プーランク≪シンフォニエッタ≫スコアがIMSLPで無料公開されている事について

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1963年に亡くなったフランスの作曲家F.Poulenc。飾らない自由な発想で醸し出す順次進行のメロディーラインと、テンションコードを多く用いた和声が特徴で、私の好きな歴史的作曲家の一人ですが、西洋音楽史上で「近現代」に部類される彼の作品の楽譜は、ベートーヴェンやモーツァルトと違って手に入れるのに苦労する作品もまだまだ残っています。

一般的に著作権の切れたクラシック作品の楽譜はIMSLPで無料公開されていますが、2013年に没後50年を迎えたプーランクの作品に関しても、少しずつ公開が進んでいる様です。その中でも特筆すべきなのが、管弦楽作品の≪シンフォニエッタ≫。IMSLPのプーランクのページを見てみると、既にフルスコアが無料公開されていて、誰でも自由にダウンロード出来る状態になっています。

シンフォニエッタ ダウンロード

しかし1948年作曲のシンフォニエッタの著作権に関しては、日本では独自の「戦時加算」がある関係で、保護期間はあと一年程度残っているはずです。

プーランクの主な作品における著作権保護期間

他の諸外国で50年ルールを適用している国では、既に著作権は切れていますので問題無いのだと思いますが、これを日本においてダウンロードすると、違法になってしまうのかもしれませんね。私は既にポケットスコアを持っているので、ダウンロードの必要はありませんが…。

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思えばシンフォニエッタのポケットスコア(Chester Music版)は、今でこそ5~6,000円程度で買える様になりましたが、2010年頃はYAMAHAで1万円を遥かに超える様な高値で売られていました。

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当時私は大阪のササヤ書店で7,854円で手に入れる事が出来ましたが、それでも他のポケットスコアと比べると目が飛び出る程の高値であり、大きな出費でした。これが無料公開されたとなると、出版社などから反発は無いのでしょうか?

尚、その他ネット通販からでも手に入る様ですが、在庫状況は時期によりけり。こういう物の需要は先細りでしょうから、手に入れるなら少しでも早い方が良いかもしれません。

高額な演奏使用料

ポケットスコアこそ手軽に買える様になったシンフォニエッタですが、例えばこれを今コンサートで演奏するとなると、高額な演奏使用料が発生します。

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私が以前事務所に勤めていた際、このシンフォニエッタを取り扱う機会があったのですが、その時の高額な使用料に驚きました。

著作権が切れる前の作品を演奏する為には、スコアおよびパート譜などの楽譜一式を、その権利を持っている出版社からレンタルする必要があるのですが、その時のレンタル料は実に90,000円!しかもこれ、本番を1回こなすごとにかかる料金で、例えば3回本番の公演ですと270,000円になります。

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当然“レンタル”ですから、楽譜一式は演奏が終わったら速やかに返却する必要があり、当然ながらコピーも認められていませんから、後には何も残りません。中にはバレエの編曲もの(レ・シルフィードなど)で1回100,000円を超える様なものもあるみたいですから驚きです。

シンフォニエッタは来年にも著作権が切れて、他社からプリント譜が出てくる様になれば、もう少し手ごろな価格になってくるのではないでしょうか。一般の音楽愛好家が気軽に安心して演奏し、それを披露できる様に早くなって欲しいと願うばかりです。


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