松本の城下町で美味しい「湧水」めぐり!場所による味の違いはあるか?

雄大な日本アルプスを有する長野県は水が美味しい事でも知られていますが、ここ松本には市内の至る所に湧水の出るスポットがあって、誰でも無料で飲む事が出来ます。

水質がきちんと管理された松本市公認の湧水は、地元の人も汲みに来るというお墨付き!そんな湧水の味や水質は場所によって違いはあるのか?そして腹の弱い私が飲んでも問題ないか…?等、レポートしていきたいと思います。

環境省が認定する「まつもと城下町湧水群」

松本市街の至る所にある湧水スポット。古くは江戸時代の頃から井戸が掘られて水路が整備されていたそうで、松本駅の東側500m~1km圏内の所に多く点在しています。Google Mapで「湧水」と検索すると幾つも出てくるので、詳しい場所を見つけるのには便利です!

「まつもと城下町湧水群」として環境省のHPでも紹介されている湧水スポット。各所とも綺麗な井戸が整備されていて24時間掛け流し、まぁ何とも贅沢ですよね!

周囲を高い山に囲まれた独特の地形が地下に巨大な水がめを形成し、それが豊富な地下水源となっている事から実現するという訳です。

湧水は厳しい水質管理が行われていて、多くのスポットにはこの様な「水質検査結果書」が掲示されています。塩化物イオンやpH値など30項目以上に渡って基準値と共に検査結果が表示されているので安心!キャンプ場で飲む川の水とは訳が違いますね。

様々な形の井戸、地元の人が汲みに来る姿も

松本市内各所に点在する湧水スポットを色々と巡ってみましたが、場所によって井戸の形は様々。雨水が入らない様に工夫されていたり、中には立派な社の様になっている所もありました!

湧水の排出口も様々で、蛇口になっている所もあれば、この様に溜まり場から柄杓で汲むスタイルの所も。

衛生面を考えると柄杓のタイプはちょっと敬遠しがちですが、見ていると地元民と思われる人達が慣れた手つきでボトルに汲んでいたので、あまり過度な心配は必要ないのかもしれません。

大容量を一気に汲んでいくには、この方が便利なのでしょう。

湧水スポットは他にも沢山あって、市中を歩いていると工事現場の中や民家の軒先からも水の滴る音が聞こえてきます。

当然ながらこういう所の水は関係者以外汲む事は出来ませんが、中には公共の物なのか個人の物なのか微妙で判り難い所もあるので、そういう所の水は手を出さない方が無難です。

ペットボトルに入れて飲んでみた!

それでは早速、幾つかのスポットで湧水を汲んで飲んでみたいと思います!Google Mapを頼りに私が向かったのは、高砂通り沿いにある「源智の井戸」。

ここは観光地として綺麗に整備された所で、井戸の上には立派な社が建ち、周囲はちょっとした公園の様になっています。ここは「松本市特別史跡」にも選定されている所で、城下町が形成される以前からある大変古い井戸なのだそう。

この井戸には柄杓も置かれていますが、衛生上の理由から井戸の周囲に設置された蛇口から汲むのがここでのルール。勿論24時間掛け流しです。

何の混じり気も無い透き通った綺麗な水!飲んでみましたが、臭みや雑味が一切無く市販されているミネラルウォーターの様な舌触り。

以前、立山で飲んだ超滑らかな軟水と比べると若干硬度は高めの様にも感じられますが、それでもこの水が無料で飲み放題というのは凄い事ですよね!

場所によって味が異なる?美味しい水の基準は…?

「源智の井戸」以外でも色々な場所の湧水を飲んでみましたが、ちょっと気になったのは場所による味の違い。同じ水源にあるはずの井戸水が、ほんの数百メートル離れただけで後味などに変化を感じる事もありました。

特に顕著だったのが「源地の水源地井戸」で飲んだ湧水の味。ここは情緒ある日本庭園の様な整備された公園の中にあるスポットなのですが、竹の蛇口から出る水を飲んでみると、後味に感じる僅かな塩素の風味…。

流石に水道水の様なカルキ臭がするという訳ではなく殆ど気にせずに美味しく飲めるレベルではありますが、何の混じりけも無い「源智の井戸」とは一線を画す味です。

勿論ここの湧水も水質調査された行政お墨付きの水である事は間違い無いのですが、一つ気になったのが「塩化物イオン」の値。ここ以外の湧水はどこも10~15mg/L前後の範囲に収まっているのですが、ここだけ“21mg/L”と特出して高くなっています。

塩化物イオンは水質汚染源の一つとされる塩素分なので、数値が低ければ低いほど良い事は言うまでも無し。

私がこれまでに巡った中では「日の出の井戸」の7.6mg/Lが最も低い値でしたが、やはりこの数値が低いほど雑味の無い美味しい水であるという風に感じられます。

「西堀公園井戸」の水も美味しかったですが、ここの塩化物イオンの値は12mg/Lとこちらも非常に低水準。

塩化物イオンの値は水質調査時の気象や気候によって変動するものなので一概には言えませんが、美味しい湧水を探す一つの目安になるかもしれません。

腹の弱い人でも大丈夫?

湧水を飲むに当たってもう一点気になる事と言えば、腹を壊さないかどうか。しかし私はこれまで3日間続けて毎日500ml以上飲んでみましたが、特に胃腸に異常をきたす事はありませんでした。

普段から腹の弱い私でも平気だったので、一般の人は尚更大丈夫なのでは(笑)?とは言え、飲むのはあくまでも自己責任でお願いします!

それにしても、世の中には安全な水を求めて戦争まで起こる国があるというのに、こんな街中で安全な水が自由に飲めるなんて、ほんとに贅沢な事ですよね!自然の恵みに感謝しながら味わっていきたいものです。