私が不眠症の解消法として隔晩に寝酒として嗜んでいるウイスキー。一時のNHKドラマによる過熱感は冷めてきたものの、ウイスキーブームは一過性とはならず、原酒不足による値上げなどの問題が出てきていることと思います。
そんな中、今回は比較的安価で手に入り易いスコッチウイスキー「THE GLENLIVET」を元に、熟成期間の異なる3つの銘柄「12年、15年、18年」を比較テイスティング!味がどの様に変わるのか、レポートしたいと思います。
「THE GLENLIVET」で飲み比べ
さて、ウイスキーは一般的に熟成年数が高いほど“高級”とされ、その分値段も釣り上がっていきますが、具体的にどれだけ違うのか、以前から気になっていました。
ちょうど私が贔屓にしているスコッチ・スイスキー「ザ・グレンリヴェット」が、12年・15年・18年と手元に揃っているので、順番にテイスティングしてその違いを確かめてみようと思います。なお、個別の銘柄のテイスティングは【ウイスキー工房@HOME】にまとめていますので、宜しければご覧下さい。
12年
それでは先ず「12年」から。この銘柄はスーパーやディスカウントストアでも手軽に買う事が出来、価格も2千円台後半と手ごろです。私は常用ウイスキーとして2~3本ストックしています。グラスに注ぐと爽やかな青リンゴの香りが漂います。
口に含んでみると、ほのかな甘みと共にアルコールが口の中を刺激します。アルコール度数の強いお酒に慣れていないと、この刺激が喉の方へ行ってしまって噎せてしまうかもしれません。とても美味しいですが、強い炭酸水を口に含んだ時と似た様な感覚を覚えます。フィニッシュには“渋み”に似た後味が少し残ります。また麦の甘みが僅かに口の中に留まるものの、長くは続かず、あっさりとした印象を持ちました。
15年
次に「15年」を試してみます。価格は12年の1.5倍ほど。普通のスーパーマーケットではなかなか置いていないですが、酒屋などの専門店を訪ねると手に入り易いです。グラスに注いだ時の香り立ちは12年とさほど変わりないものの、ウイスキーの色は明らかに濃くなっています。
口に含んでみると、12年の時の様なアルコール刺激は殆ど無く、すごく大人しい印象。バランスの良い味わいや麦の風味にさほど変わりは無いものの、主張が足りない感じ。刺激が少ない分12年よりも更に飲み易くゴクゴク行けてしまいますが、なんだか物足りない気がします。
フィニッシュにおける“渋み”は12年に比べて遥かに少ないものの、余韻として感じられるものは殆ど無く、最初から最後までインパクトの薄いウイスキーだと感じました。
18年
それでは最後に「18年」を試してみます。ウイスキーの中でも中堅レベルに入る18年は、15年と同様にスーパー等ではなかなか手に入りませんが、意外にも家電量販店に行くと12年~18年のラインナップが揃っている場合があります。価格は12年の2.5倍ほどしますから、流石に常用という訳にはいきません。注いだグラスの色は、15年よりも更に濃い琥珀色。熟成年数の長さが窺い知れます。香り立ちはこれまでとさほど違いはないものの、やや洋ナシに似たものが加わった様な印象です。
口に含んでみると、刺激の少なさと飲みやすさは15年と同様。しかしそれから2秒ほど経つと、これまで凝縮されていた旨みや風味が一気に開放され、ぱぁっと花が咲いた様な華やかな印象になります。そしてこれが余韻として長い間口の中に留まり続けます。
なるほど、これが18年以上熟成された証なのかとナットク。若い原酒によるアルコールの刺激は、熟成が増す程に緩和されて、それがやがて長い余韻となって後に続くものだという事が分かりました。
熟成年数による味の違いのまとめ
簡単にまとめるとこの様になります。個人的に普段呑みには「12年」で十分、たまの贅沢に「18年」の豊潤な余韻を楽しみたいところです。後にも先にも印象の薄い「15年」は、残念ながら常用ラインナップから外れる事になりそうです。ウイスキーのあらゆる銘柄に当てはまるとは思いませんが、これを一つの参考として、機会があれば他の銘柄でも試してみたいと思います。