“卒業旅行”の行き先は決まっていますか?アベノミクス相場でも「円安」とは限らない!

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卒業旅行シーズンに向けた話題として、今日は“為替”について記事にしたいと思います。

先週の金曜日、為替の値動きはちょっと意外な動きを見せました。米国の雇用統計「非農業部門雇用者数」が22:30に発表され、市場予想を大きく上回る結果を受けて米ドルは一時的に急騰したものの、その後原油と共にNYダウが下落した事で、終盤にかけて米ドルも売られて行きました。

米雇用統計

各国の原油政策の元で下げ止まらない原油価格は、予想以上にリスク回避の傾向を強めており、年明けから予想外の円高が進んでいます。これから卒業旅行シーズンを迎える学生の方にとって、少しでも円高傾向になる事は朗報だと思いますが、ここ数年に渡るアベノミクス相場によって、まだまだ高い通貨もあります。

以前【“円安”における海外旅行は辛い!!為替相場から2016年の海外旅行計画を練る】の記事でもお伝えしましたが、香港ドルは未だ以前の1.5倍の水準を保っていますから、なかなか財布の紐も固くなってしまうのではないでしょうか。

樋口

その一方で、オセアニアやカナダ等の資源国通貨は、原油下落の影響をモロに受けて下落基調にありますから、一概に「今は円安だから」と決め付けてしまうのは時期尚早です。日銀による「円安」政策によって、ここ3年間で「円」の価値がどの程度下落したのか、世界の主要通貨の為替チャートで改めて見てみる事にします。

過去3年間における主要通貨の為替レートの推移

オージー アベノミクス前との比較

これは豪ドル/円(円に対するオーストラリアドルの価格)の月足チャートです。2012年11月の終値は、1豪ドル86円。直後から始まったアベノミクス相場によって、1豪ドルは一時105円にまで上昇後、特に昨年秋から始まった原油下落の影響に伴って下降トレンドに入り、先週の終わり値は81.6円。遂にアベノミクス相場以前の価格に戻ってしまいました。

カナダ アベノミクス前との比較

同じ事が言えるのがカナダドル/円。こちらも先週末の終値である1カナダドル82.8円という値は、2011年11月の終値(82.9円)を下回っています。イエローナイフ等、オーロラ鑑賞旅行を計画されている方にとって朗報なのではないでしょうか。

ユーロ アベノミクス前との比較

コチラはユーロ/円のチャート。昨年のピーク時より1割程度下落しているものの、2012年11月と比べると2割高い水準を保っています。ユーロは、昨年より利上げ観測によって上昇基調にある米ドルとは対照的な通貨として捉えられながらも、リスク回避として円と同様に昨年後半より買われ易い通貨であったため、円に対してはそれほど下落していません。

とは言え、現在の1ユーロ130円付近というのは、2008年リーマンショック後と変わらない水準ですので、ある意味“適正価格”であると思っています。過去には1ユーロ160円を付ける時期もあっただけに、130円を下回るとかなりお得な水準に思えてきます。

しかし、ユーロも円と同様「量的緩和」政策真っ只中である為、年々物価上昇基調にありますから、それを加味するともう少しお得になって欲しいと思う次第です。

ポンド アベノミクス前との比較

そしてこちらはポンド/円。リーマンショック以前は1ポンド240円なんて時代もあった事を考えると、こちらもユーロ同様適正水準に近づいてきている気がしますが、ただでさえ物価の高いイギリスですから、せめて150円くらいにまで下落してもらえると、楽しい旅行が出来るのではないでしょうか?

英国の金融政策に関しては、現時点では不透明な部分も多く、今後どの様な値動きをするのかアナリストの間でも意見が分かれていますので、何とも言えない状況です。

ドル円 アベノミクス前との比較

最後に米ドル/円のチャートを改めて見ると、上昇トレンドが未だあまり崩れていない事が分かります。大企業の「今期想定為替レート」が119円40銭である事から、政府日銀は是が非でもこの米ドル/円の“数字”を上げようと試みますので、この米ドルに関しては今後も大きな下落は期待できないものと思われます。

まとめ

  • 豪ドルとカナダドルは「円安」政策以前の水準で安い
  • 米ドルは高止まりで今後も大幅安は期待できない
  • ユーロ、ポンドはやや高めだが許容範囲

各国の物価水準もあるので一概には言えませんが、今の時期は「米ドル」と「香港ドル」さえ除けば、それほど“通貨高”を気にしなくて良いのではないでしょうか。ちなみに東南アジアで人気のシンガポールドルの現在値(81.3円)は、2012年11月の66円に比べて2割高であり、物価上昇基調も相成って、少し厳しいお財布事情となりそうです。

「円安」を懸念して海外旅行を控えていた方もいらっしゃると思いますが、国によっては必ずしもそうではないという事がお分かり頂けると思います。その点も踏まえて、旅行の計画を練られてはいかがでしょうか?

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