまでに感じ得なかったゴウゴウと唸る轟音と共に、未知なる揺れによって恐怖すら覚える程でした。
転機が訪れたのは2003年の品川駅開業。ボトルネックだった新横浜駅に加えて、品川駅停車の列車が増えた事で「東京⇔名古屋」ノンストップ列車が減少、そしてその後、それまで選択停車だった「品川」と「新横浜」に全ての「のぞみ」が停車する様になり、東京⇔新大阪の所要時間は2時間36分~37分がスタンダードとなってしまいました。
これが、東京都港区界隈の企業に対する利便性や、停車駅の統一による分かり易さへの配慮である点は理解していますが、品川や新横浜利用とは縁の無い者にとって、煩わしい以外何物でもありません。
“N700系”誕生後も、最速のキャッチコピーからは程遠く
東京⇔新大阪の最速時間の変遷は言わずもがな、N700系の振り子走法によって2時間30分を切る様になり、今では2時間22分にまで短縮していますね。しかもこれが「品川」と「新横浜」両駅へ停車しての事ですから、もし名古屋までノンストップですと“2時間15分”で行けるのではないでしょうか。
しかし、これが始発や終電に限られる事はご承知の通り、日中は「こだま」の追い越しによるダイヤ上の都合によって、その殆どが未だ2時間33分から36分かかる列車が主体となっていますから、殆どの利用者にとって最速タイムの更新とは縁の無い話です。
遂に「新大阪」始発着列車の“2時間半”復活!!
昨年のダイヤ改正で“2時間半”となったのは、日中毎時1本の博多行きのみで、私が贔屓にしている“新大阪始発着”列車(東京駅00分発)は、東京⇔新大阪の最速が2時間25分になった後ですら、つい最近まで2時間36分~37分、昨年の改正で漸く2時間33分になったものの、未だ「のぞみ」開業当時のキャッチコピーにすら戻れていない状態です。
しかし、今年3月に行われるダイヤ改正では、東京駅日中毎時20分発と23分発の新大阪止まり臨時列車を1本に統一する形で、2時間30分の所要時間を実現する事になりました。これは繁忙期には運転されない臨時列車ではあるものの、遂に新大阪始発着列車の“2時間半”が復活する事になります。
博多行きの繁忙列車を嫌う「東海道」限定利用者にとって、2003年以来ようやく「2時間半」のキャッチコピーに見合ったサービスを享受出来る事となりそうです。
「のぞみ」開業から四半世紀、東京駅利用者にとっては未だ長い冬の時代が続いていますが、2020年春の全列車「N700a系」統一に向けて、少しでも早く「全列車2時間半」を切るダイヤになる事を願っています。
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