グエル邸に続き、バルセロナにあるアントニ・ガウディの建築物から、今回はカサミラ(ラ・ペドレラ)をレポートしたいと思います。こちらもガウディが大富豪から依頼を受けて建てた個人邸宅のひとつですが、ハンドメイド感のある斬新な概観とは裏腹に、中へ入ってみると意外と質素な造り。
そんなカサミラについて、チケット手配等を含めてお伝えします。
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カサミラの概要と外観
カサミラは、バルセロナにあるアントニ・ガウディ設計の建築物の一つで、当時実業家だったペレ・ミラという人物の依頼によって建てられた、同人物の住居です。
建築期間は1906年~1912年。地上6階建てで、1835㎡の敷地に建つ大豪邸です。ガウディ54歳の頃の作品という事で、彼の円熟期を思わせる要素が至る所に表れているのだとか。
住居という事で機能面にも配慮があり、柱や梁の構造を工夫して内装を自由にレイアウトできる造りになっているそうです。
旅行ガイド等では“カサミラ”となっていますが、ファサードが石の塊りの様なデザインである事から、カタラン語で「石切り場」を意味する“ラ・ペドレラ(La Pedrera)”が正式名称なのだそう。
なんとも手作り感万歳のファサード、効率化重視の現代では決してありえないデザインですよね。
このカサミラの場所は、バルセロナの中心グラシア通り沿い。流石は大富豪の邸宅という事もあって、超一等地に建っています。
チケットはVELTRAよりも公式HPが吉!
カサミラのチケットですが、今回は公式HPではなくVELTRAという旅行サイト経由で購入しました。
こちらのサイトは、バルセロナだけではなく世界中の観光チケットやオプショナルツアーを取り扱っている会社で、私は以前バンコクでの観光チケットを手配した経験もあります。
価格は公式HPと変わりなく、オーディオガイド付きで€22。但し、独自レートによる円換算となるので、ユーロから直接決済するよりも若干値上がりします。※価格は為替レート等により常に変化します。
訪問の日付だけ指定する必要がありますが、時間は自由。営業時間内であればいつでも入場できるというチケットになります。
◆並ばず⼊場する⽅法◆
チケット購⼊⽤の⼀般列には並ばず、「FAST PASS / SKIP THE LINE」等と書かれた列より先に進み、お近くのスタッフへ声をかけてバウチャーをご提⽰ください。スタッフがチケット窓⼝でバウチャーとチケットを交換し、お客様へチケットをお渡しします。
また、VELTRA経由でチケットにはこの様な記載が。スタッフが窓口へ行ってチケットに交換して渡してくれるなんて、すごいVIP扱いですよね!
ところが、実際に当日カサミラに着いて係員に引換証を提示したのですが、自分でカウンターへ行ってチケットに引き換えろとの事…。あれ、話が違うじゃん!
しかもFast Passのレーン等は無く、他の観光地と一緒でbuy tickets(当日券購入)とon line(事前購入)の2つのレーンがあるだけ。
これならわざわざVELTRA経由で買わなくても、公式HPからEチケットを購入した方が早くて確実でした!入場時間指定(15時以前or15時以降)をする必要はありますが、オーディオガイド無し(€15)のチケットも選べますし、なにより当日窓口へ行く手間が省けるのは利点ですよね。観光地によってはVELTRAがお得な場合もありますが、カサミラに関しては公式HPからの購入が吉です。
見学順路とエントランスホール
さて、このカサミラの見学順路ですが、先ず最初に拭きぬけのエントランスホールを見学し、その後エレベーターで屋上へ。そこから順に階段を使ってワンフロアずつ降りて行く形になります。
「パセオ・デ・グラシア」という名前を持つこのエントランスホールは、広い建物内に少しでも多く光を取り入れる為の工夫がされているのだそう。この様な開口部は、このエントランスホール以外にもう一つあります。
エントランスホールを観た後はエレベーターで屋上へ!尚、今回は朝一(9時)で訪れましたが、空いているかと思いきや意外と朝一狙いの人達で少々混雑。逆に、20分くらい留まっていると空いてきたので、やはりみんな考える事は一緒なんですね。
屋上は芸術的だけど…
屋上はこんな感じ。グエル邸と同様、いかにも芸術家らしいデザインをしていますが、こちらも飾り気はあまり無いですね。
人の顔である様な、そうでない様な…。この様な特記物の多くは、煙突や通気口の役割を果たしているのだとか。
先ほどエントランスホールから見上げた通り、屋上からは2つの開口部を上から眺める事が出来ます。安全柵はありますが、覗き込むとちょっと足がすくむ…。
屋上から先は、階段を使って下のフロアへ。この様に上から降りて行く導線は、楽で良いですよね。
屋根裏部屋からアパートメントへ
屋上の一つ下は、この様な放射線状のアーチが特徴的な屋根裏部屋になっています。この様な形にする事で耐久性を上げる他、壁や柱の少ない見通しの良い空間になるのだとか。
このフロアはちょっとした博物館になっていて、カサミラの断面が見られる模型などが展示されています。
そこから更に下へ進むと、漸く本編のアパートメントの部分へ辿り着きます。食堂やベッドルーム、バス・トイレなどあらゆる生活の場が展示されているのですが、大富豪の邸宅としてはかなり質素です。
家具を見る限り、庶民の家では無い事は確かなのですが、もう少し+αの豪華さがあると見応えもあるのですけどね。グエル邸同様、プライベートスペースは装飾性を抑えた落ち着ける空間にするというのが、ガウディのコンセプトの様です。
ナイトツアーの方が良いかも?
と言う訳で、バルセロナのカサミラ(ラ・ペドレラ)をレポートしましたが、大きな大邸宅とは言え全ての部屋を見学できる訳ではなく、ボリュームとしては控えめ。目玉になる様な見所も無く、個人的にはチョットがっかりスポットでした…。
ちなみに、カサミラでは通常の営業時間の後にナイトツアーも行われていて、こっちの方が幻想的な景観を楽しむ事が出来るかもしれません。料金はだいぶ上がりますが、昼間のアパートメントはわざわざ観に行くほどでは無いかな…。
以上、カサミラのレポートでした!営業時間などは公式HPへ。
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