プーランクの著作権を調べてみた。70年ルール適用時期による明暗を探る

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フランスの近現代作曲家Poulenc(1899~1963)は、歌曲やピアノ曲を多く残した作曲家ですが、その作風は短いフレーズながらもテンションコードの多い和声が特徴で、私の好きな作曲家の一人です。

今からおよそ2年前、プーランクが没後50年を迎えた2013年の末をもって、50年ルールにおける彼の著作権はが切れて、作品を自由に扱える様になると思っていました。しかしながらプーランクの主な作品の多くは戦中や戦前に書かれたものが占めており、「戦時加算」を加えると大半の作品が未だ「著作権保護期間」が継続しているのが実状の様です。

プーランクの主な作品における著作権保護期間

プーランクの主な作品の著作権保護期間をピアノ曲を中心にまとめてみましたが、「ノヴェレット ホ短調」など晩年に書かれた作品に関しては、彼の没後50年の末をもって終了しますが、「ピアノ協奏曲」など戦中、或いは「ナゼルの夜会」など戦前に書かれた作品に関しては、未だ保護期間が継続しています。現行の50年ルールにおいて、プーランクの著作権が全て無くなるのは2024年という事になります。

TPP交渉締結後の法改正による保護期間延長

前回の記事で述べましたが、長らく行われていたTPP交渉では、著作権保護期間を現行の50年から70年への引き延ばしが議論されていましたが、どうやら70年に延長される事が決まった様です。この内には、日本だけに課されていた「戦時加算」は解消となるものの、プーランクの作品に関しては、一律2033年末まで著作権が保護される事になります。

著作権の復活は無い模様

そこで気になるのは、現行の50年ルールによって近年に著作権切れとなった作品の取り扱いについてですが、既に著作権が切れた作品に関しては70年ルール適用後も著作権が復活する事は無いそうです。つまり、「ノヴェレット ホ短調」の他、2013年に著作権切れとなったプーランク晩年の作品については、今後著作権が再適用される事は無いという事になります。

改正法の施行はいつか?

しかし心配なのは、これから著作権切れを迎える作品への適用についてです。例えば「シンフォニエッタ」は2017年中に著作権切れを迎えますが、それまでに70年ルールによる新・著作権法が施行されてしまうと、たちまち2033年まで先延ばしされてしまいます。

著作物2

新法の施行は2年後あたりが有力とされていますから、「シンフォニエッタ」辺りまではギリギリ間に合う事と思います。しかし1945年に作曲された「子象ババールの物語」などは絶望的です。また、私が個人的に好きな「ピアノ協奏曲」は、今年中に著作権切れとなる見込みですが、戦前に書かれたピアノ小品の数々は、やはり2033年まで待たなくてはならないでしょう。新・著作権法の施行は、一日でも後になる事を願って止みません。


なお、プーランク作品の作曲年次に関しては、コチラの書籍を参考にしました。初版からまだ2年余りしか経っておらず、恐らくプーランクの伝記の中では最新のものかと思います。ご興味ある方はチェックしてみて下さい。


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