燃油サーチャージ廃止はあるか?シンガポール・ケロシン下落に沸く海外旅行

原油の下落が止まりません。昨年10月5日に一旦1バレル50ドルまで上昇したWTI原油ですが、その後年末に向けて下落していき、現在1バレル37ドル付近で推移しています。

原油下落の大きな原因とされているのは、米国の原油輸出解禁との事ですから、それほど一時的なものでは無いと類推できます。このままの状態が続いた場合、WTIが1バレル20ドル台にまで下落を予想するアナリストも見受けられます。

12月のケロシン平均値は…

国際線の航空運賃とは別に科される燃油サーチャージの価格を決める「シンガポール・ケロシン」の値は、WTI原油の価格とは異なるものの、原油相場と平行して推移していきます。

筆者独自の調べでは、12月のシンガポール・ケロシンの平均値は「47.7ドル」。これに乗数となる12月のドル円の平均値「121.3円」をかけると5786円となり、JALやANAの燃油サーチャージ廃止の基準となる6000円を割り込む計算になります。

シンガポールケロシン 12月 2015年

このままの水準で推移すれば、今年の4月、5月発券の航空券に課されるサーチャージは廃止となり、昨年サーチャージ算出の計算式が改悪されて以来、漸くその恩恵に与る日がやってくる事になります。今年度は、これまでより2段階も値上げされたサーチャージの支払いを強いられており、早々の廃止が望まれます。

尚、海外旅行関連の為替水準に関しては【“円安”における海外旅行は辛い!! 為替相場から2016年の海外旅行計画を練る】の記事にも記載しています。

燃油サーチャージ奪還に挑むべきか

私は、この春に搭乗予定の欧州往復便JAL特典航空券(国際線)を「ゾーンC」のサーチャージで発券しています。往復発券の特典航空券は、往路の便を変更すれば“交換発行”となって、諸税等の運賃以外の金額が一旦リセットされるという特性がある為、燃油サーチャージの金額も交換発行された時の水準に変更されます。

既に発券された特典航空券でも、今度の4月や5月に交換発行を行えば、その時のサーチャージ水準が適用される為、既に支払った「ゾーンC」のサーチャージ28,000円が戻ってくる事になります。私の場合、4月や5月は搭乗直前となる為に空席も出易く、交換発行をするタイミングとしてはベストなものと認識しています。

JAL燃油サーチャージ対象表

しかし、ご承知の通りJALは昨年11月より国際線ビジネスクラス、ファーストクラスの必要マイル数を大幅に改悪しており、改悪前に発券した私が交換発行を行えば、現在のマイル水準との差額を支払わなくてはなりません。特に往路はファーストクラスを予約していますので、差額は20000マイル。1マイルの価値が高い事でも知られるファーストクラスの特典航空券に関して、28,000円の奪還に20000マイル消費というのは釣り合いが取れません…。

また、往復とも「曜日限定割引」対象外での日程の為、今回はサーチャージ奪還を諦める事にします。

運賃体系の変更はあるか?

以前【JAL燃油サーチャージを予測(2016年2~3月発券分)】の記事でも述べましたが、仮に4月以降燃油サーチャージが無くなったとしても、同時に運賃を値上げして帳尻を合わせる可能性があるため、JALをはじめとする各社とも、航空券購入の際の総支払額の大幅な値下がりは、あまり期待できないものと思われます。

ただ、特典航空券に関しては事情は異なりますから、2009年以来となる空前の発券ラッシュが訪れるのかもしれないですね。

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一方、昨日よりイランとサウジアラビアの外交断絶が騒がれていますが、原油先物は今のところは平静を保っている様に見えます。ただ、この問題が決定的になって紛争が起こる様な事があれば、原油急騰は避けられないと思います。

中東地域の原油大国である2国ですから、想定を超えた悪影響がアナリストの間で囁かれている様です。少なくともこの1月だけでも現状維持で推移すれば、4月はサーチャージ廃止となる訳ですから、ドル円共々平穏である事を祈って、見守りたいと思います。