香港市街中心部から西へおよそ20kmの所にある香港国際空港。
空港と市内のアクセス方法は鉄道・バス・タクシーと色々ありますが、今回は最も早くて便利とされているAirport Express(高速特急列車)と、最も安くてお得な方法として知られるバス+MTRを往復でそれぞれ利用し、運賃や所要時間を比較してみました!
目次
2つのルートを検証
今回私が滞在するのは、香港市街の北側にある旺角(モンコック)と呼ばれるエリア。ホテルの最寄駅は、MTR東涌線の奥運(Olympic)駅です。空港との往復で利用したは次の2ルート。
- 往路:機場→(Airport Exp.)→青衣→(MTR東涌線)→奥運
- 復路:機場←(バスS1)←東涌←(MTR東涌線)←奥運
奥運(Olympic)駅のあるMTR東涌線はAirport Exp.と殆ど併走しているのですが、残念ながらホテル最寄に停車駅が無い為、途中の青衣駅で乗り換える必要があります。
一方、S1バスを利用する場合はMTR東涌線の終点である東涌駅で乗り換え。今回は、乗り換え時間も含めた所要時間を計ってみました。
エアポートエクスプレス+MTRの場合
それでは先ずは、Airport Exp.を利用する場合から。今回は空港からホテルまで行く時に利用しましたが、空港に到着して制限エリアを出た目の前に乗り場があるので、とても便利です!
乗車券は乗り場の手前にあるチケットオフィスの他、券売機で購入も可能。口コミでは現金しか使えないとの情報もありましたが、券売機にはクレジットカードのマークもあります。
運賃は、途中の青衣駅まで$70(≠980円)、終点の香港駅(中環)まで行くと$115(≠1,610円)も掛かります。往復購入や事前のネット購入、またICカードOctopusを利用すると若干割引にはなりますが、流石にこれはちょっと高いですよね…。※価格は為替レート等により常に変化します。
乗車券を購入したら、そのまま乗り場へ。この空港駅に改札や検札は無く、乗車券は降車駅でのみ必要となります。
エアポートエクスプレスの車内
Airport Exp.の車内は、2+2配列の集団お見合い式シート。今回は夜22時頃の利用でしたが、乗車率は2割程度と非常に空いていました。
シートは固定式でリクライニング機能は無く、テーブルやドリンクホルダー等も設備も無し。シートピッチも狭く、足元はLCC並の狭さで、私のスーツケース(機内持ち込みサイズ)すら入らない程です。
荷物棚はドア付近に4箇所、1車両あたり8箇所もあるので、大型スーツケースでもまず置き場に困る事は無いでしょう。
空港から青衣駅まではノンストップで12分。トンネルで耳がおかしくなる程飛ばしますが、車両性能がイマイチなのか揺れは日本の新幹線よりも大。何だか運賃が高い割に、あまり良いサービスでは無いというのが正直な感想です。
青衣駅で乗り換え
青衣駅で降りて改札を通り、今度はMTR東涌線へ乗り換えます。乗り換えは表示に従って進めば問題ありません。
奥運(Olympic)までは3駅。香港のMTRはホームドアがあって安全ですが、発車ベルも無く突然ドアが閉まるので、駆け込み乗車は止めておいた方が無難です。
MTRが無料で乗れる!
結局の所、空港から奥運(Olympic)駅まで掛かった所要時間は37分。青衣駅での乗り換えに少し時間を要しましたが、それでもまずまずのスムーズアクセスだったと思います。
運賃は$65。今回はAirport Exp.、MTRどちらもOctpusカードを利用しましたが、Airport Exp.の定価より$5割引された上、なんと乗り換えた先のMTRの運賃が加算されずに済みました!奥運駅の一つ先の九龍駅までAirport Exp.で行くと$100も掛かる事を考えると、これはかなりお得に利用できた事になりますね。
バス+MTRの場合
続いて、今度はバス+MTRの場合を調査。今回はこの方法を用いて、奥運(Olympic)駅から空港まで向かいます。
ルートとしては、先ずはMTR東涌線に乗って終点の東涌(Tung Chung)駅まで行き、そこからS1系統の路線バスに乗って空港へ。
奥運から東涌までの所要時間は25分、運賃はOctpusカード利用で$17.4です。
この東涌線はMTR(都市鉄道)でありながら、郊外へ出ると無茶苦茶スピードを出すのでビックリします!それこそAirport Exp.とそれほど変わらないくらい。
S1のバスに乗る
東涌へ到着したら、改札を出てB出口へ。出口を出た正面にある建物の中にバスターミナルがあります。
空港へ向かうS1系統のバス乗り場は、建物に入って一番手前。駅から最も近い所にあるので便利です!
時刻表を見てみると、S1のバスの運行時間は5:30~24:00。朝と日中は7~8分おき、夜は10分おきに出ている模様。空港までの間、途中の停車駅も幾つかある様ですが、今回乗った限りでは誰も乗降りせず、空港までノンストップ。
バスの車内/荷物棚もある
このS1バスですが、車両は香港市内の路線バスでもお馴染みのダブルデッカータイプ。日本ではまず見かけませんが、シンガポール等ではよく走っています。
座席数は上下階合わせて60席くらいあるので、座れない事はまず無いと思います。1階には荷物棚があるので、大きなスーツケースでも安心!ただ、通路が狭いので上段に上げる際はちょっと大変…。
尚、2階席にはモニターがあって、口コミによると1階の荷物置き場が映し出されるとの情報もあったのですが、この時は何も表示されず。1階にスーツケースを置く場合は、一応気をつけておいた方が良いでしょう。
空港でのバス乗り場
空港には13分で到着。奥運駅からのトータルの所要時間は53分でした。多少時間は掛かりましたが、東涌駅での乗り換え導線も短くて済むので体はとても楽ちん!
バスの運賃は$3.5、MTRと合わせて合計$20.9。※価格は為替レート等により常に変化します。
空港でのS1バス発着場所は、ターミナル1とターミナル2の間にあります。出発も到着も同じ場所なので、迷う事は無いでしょう。各ターミナルの表示(T1、T2)に従って進んで行きます。
逆に、空港から市内へ向かう場合は“Bus”の表示に従って地上階へと進んで行けばOK。バス停から出発ロビー(到着ロビー)までは徒歩5分ほど。
結果:両者の差は20分600円
と言う訳で、今回検証した2つのルートの所要時間と運賃は次のとおり。
- Airport Exp.+MTR→37分/$65
- S1バス+MTR→53分(+5分)/$20.9
両者の運賃差は$44.1(≠617円)なので、これを高いと見るか安いと見るかによると思いますが、個人的には安い方で十分だと感じました。荷物が多い場合等にはAirport Exp.の方が楽ですが、機内持ち込みサイズのスーツケース1つ程度であれば、バスの利用でも全然楽です。
複数人ならタクシーの利用もアリですが、九龍の市街地までおよそ$250~$300かかるので、2人程度ではちょっと躊躇してしまいますね…。※価格は為替レート等により常に変化します。
意外と使えるS1バス+MTRのアクセス方法、是非試してみて頂ければと思います。
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