ベトナム-ハイフォンの街で、少し親切にしてくれた一人のオッサン。「観光案内をしてあげるから…」と言葉巧みに誘い、後で対価を請求するという典型的な詐欺師でしたが、今回試しに騙されて付いて行ってみる事にしました!
オペラハウスの案内人?
事の始まりは、ハイフォン・オペラハウス。この日オペラハウスは特別行事のため一般には公開されていなかったのですが、せめて外観だけでも観ようと思ってオペラハウス前をうろついていた所、一人のオッサンと目が合いました。
「オペラハウスの中が見たいなら見せてあげるよ」とカタコトの英語(殆ど何言っているか判らない…)で話しかけてきて、半ば強引にオペラハウスの中へと案内。
私はこのオッサンがオペラハウス専属の人で、公的に観光案内を行っているものだと信じて疑わず、そのまま身を委ねてオペラハウス内を見学。一般公開されていない日にオペラハウスの中に入る事が出来てラッキー、とさえ思っていました。
勝手に観光案内を始める
オペラハウスを見学後、私がオッサンにお礼を言って立ち去ろうとすると、「あっちに大きなスーパーマーケットがあるからおいで」と言って、またもや強引に別の場所へ連れて行こうとします。この時点で、このオッサンが何となく怪しいなと感じ始めていたのですが、見た感じひ弱そうで、万が一ガチンコになっても勝てると思い、いつでも逃げられる体勢を整えつつ、暫く付いて行く事にしました!
頼んでもいないのに、行く先々で色々な解説をするオッサン。市場を歩いて「こんな果物もあるんだよ」みたいな事を、英語で一生懸命解説してくれるのですが、ゴモゴモと何を言っているのかサッパリ!
時には、民族楽器を売っている所で実演する場面も!ただ、何か商品を勧められて買わされる様な事は無く、ただひたすら観光案内を続けるオッサン。
オペラハウスからひたすら歩かされる事20分以上、ついには「サット市場」にまで来てしまいました!それでも尚、オッサンの熱意ある案内は止まらず、私もいい加減に疲れてきました…。
金をよこせとせがんで来る
サット市場を出てまだ案内を続けようとしたので、別れる口実として「ハノイへ戻らねばならない」と伝えた所、今度は勝手にタクシーを捕まえようとする始末。
もういい加減にしてよと、私が礼を言って離れようとした所、彼の薄汚い手が延びてきて、ニコヤカに「マネー」の一言!
こうなる事は予想はしていたので、ポケットに忍ばせておいた10,000ドン札を渡したら、いきなり不機嫌になって突き返されました!いくらベトナムとは言え、やっぱ50円なんかじゃ満足してくれなかった…。
オッサンの要求は“300”、つまり300,000ドン(≠1,500円)よこせと言われたので、大きな声でNo!
私が振り切って歩き出したら、「あ~ぁ、疲れたなぁ~」などと言いながら暫く付きまとわれたので、警察呼ぶぞ!と2回くらい大きな声で怒鳴ったら、ようやく離れて行った詐欺師のオッサン。
疲れたなぁだなんて、散々歩かされてこっちの方が疲れたわぃ!
分かっちゃいるけどハメられる
今回の手口は、勝手に観光案内をして後で対価を求めて来る、というどのガイドブックにも書いてある様な典型的な詐欺の一例でしたが、その入口は、オペラハウスにどうしても入りたいと思う私の儚い望みに付け込んだ、実に巧妙なものでした。
今回の様にひ弱なオッサンでも、後で怖い人が沢山出てきて脅される可能性も十分に考えられますから、試しに付いて行くなんて、良い子と良い大人は決して真似しない様に(笑)!
少しでも親切にされると、どうしても相手の要求を聞いてあげたいと思うのが人の性ですが、詐欺に対して“失礼”なんて事は一切無い訳ですから、強い気持ちで断る事が大切!皆さんも、海外旅行では十分に注意して頂ければと思います。
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