本日4月1日より、JALをはじめ多くの航空会社で燃油サーチャージが廃止となっています。一時期は欧州往復で6万円も取られていたサーチャージですが、原油下落の恩恵によって遂に廃止となりました!
これまで当たり前に毟り取られていたサーチャージですが、本来は“原油が高すぎるから負担をお願いする”はずだったものが、何時しか航空運賃とセットになって定着してしまいました。このまま原油が適正水準を保ってくれれば良いのですが、オイルマネーで潤っている地域からしてみれば面白くないのは確かで、執拗な投機マネーがまた流入してくるのも時間の問題かもしれません。
2月~3月の「シンガポールケロシン」と米ドル/円の動き
2月の初旬、WTI原油は1バレル25ドル台と、2003年以来となる安値をつけて下値を試す展開になりながらも、その後OPEC減産の方向に向けた協議について報道がなされた事などから、3月中頃にかけて40ドルを超えるまでに上昇。それに伴い、シンガポールケロシンは50ドル手前まで急騰しました。
3月中旬以降、WTI原油は落ち着きを取り戻して30ドル台に下落したものの、ケロシンは下げ渋り、依然として高い水準のまま推移しています。
一方、これまで120円付近で推移していた米ドル/円ですが、日銀によるマイナス金利導入決定直後の急騰から112円水準にまで下落、その後は同水準を挟んだ狭いレンジで推移しています。
6月~7月発券の燃油サーチャージ
それでは、今月10日頃に発表されるJAL燃油サーチャージ(6月~7月発券分)の価格を、2月~3月のシンガポールケロシン価格の推移と、米ドル/円の動きから予測していきます。
2月~3月「シンガポールケロシン」平均値…44.4ドル(a)
2月~3月「米ドル/円」平均値…113.75円(b)
(a)×(b)=5,051円(※筆者独自観測、端数切捨)
2016年6月~7月発券の国際線航空券に課される燃油サーチャージ
適用なし(継続)
シンガポールケロシンは急騰したものの、ドル円の下落によって、円換算での上昇は抑えられました。ただ、これから先夏場にかけては、季節柄リスクオン相場になり易く、ちょっとしたきっかけによって円安方向へ振れ易いのも事実です。
また、5月末に迫る伊勢志摩サミットに向けて、政府から何らかの経済政策が打ち出される可能性を示唆するアナリストも多く見られ、それによって一旦は円安方向に、という意見も聞こえて来ます。
原油、およびドル円に関して、ちょっと先が見えて来ないですが、いずれにしても7月までの4ヶ月間は燃油サーチャージが適用されない事はほぼ確実ですので、海外への渡航を検討されている方は、一枚でも多く発券してしまいたいものですね。
※これまでの燃油サーチャージ予測はコチラ