来月3月9日、インドネシアおよび北太平洋地域では、奇跡の天体ショー「皆既日食」が見られます。太陽と月が織り成す奇跡の天体ショーは、「金環日食」も含めると概ね毎年1回~2回、世界中のどこかで見られる訳ですが、日本でも数年前話題になりましたね。
私は2009年の皆既日食、および2012年の金環日食は、共に撮影にチャレンジし、金環日食は成功したものの、2009年の皆既日食は悪天候に苛まれて見る事さえ敵わなかったという苦い思い出があります。
皆既日食は金環日食と違って太陽の光が完全に隠され、その周りの「コロナ」が成す幻想的な光景を見る事が出来るので、金環日食よりも数倍見る価値はありますから、是非一度この目で見てみたいと思うのです。
2020年までに起こる世界の皆既・金環日食
これから先、2020年までに世界で見られる皆既・金環日食の日程と地域を見ると、来月のインドネシアの次に見られる皆既日食は2017年のアメリカ、そして2019年と2020年のチリ・アルゼンチンへと進みます。海外での撮影を考えると、やはり気になるのは“治安”です。こうして近年で見られる地域を見ていくと、比較的治安の安定している地域はかなり限定されてしまいますね。金環日食を含めても、残る地域はUAE、中国、台湾くらいでしょうか…。
因みに、次に日本で見られる皆既日食となりますと、2035年9月2日(北陸から関東北部)という事になりますから、到底待っていられませんね。
2017年8月21日のアメリカ
それではここで、この先の皆既日食の観測場所についてアメリカ・チリ・アルゼンチンを見て行きたいと思います。
国立天文台HPによると、2017年の皆既日食はアメリカ合衆国を西海岸から東海岸に向けて横断するルートになっています。
この地域の中にある主要都市を見てみると、カンザスシティ、セントルイス、ナッシュビル、チャールストン。アクセスは比較的し易いものの、地下鉄が走る様な大都市は一つも入っておりません。
アメリカは車社会の為、ニューヨーク等の地下鉄の発達した大都市以外では、タクシーやレンタカーを使わない限り旅行者の行動範囲はかなり狭まってしまいます。私は国際免許証を持っている訳ではないので、タクシー主体の現地移動となると、日食鑑賞以外での観光は限定的となりそうです。
2019年および2020年のチリ・アルゼンチン
2017年のアメリカの次の皆既日食は、南米チリ・アルゼンチンで2年連続となります。
2019年7月3日の皆既日食帯を見てみると、アルゼンチンの首都「ブエノスアイレス」を掠めています。観光産業も盛んな事から、この街が日食鑑賞旅行のメインとなるかと思います。真冬の7月ですが、日本よりも温暖な気候で雪の心配も少なく、鑑賞には適しているかもしれません。
ただ、ブエノスアイレスの街中では皆既日食帯から外れる為、数十キロ離れた南部の郊外へ移動する必要があります。また、皆既日食となる時間帯が日没手前である事から、日の入り前の雲に遮られる心配も否めません。
2020年12月15日は、時間帯こそ日中となるものの、観光に適した都市が日食帯の周辺に見つかりません。スペイン語が堪能な方であれば、田舎町まで入って行けなくもないと思いますが、英語すら生半可な私にはハードルが高いです。
唯一、街らしい街ではチリの「テムコ」が含まれています。ホテルはある程度揃っている様ですが、英語の通用度はどうなんでしょうか?
以上を鑑みると、やはり来年のアメリカで勝負を決めるのが良さそうです。皆既の継続時間がやや短いのが欠点ですが、それでも英語圏の都市にいながらにして見る事が出来る事は、何よりも大きな利点ですね。実際に行くとなると、早くも今年の秋頃から飛行機などの手配が始まりますから、早々に計画を立てようと思っています。
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