国際線の航空運賃に付加される「燃油サーチャージ」は、2ヶ月に一度その価格が改定されます。原油価格が暴騰していた数年前には、60,000円の航空運賃に対して50,000円のサーチャージが課せられた事もあり、加えてその不透明な運賃体系に多くの批判が寄せられています。
当ブログでは、独自の調査に基づいてシンガポールケロシンと米ドル/円の平均値を割り出し、JALやANAの正式発表前に予測する試みを行っています。
ケロシン価格は横ばい
この2ヶ月(8月~9月)のWTI原油の価格は、下は$39台から上は$49とおよそ$10の値幅があったものの、全体を通しては$45水準を挟んでの値動きに終始していました。
それに伴ってシンガポールケロシンも$55付近でのレンジ水位となって、急騰も暴落も起こらずに静かな値動きが続いていました。直近はOPECの減産合意で原油の急騰を心配しましたが、結局は大きな値動きにならずに済んだので一安心!このまま冷静さを保って、ジリに上がって行かない事を願うばかりです。
暴騰するか100円を割るか
次に米ドル/円の値動きを見てみると、こちらもここ2ヶ月は完全に膠着。ドルを売って円を買う円高勢力と、ドルを買って円を売る円安勢力とが拮抗している状態です。
注目は、8月16日の安値99円51銭。これまで6月24日から計4回に渡って100円割れにトライしましたが、ことごとく跳ね返されてきました。こうなると、そろそろ100円トライに失敗して円高勢が諦めて撤退し、105円あるいは110円付近まで円安が進むのではないかとの見方も、アナリストの間では出てきている様です。
政府日銀は是が非でも円安に持って行きたいらしく、米ドル/円が瞬間的に100円を割り込むものなら、すぐさま関係者を集めて会合を行い円高をけん制、また口先介入を行って更に売り込もうとする円高勢を警戒させます。この様な理由もあって、ドル円はなかなか101円付近から下がって行かない状態が続いているのです。
燃油サーチャージ2016年12月~2017年1月発券を予測
燃油サーチャージは、原油価格から算出される指標「シンガポールケロシン」の価格と、米ドル/円の平均価格との積で決定されます。JALやANAの正式発表は今月の10日ごろですが、独自の算出方法によって割り出し、予測してみます。
8月~9月「ケロシン」平均値…54.2ドル(a)
8月~9月「米ドル/円」平均値…101.5円(b)
(a)×(b)=5,503円(※筆者独自観測、端数切捨)
2016年12月~2017年1月発券の国際線航空券に課される燃油サーチャージ
→適用なし(継続)
燃油サーチャージの事だけを考えれば、為替も原油価格も今の水準が続けば良いなと思うのですが、海外旅行全般を考えるとまだまだ円安水準ですよね。欧州通貨は割安なものの、米ドルはせめて90円台に入らないと割安感はありませんし、香港ドルやシンガポールドルなどアジア通貨も堅調推移で依然割高ですから、購買意欲が湧いてきません。
例年、年末は円安方向へジリジリと上がっていく傾向にありますから、年末年始を海外で過ごす予定のある方は両替時期に注意した方が良いかもしれませんね。原油価格についても注意深く見ていこうと思います。