JALやANAの国際線航空券に付加される忌々しい税金「燃油サーチャージ」。昨今の原油価格暴騰によって、今年8月以降、更に値上がりする可能性がある事が分かりました。
当ブログでは、これまで燃油サーチャージの値を毎回独自の調査によって予測・算出する試みを行ってきましたが、現在は価格改定の時に限って発表しています。これまでの予測等については、記事カテゴリーをご覧下さい→燃油サーチャージ
8月以降ゾーンDへ値上げ
JALやANAの燃油サーチャージは、原油価格に連動する指標「シンガポールケロシン」の値と米ドルの価格によって、2ヶ月ごとに価格が改定されます。
燃油サーチャージの価格は、シンガポールケロシンの価格を1,000円ごとに区切った対照表に基づいて算出され、現在はゾーンC。欧米やオセアニアへの往復チケットを購入、或いはマイルを使った特典航空券を発券すると、往復で21,000円もの付加運賃がかかる様になっています。
事もあろうに、現在原油価格はご覧の通りうなぎ上り!私の独自調査では、この4月~5月のシンガポールケロシン平均値は、先週の時点でおよそ88ドル。加えて米ドルの平均値が108.7円でしたので、ケロシンの価格は9,565円。
残念ながら、次の改定時(今年8月以降)のJAL、ANA燃油サーチャージは、ゾーンDがほぼ確定となりました。
10月以降はゾーンEの可能性大
更に更に、そんなシンガポールケロシンは、直近では既に90ドルを超えており、米ドルの値を架け合わせると10,000円を超えてしまいます。つまりこのままの水準で推移すると、更にその次の改定(10月以降)時にはゾーンEが確定する事になる訳です。
ゾーンEともなれば2015年2月期以来の超高水準!欧米往復で35,000円もの無駄な出費を強いられる事になる訳です。これほど高額なサーチャージは、2014年以来の事。当時、WTI原油は100ドル前後と今よりも遥かに高い水準でしたが、当時は米ドル/円の為替水準の影響を受けない制度だったので、まだゾーンEからFで済みました。もし仮に今の制度でWTI原油が100ドルなんて事になると、ゾーンEなどでは済まされずFやG、Hも軽く視野に入ってくる事でしょう。
中東情勢の悪化が原因か
この様な原油高騰、一番の原因は中東情勢。イラクでの代理戦争や、サウジアラビアの内政不安などによる地政学的リスクから、投機筋を中心に原油が広く買われているのだそう。
日本のガソリン価格も、既に150円程にまで高騰していますし、まだまだ上げ止まらない原油価格に不安は募るばかり。
せめて円高になってくれれば若干和らぐのですが、アメリカの利上げによって米ドルをスワップ狙いで長期保有する参加者も多い様で、少しでも下がると途端に買い注文が殺到して、底固い値動きが続く原因になっています。
特典航空券の発券は早めに!
現在ゾーンCの燃油サーチャージ。8月にはゾーンD、10月にはゾーンEにまで高騰する可能性がありますので、特にJALやANAの特典航空券の発券を控えている方は、是非とも早めの発券をおススメします。
なんやかんや言って、海外旅行はまた冬の時代を迎えてしまうのか…?