このブログでは、2ヶ月に一度更新される燃油サーチャージの価格を、JAL・ANAの発表前に独自観測によって予測する試みを行っています。これまで毎回2ヶ月おきに予測を公表してきましたが、前回(8月1日)はサーチャージの価格が変わらなかったので公表しませんでした。
今後も、サーチャージが値上げあるいは値下げされる場合に限り、記事にしたいと思っています。尚、過去の燃油サーチャージ予測一覧はコチラ。
ケロシン価格は既に「ゾーンC」目前
今年12月~2018年1月に発券する場合の燃油サーチャージは、今年8月~9月のシンガポールケロシンおよび米ドル/円の価格によって算出されます。
以前はケロシンの価格(ドル建て)だけで決まっていましたが、長らく続く円安傾向を懸念してJAL(後にANAも)が為替変動によるファクターを導入。円建ての価格で決まる様になり、その結果1ドル=100円以上の円安水準においては、以前よりもサーチャージが値上がりするシステムになってしまいました。
さて、そのシンガポールケロシンとドル/円における8月~9月の値動きを見てみると、ケロシンは8月17日に底値をつけた原油価格の下落に伴って一時は6,700円台にまで下落。その後、レンジの下抜けに失敗した原油価格は上昇し、それに伴ってケロシンも右肩上がり!ドル円の一時的な下落によって9月の上旬まで上昇幅は抑えられたものの、最終的には8,000円の手前まで価格の高騰が進んでしまいました。この先、2ヶ月の平均が8,000円を越えると、燃油サーチャージはゾーンC。ヨーロッパ往復で21,000円となり、現在(10月)の3倍となってしまいます。
2017年12月~2018年1月発券のサーチャージ
それでは、2017年8月~9月のシンガポールケロシンおよびドル円の平均価格から、2017年12月~2018年1月発券のJAL・ANA国際線運賃に付加される燃油サーチャージを予測していきます。
8月~9月「ケロシン」平均値…65.4ドル(a)
8月~9月「米ドル/円」平均値…110.3円(b)
(a)×(b)=7,213円(※筆者独自観測、端数切捨)
2017年12月~翌1月発券の国際線航空券に課される燃油サーチャージ
→ゾーンB(1段階値上げ)
※参考:欧州往復7,000円→14,000円
残念ながら、現行より1段階の値上げです。そして上記の通り、円建てのシンガポールケロシン価格は既に8,000円目前。原油・ドル円ともこのまま上昇基調が続いてしまえば、来年2月以降は更なる値上げも避けられそうにありません…。
原油の下落は期待薄、でもドル/円は下落?
原油に関しては、Opecの減産が来年3月まで延長される可能性が濃厚になったというニュースもあり、今後の下落は期待薄。しかしドル/円に関しては、今月に行われる衆院選や北朝鮮情勢に加え、本日行われるスペインのカタルーニャ地方の独立賛否を問う住民投票の結果など、まだまだ不安定要素は沢山あるので、これらが上手い具合に円高圧力になってくれれば良いんですけどね。
私としては、来年2月に特典航空券発券の予定がある為、これ以上の値上げは何としても避けて欲しいと願うばかり…。