【原油下落】遂に歯止め!?“ケロシン”8月の平均値は57.2ドル

航空運賃とは別に徴収される「燃油サーチャージ」の値の目安となる「WTI原油」の価格は、その世界的な需要の減衰等によって下落基調にありましたが、3営業日前から急激な上昇に転じています。原因はOPECが将来的に減産の可能性がある事を示唆した為だとか…。


今年6月からの一辺倒による下落に対する「調整」に留まれば良いのですが、ここ一年漸く適正水準に近づきつつある原油価格が再び上昇となれば、今後海外旅行への道がまた遠のいてしまう事でしょう。

8月の下落は一時的なものか?チャートから分析

それでは直近のWTI原油価格を、信頼のおけるチャート公開サイト「hart park」で、ローソク足(月足)によるチャートから分析してみます。WTI原油は8月に一時37ドル台にまで下落しましたが、その後OPECの示唆による価格高騰が、ちょうど月末の「終値」をつけるタイミングと重なった為、結局8月の終値は48ドル代となり、37ドル台という価格はおよそ10ドルもの長い下ヒゲとなってしまいました。

原油8月の下落 月足

ローソク足の“ヒゲ”は、急激かつ一時的な価格変動による“実態の無い価格”との意味合いが強く、折角の37ドル台までの下落が意味の無いものになってしまいました。これにより原油先物の投資家達は、現在の47ドル付近が底値であるとの認識が強くなり、これ以上の売り圧力がかかり難くなる事が予想されます。

本来ならば燃油サーチャージ廃止。ケロシン価格

信頼のおけるマーケット情報サイト「MARKET PERSPEC TIVES」に掲載されているシンガポールケロシンの価格から算出した8月の平均値は「57.19」ドル。このまま行くと、本来であれば12月発券からの燃油サーチャージは廃止されるはずでした。

しかしご承知の通り、JAL&ANAの強かな戦略によって米ドルの為替水準が反映され、8月の“米ドル/円”平均値(日足21日線より算出)「123円」を掛けて「7036円」となってしまう為、サーチャージの適用条件表のゾーンBとなり、本来の「廃止」より2段階も値上げされた形になります。これは欧州往復で14000円の差となります。

現在米ドルは、金融政策によって世界で一番値上がりしている通貨であるが故に、これに照準を合わせ、しかも「1$=100円」という歴史的に見てもかなり円高寄りの水準を基準とした「適用条件表」の改悪を、「公平かつ透明性の高い」と言って押し付けられている訳です。この先、万が一1$=100円を割る様な事があった場合、彼らがどの様な対応を取るのか、見てみたいものです。

旅行者の懐を大きく左右するシンガポールケロシン価格、9月もその値動きから目が放せませんね。