海外旅行における“時差ボケ”、特に初めての海外旅行を計画されている方にとっては、大きな懸念材料の一つになっているかと思います。しかし私はこれまで海外への渡航で、明確な時差ボケになった事がありません。一般的に時差ボケし難いと言われているヨーロッパ方面が主な事もありますが、現地で1週間を超える滞在後に帰国した後も、翌日からすぐ日本時間に戻る事が出来ます。
そんな私が時差ボケをしない様、機内で心がけている事を中心に、今回は話をしようと思います。
機内で寝ると時差ボケになる
先に結論を言うと、時差ぼけにならない為には“機内で寝なければ良い”という事です。現地時間に体内時計を合わせるには、たっぷり睡眠を取って現地の朝に目覚める事が必要ですが、移動中にまとまった睡眠を取ってしまうと、現地のホテルに着いた後眠れなくなるのは言うまでもありません。現地の朝に着く深夜便でない限り、機内では読書や映画鑑賞などをして出来るだけ眠らない様に心がけるのがベストです。
しかし国際線の機内では、例え午前発の便であっても離陸後最初のサービス(機内食)が終わったらすぐに消灯し、窓のひさしが閉められて機内が暗くなってしまいます。これは“乗客の体力温存”という表向きの理由がある一方、航空会社の策略でもあります。乗客が寝ている方が客室乗務員の仕事も減りますし、飲み食いも減って経費削減に繋がりますから、その方が都合が良いのです。
私はこれに負けじと、読書灯を全開にして睡魔が襲って来ない様に心がけます。もちろん30分程度仮眠するくらいなら全然問題ありませんが、何時間も爆睡する事は避けた方が無難です。
ヨーロッパ行きは時差ボケの心配なし!
日本からヨーロッパ方面へ飛ぶ場合、太陽と同じ方向へ進む為、機内では時間がゆっくりと流れて1日の時間が長くなります。東京(羽田・成田)を午前11時に出発し、11時間ものフライトにも関わらず現地到着は15時頃、その間太陽がずっと出っ放しの状態で機内を過ごす事になります。
つまり、単純に1日が長くなるだけですから、普段となんら変わらぬ心構えで過ごしていれば良い訳です。少し眠気を感じる様になった頃に現地空港に到着、そのままホテルへ移動し、眠気がピークになる21時頃に就寝。すると翌朝まで9時間や10時間たっぷり眠る事が出来、朝からフルに行動する事が出来ます。
移動の疲れもあるので爆睡できる事でしょう。普段は不眠症ぎみの私でも、ヨーロッパへ行くと治ります(笑)。
アメリカ行きは午後発がベスト!
一方、日本から太陽の動きに逆らって飛ぶアメリカ方面行き(東行き)は、一般的に時差ボケは強くなると言われています。それはヨーロッパ行きとは反対に一日の時間が短くなる為、体内時計の調整が難しいからです。人間の体内時計は25時間周期とも言われていますが、それより短い時間で1日の周期を作ろうとすると時差ぼけしてしまうのです。
しかし現地への移動時間はヨーロッパと殆ど変わりませんから、日本出発の時間をずらせばヨーロッパへ飛ぶのと同じ感覚になります。例えばJALの東京→ニューヨークで言うと、今度4月より就航する羽田発の便よりも成田を夕方に出発する便を選べば、現地に到着後すぐにホテルで就寝出来ます。それでも一日は通常より長くなりますから、出発の日は昼頃までたっぷり寝ておけば良い訳です。
もし午前発の羽田便を選んでしまうと、機内で眠れない上に到着後も日が長くあるので披露困憊です。ホテルへのチェックインも出来ない時間帯ですし、疲れと眠気で観光どころではなくなります。
時差の無い国へは昼行便が鉄則!
逆にどうしようも無いのが、時差の無い東南アジアおよびオーストラリアへ深夜便で飛んだ時です。特に6時間程度で着いてしまう東南アジアは仮眠できる時間も少なく、ほぼ完徹状態で朝を迎える事になってしまいます。
時差の無い国へ行くのは、国内を移動するのと変わりませんから、単純に深夜便を避ければ良いだけの事です。深夜便しかないオーストラリア行きは仕方ないとして、マレーシアやベトナム行きは普通に午前発の便を選べば、現地に夕方に到着するので問題ありません。
どの方面も“現地夕方着”が最適
つまり、どの方面へ行く場合でも“現地夕方着”がベストという事になります。飛行機は騒音と振動のメッカですから、想像以上に体への負担は大きいものです。だからこそ、機内で取る睡眠は決して完全なものではなく、あくまで“仮眠”。これを前提とした行程を組むからこそ、時差ボケや体調不良が襲ってくるのです。
現地着が朝であれば、確かにそこから丸一日時間は出来ますが、体力が回復しない中での活動はかなり限られてくるものです。体力が有り余っている人なら良いですが、普通の人(特に30代以降の人間)は逆に丸一日を無駄にしてしまう事にも繋がります。海外旅行においては、飛行機での移動時間も旅行の一つとして、活動的な時間に割り当てるのが良いと思います。海外出張などで時間に制約がある場合は仕方がないとして、プライベートで行く場合は少しでも有意義な滞在となる様心がけて頂ければと思います。
関連記事: