今回は、ベトナム・ホーチミンで観賞した「水上人形劇」についてお伝えしたいと思います。これはベトナムに1000年も前から伝わる伝統芸能の一つで、ハノイとホーチミンにそれぞれ専用の劇場があって、人気の観光スポットにもなっている様です。
私は普段、海外で芸術鑑賞をする際には必ず日本からWebでチケットを手配して行くのですが、この時は現地で調達。誰でも気軽に入れてゆる~い感じ、そんなベトナムらしさも味わう事が出来ました。
ホーチミンの水上人形劇場
水上人形劇は、ベトナムの北部地方に11世紀から伝わる伝統文化の一つで、溜池など水の上で行われる人形劇です。ベトナムの重要な観光資源の一つになっていて、20年程前からハノイやホーチミンに劇場を建設して伝統芸能の興行に力を入れているのだとか。
私が訪れたホーチミンの劇場は、統一会堂のすぐ近くにあります。地下鉄もトラムも無いホーチミンなのでタクシーで向かうのが王道ですが、私は徒歩で向かいました。それでもベンタイン市場から15分ほどで着きます。
この水上人形劇場は、ベトナム語では「nhà hát múa rối nước rồng vàng」という名前ですが、ググッてみても公式HPらしきページがなかなか見つかりません。地球の歩き方には「ロンヴァン水上人形劇場」となっていますが、英語だと「The Golden Dragon Water Puppet Theater」と言うそうで、これを訳すと“ゴールデンドラゴン水上人形劇場”、いかにも“ベトナム”といった感じの名前ですね。
チケットブースで当日券を購入
入口横のチケットブースで当日券を購入します。Webサイトが見つからないので事前予約は叶いませんでしたが、開演30分前での購入でも余裕で買う事が出来ました。但し、希望の座席を選ぶ事は出来ず、チケットブースの人が勝手に選んだ席に座る事になります。
チケットブースの掲示を見ると、この日の公演は17:00と18:30の二回のみ。日によっては3回公演の日もある様ですが、基本的に夕方に2回のみが一般的の様です。今回は18:30の公演を鑑賞します。
チケット価格は16万ドン≒820円。年々値上がりしているそうですから、現在ではもう少し上がっているかもしれません。
やや年季の入った客席
中へ入ると、その辺の市民文化会館の小ホールといった感じの造りで、華やかさ等はありません。写真を撮っていませんでしたが、おみやげ等の物販スペースもありました。
客席は200名弱ほどのキャパシティ。舞台に向かって傾斜がかかっているので、後ろの席でもそれ程見え難い事は無いでしょう。私に割り当てられた席は、やや後方の一番右端。開場の時点ではそれ程でもありませんでしたが、開演時には満席近くになっていました。日本人(女性ばかり)の姿もチラホラ~
劇場は結構年季が入っている感じですが、シートの造りも古く、深く座ると後ろに倒れてしまいます。
所要時間45分の人形劇
予定通り18:30に開演。水上人形劇は水面を地面に見立てており、緑色のスダレの後ろに人形遣いが居て、長い竿を使って人形を操っているのだそう。初めの内は、この濁った水に潜って操作しているのかと少し心配しましたが、人形遣いが水に浸るのは腰の高さくらいまでなんだとか。
舞台の両脇には3名ずつ、計6名の演奏者が居て、楽器の演奏と歌、そしてベトナム語で語りを入れながら物語が進行します。コメディ的な要素が強く、辺りからは笑い声も聞こえてきますが、何を言っているのか分からないのが多少残念な所。
でも劇の最後には龍の人形が火花を散らすシーンもあったりして、なかなか興味深い内容でした。最後には人形遣いのキャストが出てきてご挨拶。人形遣いは合計6名でした。
今後の発展に期待
水上人形劇を観賞した感想を述べると、ベトナムの伝統を肌身で感じるには良いと思います。多言語に翻訳されたパンフレット(日本語もアリ)もありましたが、あまり詳しい解説は載っていませんでした。これがいずれヨーロッパのオペラ座の様に、電光掲示板にリアルタイムで翻訳が出る様になればと、期待を寄せています。この水上人形劇は、過去に日本(横浜)でも公演が行われたそうで、ベトナムの力の入れようが窺い知れますね。ホーチミンの劇場は、1990年代に建てられて年季の入った建物でしたが、観光客の入場料収入が安定すれば改修されて綺麗になる事も期待できるのではないでしょうか。
以上、ホーチミンにある「ロンヴァン水上人形劇場」についてお伝えしました!その他、ベトナム・ホーチミンに関する情報や観光スポットについては、コチラをご覧下さい→ベトナム・ホーチミン 一覧