JAL燃油サーチャージ(2016年4月~5月発券分)を予測。航空運賃の値下げは期待できるか?

先週末は、ついに日銀の「追加金融緩和(黒田バズーカ第3弾)」が行われましたね。そんな「外貨」の価格急騰が懸念される傍ら、原油価格は順調に下落を続けており、海外旅行を計画する者にとっては良いニュースと悪いニュースが重なり合う、何とも複雑な心境です。


国際線の航空券に「運賃」とは別に科される「燃油サーチャージ」の価格に直結する「シンガポールケロシン」の値は、原油価格と共に急速な下落が続いていました。昨年12月1日には54.9ドル、それが年明けまでに10ドル以上下落し、今年に入っても勢いは止まらず、1月21日には32.2ドルの値をつけました。

その後は一旦調整が入って下落に歯止めがかかり、先月末(1/29)は40.6ドルまで反発しましたが、実にリーマンショック直後の水準にまで下がってきました。つい1年半ほど前に“100ドル”なんて値がついていたとは、今からすると信じられませんね。

JAL燃油サーチャージ対象表

さて、そんな2015年12月~2016年1月のシンガポールケロシンの値から、2016年4月~5月発券の燃油サーチャージを予測していきます。

12月~1月「シンガポールケロシン」平均値…43.1ドル(a)

12月~1月「米ドル/円」平均値…120.0円(b)

(a)×(b)=5172円(※筆者独自観測、端数切捨)

2016年4月~5月発券の国際線航空券に課される燃油サーチャージは廃止

多くのニュースやコラムで「サーチャージ廃止か?」と囁かれていますが、現行の基準が続く限りでは、今度の4月以降の燃油サーチャージ廃止はほぼ確実でしょう。かのルール変更により4ヶ月遅れとなりましたが、漸くその恩恵にあずかる時が訪れそうです。

今後の燃油サーチャージ復活の基準は?

以前、2009年に燃油サーチャージが一旦廃止されましたが、その後すぐに値を戻し、大きな調整も無く100ドル超まで舞い戻った事は記憶に新しいと思います。当時は「米ドル基準」であった為、例え100ドルでも「ゾーンE」で済みましたが、「米ドル/円」が120円の現在では「ゾーン」が2つ進む事になりますし、日銀の「追加緩和」も発動された今、少しの原油価格上昇でも大きな痛手となりますね。

果たしてこの先、「シンガポールケロシン」が何ドルへ上昇した時に燃油サーチャージが復活するのか?仮にドル/円が120円~125で推移するものとして、中央値の122.5円を2ヶ月の平均とすると、サーチャージ廃止の基準となる6000円を上回るボーダー値は49ドル(端数切り上げ)となります。

つまり、今後シンガポールケロシンの値が49ドルを上回る日が続けば、再び燃油サーチャージが復活する恐れが出て来るという事になります。これは「WTI原油」でいうと40ドル付近の水準ですから、先月末にWTI原油が33ドル台に乗せて終わったところを見ると、次回(6月~7月発券)への“サーチャージ廃止”継続は早くも黄色信号が点るかもしれません。

サーチャージ適用基準の変更はあるか?

サーチャージ廃止の予測に浮かれる中、「4月」は色々と制度改正などが相次ぐ時期でもありますので、各航空会社とも“強か”なルール変更を行ってくる可能性は否定できませんね。

例えば、燃油サーチャージ廃止の基準が1,000円値下がりし、今の「6000円未満」から「5000円未満」へ改悪されるとか…。そうなると、途端にサーチャージ廃止の夢は絶たれます。「60ドル未満」が「6000円未満」へと「円換算」に改悪された時も「まさか!?」と驚きましたから、そんな心臓に悪い魔のサプライズが無い事を祈る他ありませんね。

一時に比べると、格段に安くなった国際線の運賃ですが、更にお得な旅が出来る様になる事を祈りつつ、航空会社の発表を待ちたいと思います。